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コンビニエンスストアー

クレーム撲滅大作戦


コンビニエンスストアーのクレーム撲滅
3ステップ大作戦

接客、商品苦情からマル暴イヤガラセ対策まで

最近コンビニエンスストアーに対するクレームや苦情が増加している。ある大手のチェーンでは本部に来るクレームだけで昨年に対し60%も増加し1000件をこえているようだ。

それに反して、先日の日経流通新聞の流通ジャンル別の顧客の持つ企業イメージではコンビニエンスストアーが最も良く、年々その数値が向上している。この理由は、各チェーンの店舗数の増加に伴い、コンビニのTVCMが大幅に投入されているからである。各チェーンは人気のある俳優を起用し、従業員の役をさせることにより、店舗のサービスの良い点を強調している。この結果、実際以上に店舗のイメージが向上し、売り上げが伸びる結果となっている。しかしながら、この顧客の頭にイメージする良い顧客サービスは、店舗の実際のサービスにぶつかるとその差に愕然とし、苦情につながるのだ。

と言うことは今までと同じサービスや商品を提供すると、チェーン規模が大きくなるに従いもっとクレームが発生することになる。また、本年導入されたP/L法のために顧客に権利意識が芽生えクレームがより一層発生し出している状況だ。ここでもう一度正しいクレーム処理の対策を学ぶ必要があるだろう。

  1. クレーム処理に積極的に取り組んで売り上げを上げよう

    クレーム処理というと敗戦処理のようでいやがるが、クレーム処理に取り組む姿勢で売り上げが上がったり、下がったりするほど大事な業務なのだ。クレームを言う客はお店にとって大変良い客だ。なぜかというと、店舗の問題点が大きくなる前に理解でき対処できるからだ。

    クレームを正しく処理しないと

    米国のNRA(全米レストラン協会)の過去の統計によると店舗のサービス、商品、クレンリネスなどに不満をいだいた客の内96%の人は店舗に直接クレームを言わない。不満を持った内のたった4%の客がクレームをお店に伝えるのだ。と言うことはクレームがチェーン全体で年間1000件もあれば、実際に不満を持っている客は25000人にもなるわけだ。クレームを本社にする人はよほど怒り狂っている人で店に直接クレームを言う人はもっと多いだろう。仮に本社にクレームを言う客の4倍のクレームが店舗で発生しているとすると、125000人の客がそのチェーンに不満を抱くことになる。

    クレームを申し立てない人は問題ないかというとそうではない。不満を持ったが、クレームを言えなかった96%の客の内、91%の客はもう2度とその店を訪れないのだ。たった5%の客しか再度来店してくれないのだ。上記の計算例だと毎年113750人の顧客を失っていくことになる。

    そして、不満を抱いた客は店の悪口を10人の人間に話す。口コミで店の悪い評判が広がるわけだ。つまり、日本全体で110万人もの人がそのチェーンに悪いイメージを持つようになるのだ。

    クレーム処理を正しく行えば

    クレーム処理を正しく行えば、95%の客はまた、今までと変わらず訪問してくれるし、その満足した処理を5人の人に話してくれる。つまり、口コミで良い評判が広がるわけだ。つまりチェーンの固定客を年間118750人増加させることが可能なのだ。

    このようにクレーム処理を間違えると、大きな問題になるし、クレームにならない客の不満をなくす必要はもっと重要なのだ。クレームを申し立てるのは不満を抱いた客の内ほんの4%であり、その人はお店に忠告をするために勇気を持ってクレームを申し立ててくれるのだと感謝する必要があるだろう。そしてクレームにより、お店の問題点を大きくなる前に解決できる良いチャンスであり、それを行ってくれる勇気のある客に感謝して対処するべきだ。

  2. クレームの種類

    クレームへの対処と、クレームを引き起こさないためにはどのようなクレームが多いかと言うことを理解するべきだろう。驚いたことにCVSも外食店舗も最も多いクレームは接客サービスだ。クレームの内50%は接客サービスが占める。

    クレームの種類を多く見ると以下の3つに分けることが出来る。あるチェーンの比率を見ると

    1. 接客
    2. 53%
    3. 商品
    4. 17%
    5. 店内清潔さ、近隣環境問題
    6. 9%
    7. その他
    8. 21%

    接客の内訳を見ると客に声をかけない、挨拶がない、と言う基本的な接客のクレームが60%もある。その他は袋詰めが良くない、サービスの受付業務が悪い、愛想がない、ぶっきらぼう、レシートの手渡しをしない、待たせるなどだ。 商品の内訳は、何時もと商品が違う、品質が劣化、賞味期限を過ぎている、値段が付いていないなどだ。

