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ミートジャーナル


98年11月1日発行

アメリカの外食市場に見る最トレンドと日本市場の課題

米国の好景気は外食産業にも反映されている。メニュートレンドは「イタリアン」「テックスメックス」「カリビアン」の3つ。これには経済・産業動向が大きく影響している。現在の経済の中心をなすコンピューター産業などが土地の安い南部へ移動。また高齢化に伴って人口も温かい南部へ移っている。これにより南の食事を食べる人が増え、メキシコ国境に近い地域ではテックスメックス、フロリダ方面ではカリビアン料理が流行している。また、日本ではイタリアンがファッションで伸びているのに対し、米国では"おふくろの味"が人気の理由である。

もう一つのキーワードは「カンファタブル・フード」と「テーマレストラン」。カンファタブル・フードとは"快適な食事"の意味だが、意訳では"おふくろの味"である。また「テーマレストラン」はカジュアルな服装で行けることで人気があり、米国のレストラン全体がカジュアル化の傾向にある。

米国ではステーキレストランが伸びている。その理由は客単価が高いこと、利益率がよいことである。いくつか代表的なステーキレストランを紹介すると、まず一番伸びているのは、南部の独立店チェーン『アウトバックステーキハウス』。約455店(イタリアンのテーマレストラン含めて約500店舗)で売上ランキングが前年の26位から23位にアップするなど非常に好調である。

カジュアルな服装で行ける店で、従業員もTシャツや半ズボンなどカジュアルなスタイル。フレンドリーなサービスが特徴である。米国のステーキハウスは従来、高級な店でネクタイが必要だったが、これでは家族で行きづらく、これを変えた『アウトバック』が人気を呼ぶことになった。

牛肉はもちろんUSビーフを使用しており、メニューは豊富。アペタイザーにはフィンガーフードが用意され、パンもナイフにザクッと刺して出したり、サラダやステーキの付け合わせなども野性味を付加し、健康的なイメージを訴求している。ステーキはスパイスを付けて焼き上がるのを特徴にしており、鉄板で焼く。バックルームにはサービスや衛生のマニュアルが完備されており、従業員管理もしっかりしている。

次に急成長しているのは『ローンスター』(1つ星=テキサスの州旗)である。店舗数は270店舗。店内は木目調で照明も暗くし、テキサスの古い居酒屋の雰囲気を出している。この店でも目線を会わせてオーダーを取るなど、カジュアルなサービスが特徴だ。厨房入口には肉のショーケースがあり、どんな肉を焼いているのか見えるようにしている。肉はチャーブロイラーで焼くが、『アウトバック』よりメニューを肉に絞っており、厨房は約半分ほどのスペース。経営陣にピザハットの出身者が多く、FF(ファーストフード)的な効率を追求している。

シカゴからスタートした『モートンズ』は比較的高級な店だが人気がある。客単価は60ドル以上と高く、ネクタイが必要だが、店内はできるだけカジュアルに配慮している。メニューはなく、現物を見せて注文を受ける。ステーキは上火のブロイラーで焼き、切り分けてもくれる。アペタイザーやデザートも充実している。

『ルース・クリスステーキハウス』(ニューオリンズ)は鉄板を使わず、特殊なセラミック製の皿を熱く熱したものを使用している。日本では鉄板を使うケースが多いが、女性客は煙や匂いを敬遠するため使わない方がよいだろう。

『ピータールーガー』(ニューヨーク)は110年の歴史を持つ店で、メニューはポーターハウスに限定。味付けは肉汁のみというシンプルさだが、特徴はエージング。店内と同規模の熟成庫を持ち30日間の熟成を行っている。

このように、米国ではステーキハウスが今非常に人気がある。そこで日本にどう導入するかだが、ひとつの方向はカジュアル化だろう。

『ニューヨーク・グリル』(東京・新宿)は開店以来5年経つが、相変わらずの大繁盛。適正価格と雰囲気から、1万円クラスでも従来の2倍の価値観があるといわれている。『ロイズ』もニューヨークグリルのやや廉価版として人気を呼んでいる。ターゲットは20〜30代の女性で、価格がそこそこで味がよい。グローバルダイニングが展開している『ゼスト』はテックスメックスで成功している唯一の店ともいえる。

日本ではステーキハウスは厳しい状況にあるが、成功しているレストランは味の良さは当然として、サービスがフレンドリーであるのが特徴。30〜40代の女性をターゲットにサービスと雰囲気の良い店というのがトレンドであるが、やはりステーキ1本では難しい面もあり、今後は箸で食べられるメニューの開発なども必要だろう。

和食や中華でも牛肉を使うケースが増えている。ニューヨークグリルと同じホテルにある『こずえ』は器にも凝った和食の店だが、会席料理でもカジュアルな雰囲気を出し、コースに牛肉の「朴葉焼き」などを採用している。また、山形・上ノ山温泉にある旅館の『古窯』では宴会場にオープンキッチンを導入。USビーフを使用したステーキで成功している。このようにステーキは取り入れ方、訴え方を工夫することでまだまだ伸びるチャンスがあるといえよう。


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