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ミートジャーナル


ミートジャーナル 1999年9月1日発行

アメリカの外食市場にみる最新トレンドと日本市場の課題

今、アメリカでは産業構造の変化や人口の南部移動に伴い、レストランもカジュアル化の傾向が強くなっている。業態別では"おふくろの味"としてのイタリアンが一番のトレンド。南部に行けばテックスメックスやカリビアンという料理が流行っている。これらのレストランはカジュアルな格好で気楽に行けるのも人気の要因だ。そうした中で、ステーキレストランも人気が高い。アメリカが好景気なせいもあるが、やはりアメリカ人にとってのごちそうは牛肉。せっかく外で食事をするのならステーキをというわけで、ここ5〜6年でステーキハウスが急激に伸びている。

たとえば「アウトバック・ステーキハウス」。10年前にフロリダで創業し、目下650店のチェーンを展開しているが、ここもカジュアルがテーマだ。店舗は150〜200席規模で従業員がポロシャツに半ズボンで動き回り、接客水準も高い。エクセルの完全熟成のステーキのほか、ローストビーフやリブ、チキン、魚貝類のグリルなども豊富で、土着のケイジャンの味付けが南部の雰囲気。客単価は2000円強でファミリーレストランのほぼ倍だが、楽しく騒いで気楽にうまい牛肉を食べさせるということで、評判をとっている。

このほかニューヨークの「ピーター・ルーガー」も本格的なステーキレストランながらカジュアルな格好で入れ、非常に人気がある。メニューはポーターハウス1品。地下室で3週間熟成させた牛肉を上火焼きのオーブンで焼いてくれ、手づかみで骨まで味わえる。味付けは塩と胡椒だけ。ブルックリンの地ビールやアペタイザー(前菜)、デザートも充実しており、予約がとりづらいほどの人気店だ。このほか、フレンチのコース仕立てでステーキを色々なソースで食べさせる、シカゴの「モン・アミ・ガビ」なども話題のステーキハウスだ。

アメリカは不況だった1990年代始めから1995年頃まではビュッフェ(バイキング)が全盛だった。日本人もよく視察に行く「ホームタウン・ビュッフェ」はその代表例。300席ぐらいの巨大な客席とたっぷりした冷蔵ケースやディスプレイケースを配し、サラダから肉、魚、パスタ、デザートまで腹一杯食べられるというイメージを与えている。もちろん食べ放題でドリンクも自由。ワゴンを置いて冷たいものは冷たく、温かいものは温かく提供するなど、温度管理もしっかりしている。

日本での一番の注目はパークハイアットホテル(東京)の「ニューヨークグリル」。53階の店内は眺望もすばらしい。厨房は360度の角度から見渡せるオープンキッチン。シェフが応対するシェフズテーブル、ロティサリーチキンやパンを焼くオーブン、まき釜もある。メインディッシュはグリル料理で、ステーキかローストチキン、魚から1品を選ぶが、オードブルとデザートは食べ放題。前菜はイタリアンを中心に彩りも美しく、いつも新鮮な盛り付け・飾りつけのサラダは20〜25種類そろえ、女性客の圧倒的な支持を得ている。

品川プリンスホテルの「ハプナ」は日本で最も成功しているビュッフェの一つだ。朝は1000円、昼は2500円、夜は4500円くらいで食べ放題。一番人気はローストビーフで、スチームコンベクションオーブンを多数置いてガンガン焼いている。この店はおそらく日本で一番ローストビーフを出していると思う。各コーナーにはシェフが立ち、ビーフシチューやしゃぶしゃぶも好きなだけどうぞというわけで、お客を腹一杯にさせるにはビーフをしっかりメニューに使っている。このほか、ファミリーレストランでは「すかいらーく」のビュッフェ業態「カーニバルグルメ」が人気。若い女性などニュートラルの客層をつかんでいる。

日本の経済状況から見る時、アメリカが苦しかった7年前を思い出す。その時はやっていたビュッフェ業態をどう紹介するかが、日本の外食における成功のキーワードの一つになるのではないか。


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