    店内清潔さと近隣環境問題では、近隣の駐停車、騒音、ゴミなどと店内の清潔さなどだ。

  3. クレームが発生したときの対策

    CVSの各社のマニュアルを見るとクレーム処理の対策があまり具体的に書いていない。これは店舗のサービスは店舗が解決する問題でありオーナーの責任で、商品の問題はベンダーやメーカー、オーナーの問題だという姿勢からくる物だろう。外食の場合には責任逃れが出来ないので真剣なマニュアルを作成し対処している。以下に外食のマニュアルを元にしたCVS用のクレーム処理マニュアルなので参考にしていただきたい。

    クレーム処理マニュアル

    どんなに顧客の方が悪くても顧客は常に正しいのだと言う姿勢が問題解決の基本だ。顧客がいるからビジネスが成り立つのであり、顧客はみんな、いかに顧客の要求が無理なようでも、尊敬されたり、丁寧に取り扱ってくれるのを望んでいる。クレームを言う顧客の理由は千差万別だと言うことを客の立場に立って理解する必要がある。

    従業員がどんなクレームにもプロフェッショナルに対処できるように、予想されるクレームの種類とその対処の方法を明確にトレーニングする必要がある。

    トレーニング内容

    まず、予想されるクレームの種類を説明し、アルバイトが顧客の立場でこんな経験をしたらどうなるか考えさせ顧客の気持ちを十分理解させる。そして、クレームを申し立てる顧客はアルバイトを攻めるのではなく、店舗が好きでクレームを申し立てるのだということを理解させ、顧客のクレームを怖がらせないようにする。

    1. 迅速な応対

      クレームにすぐ応対し、待たせない。待たせることにより、怒りが増幅するからだ。

    2. 落ち着く

      どんな状況になっても従業員に落ち着いて冷静に対処できるようにする。

    3. 注意深く話を聞く

      顧客が何を言いたいのか急がせないでじっくりと聞く。もし顧客が怒っているのなら、話をじっくり聞くことにより、怒りを収めさせる。話の途中で口を挟んだりして邪魔をしてはならない。顧客は話を全部聞いてほしいと願っているからだ。

    4. 顧客が興奮し他の客の迷惑になるようであれば、事務所やバックルームに案内し、 興奮を納めさせる。

    5. 顧客の立場になる

      顧客の立場に立って問題点を見てみる。

    6. いいわけをしない

      怒り狂っている顧客のクレームは従業員を個人的に攻撃しているのではないのだと言うことを理解する必要がある。そして顧客の立場で一緒に問題点を見てみる。

    7. 責任を認める

      顧客は弁解や、説明を求めているのではなく、不満を解決したいのだ。まず、問題にたいし、応対する従業員が責任を持っており、会社として解決をするために真剣に取り組んでいるのだという姿勢を見せる必要がある。そして、顧客に不便をかけていることを丁寧にわびなければいけない。商品のクレームなど因果関係がはっきりしない場合でも、ご迷惑をおかけして申し上げありませんと丁寧に詫びておく。

    8. 解決策を見いだす

      クレームを申し立てている顧客の不満をその場で解決することにより、その顧客は固定客となる可能性がある。顧客の不満をクレームを申し立てる前に見つけだし解決できるようにする。不満を抱く客は、従業員と目を会わさなかったり、レジの前を行ったりきたり迷った態度が見えるはずだ。その兆候が見えたら先に声をかけて不満を聞くようにする。

      クレームを申し立てている顧客には、どんな解決策を望んでいるか聞くことにより、問題解決の糸口が見つかるかもしれない。

    9. 顧客へのフォローアップと連絡体制

      どんな些細なクレームで従業員が簡単に対処できたとしても、必ず、店長やオーナーに連絡する。このことにより、店長、オーナーははそのクレームの原因を理解し、再度このようなクレームが起きないような対策を立てることが出来る。もし可能なら、顧客に直接わびることにより、問題点が解決し、顧客が満足しているかということを確認できる。店舗の責任者が直接わびることにより、顧客は自分を大事にしてくれていることを理解でき、お店に感謝する。顧客にわびるときには、従業員が悪いのですなどと、他人のせいにしてはいけない。丁寧に顧客に迷惑をかけたのは自分たちの責任であることをわびる。場合によってはお詫びの手紙を出すことも有効だ。

    店長、オーナーのモラルとアルバイトへのトレーニング

    クレーム処理の方法は以上のようだが、CVSの問題点は少ないアルバイトがクレームを応対し、往々にして店長やオーナーがいない場合が多く、クレームの応対が悪く、かえって問題をこじらせる場合が多い。そこでアルバイトにクレームの基本的な考え方をしっかり教育しておく必要がある。外食もそうだが、CVSもクレームを引き起こす件数の多い店の共通点は、オーナー、店長の接客がぞんざいだと言うことが見受けられる。まず、接客をきちんとし、顧客の立場に立った応対が基本になる。

    商品のクレームで多い賞味期限を過ぎた商品の問題の多くは、店長、オーナーが厳格に基準を守らないと言うことにある。従来は多少のことは詫びてすんだが、PL法の施工いらい顧客の権利意識が高まっているので、厳格な基準の励行が必要だ。オーナーが守らないでアルバイトは守るわけはないのだからだ。

    特にアルバイトに注意しなければいけないのは、興奮しないと言うことだ。顧客が怒って怒鳴ってくることに対し、感情的に応対するとトラブルがかえって大きくなるからだ。顧客によってはこの店での不満でなく、家庭での喧嘩、他の場所でのトラブルにより抱いた鬱屈を発憤させる場合があるからだ。

    筆者の経験で、ある関西の店舗でアルバイトが顧客に暴力を振るいけがをさせたという事件があった。アルバイトは警察に拘留されており事件になる寸前だった。特に問題だったのは彼は大学4年生でなんと就職先が県警だったということだ。この事件が大きくなれば彼の就職がだめになるではないか。アルバイトは永年勤めており、マネージャーの代行までやるくらいまじめでおとなしい男で、客に暴力を振るうとは思えなかった。

    警察は示談にすれば不問にすると言うことであった。先方に呼び出しを受け話し合いにいたら、すぐに金を要求するし、交渉の席にやくざ紛いの人間が同席していた。そこで関係ない人に直ちに席を外してもらい、交渉を進めた。

    しかしながらどうにも腑に落ちない点があり調査を進めた。まず、診断書を出した病院に聞いたら、本人の申し立てがあったので診断書には打撲による頭痛と書いただけであり、打撲の痕跡は認められなかったとのことだった。そこでこれはおかしいと思い、被害者の事前の行動を調べた。案の定、近所の飲み屋で事前に勘定の件でトラブったとのことだった。そして、店を出るとき頭にきた、これから暴れてやるぞと大声で叫んでいたとのことだった。

    実状は頭にきた彼らが当店にきてアルバイトに絡み、襟首につかみかかったが、危険を感じたアルバイトが押し戻したと際に床に倒れたと言う物で、正当防衛だったわけだった。この件はこれで収まったのだが、問題はアルバイトが正当防衛であっても押し戻したということだろう。どんなに店舗で客とトラブルになっても、客の体に手を振れていはいけないと言うことを認識するべきだろう。特にCVSは深夜営業して酒を置いているので、同様なトラブルは多いのでよく注意しなければならない。

  4. クレームの種類別対処

    1. 商品のクレーム

      店舗だけで対処できないクレームに、弁当などの商品自体の問題がある。食品の中に異物が混入したり、変色、異臭、カビ、などがある。まず、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんと丁寧に詫びる。すぐに店長、オーナーを呼ぶ。状況、顧客の言い分に耳を傾ける。次に顧客のレシートと商品を確認後、直ちに回収し、顧客に返金か、他の商品の提供をする。顧客の住所、名前、電話などの連絡先を聞き、これから問題を調べ、わかり次第連絡する旨を丁寧に伝える。途中で顧客を待たせることはしない、クレームが大きくなるだけだからだ。

      回収した物と同じ商品の販売を中止し、冷凍庫に保管し、直ちに店長、オーナーは電話で本社の担当部署に連絡する。また、担当の店舗指導員と地区本部の商品部などに連絡を入れる。緊急用の連絡体系を表にしておくと良い。

      同時にクレーム報告書を作成し記録に残し、本社にも提出する。クレーム報告書は商品クレームの内容(異物混入、変質、カビ、下痢などの食中り、歯の欠け)など明確に書く。次に商品名、要領、期限、製造年月日、配送便、メーカー名。販売状況は、販売日、数量、食べた時間。顧客情報は、氏名、住所、電話、性別、連絡先、入院したらその病院名と住所、電話番号、あれば診断書の内容を記入する。

      本社は直ちに緊急連絡網に基づき、社内担当者、ベンダー、メーカーの担当者に連絡し、店舗に行かせ現物を回収する。次に問題商品と同じ製造時間の物を冷凍庫からだし、分析する。食中毒などの大きな可能性がある場合には、自社工場で分析するだけでなく、公的な機関にも分析を依頼する。

      問題の答えがでたら、直ちに本部に連絡し、オーナー、本部指導員と顧客の家に同行し、詫びる。責任が明確であれば必要な保証を申し出て解決する。金銭の授受が発生する場合には、同時に示談書を取り交わしておく。

      チェーン本社は常時、ベンダー、メーカーの工場に対して、衛生的で、安全であることを要求しておく。PL法の施工以来、米国で実施されているようなHACCPによる安全管理システムの導入を指導するべきだろう。日本ではまだHACCPについての理解度が低いようなので、別項で説明する予定だ。

      また、食中毒だけでなく異物混入のクレームが多いので、工場内で使用している、什器備品の種類、管理方法の確認も必要だ。少なくとも金属探知器の設置と、常時その感度のチェックを怠らないようにしなければならない。

    2. やくざ、暴力団などによる故意の嫌がらせ

      暴力団新法の施工以来それらの嫌がらせは減少してきたが、景気の低迷によりまた、増加の気配があるので注意が必要だろう。この問題は地域差があり、チェーン本部は地域により異なった対策を立てる必要がある。この問題は首都圏では警視庁の姿勢が強くあまり大きな問題となっていないが、関西などの地方に行くと警察の姿勢が大きく異なる。また、関西方面ではそれらの団体以上に強い組織がありその対策は十分な注意が必要だ。

      特に顧客とのクレーム処理は民法の問題だと言って警察は深入りをしたがらない傾向がある。筆者が関西のある地区で経験したのは、新店舗のオープンの数多くのトラブルだ。土地が安いので物件を購入しての新規開店だった。まず問題が発生したのは、近隣の中学校のPTAからの呼び出しだった。理由は飲食店が朝8時から営業するのは、生徒が店で買い食いするから教育上良くないと言うことだった。

      おなかが減っているのだからいいじゃないですかと行ったところ、実は、食事をするのは構わないのだが、その金を稼ぐために他の生徒を恐喝するからだと言うではないか。そこでそれは当方とは関係がないと言ったら、貴方はこの地区の特殊性を全く理解していないと行って、PTAと先生の強面のメンバーに脅かされてしまった。(この地区は日教組の委員長を出す有名な地区だった)そこで、夏休みなど学校がないときは8時からでも良いという条件で開店時間を1時間遅らせることに同意した。その合意の後で、先方の人たちに貴方は大変な場所に出店しますねと言われた。理由を聞いたら、この地区は特殊な人の多くいる場所であり、CVSなどが新規開店しても数ヶ月で撤退してしまう。食中毒だと言っては金を続々とせびるので続かないのだということだ。

      また、店舗の周囲は暴力団の事務所が数え切れないほどあるのだそうだ。冗談だろうと聞いていたら数日後、店長から電話があり、困っているんですと言うではないか。どうしたんだと聞いたら実は店を開くのに挨拶がないと言う理由で。暴力団の事務所に監禁されているのだという。すぐにスーパーバイザーに連絡し、地元の警察に連絡を入れた。ところがなんと数分もたたない内に暴力団から、警察に連絡したなとクレームの電話が入った。警察の情報が筒抜けだったのだ。しかも警察は真剣に取り合ってくれない。現に近所でついこないだ開店した有名なファミリーレストランは店舗駐車場入り口を、街頭宣伝車でブロックされると言うすごい状況だった。

      警察の問題点は情報収集に地元の有力な団体の協力を仰ぐことがあり、その情報は一方通行ではないと言うことだ。そこで、頭にきた筆者は県警の丸暴の課長のところに何とかしろと怒鳴り込んだ。その結果、事件があったら必ず立件するという条件で、問題解決に協力してもらうことにした。お陰で開店の際には警察官数人の立ち会いの元に最初の顧客はつまみ出すと言う荒い船出だった。

      このように地方によっては警察との交渉の方法が異なるので状況をよく把握し、適切な対処が必要だし、新規出店の際にはこのように情報は的確につかんでおく必要があるだろう。以上の筆者の経験は関西圏に於けるトラブルのほんのわずかな物でその他に原稿ではかけない生々しいのは数しれないほどだ。

      やくざ、暴力団に対する基本的な対処の方法は、時間をかけてじっくり取り組むという姿勢と経験だ。簡単に金を払えば解決するわけではないと言うことをしっかり認識する必要がある。その場でも問題が解決しても後でもっと大きな問題となるからだ。


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