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ローソンキッチン店内調理の分析


2004年7月号で、デイリーヤマザキ、AM/PM、ローソン、のコンビニ3社の店内調理を評価した。その中でローソン鶴見駒岡一丁目店はコンビニ+ほっかほっか亭のようなローテクの店舗であり、弁当を注文してから8分ほどかかる遅い調理システムと酷評したが、その回答が帰ってきた。それがオレンジ色看板のLowson Kitchenだ。今回の店内調理は持ち帰りだけでなく、12席ほどのカウンターとテーブル席を配置している。鶴見との違いは若者向けの洋風の丼弁当にしている点であり、どの様に改善をしたかチェックしてみよう。

1)メニューは
ミニ唐揚げ丼         300円
ミニ白身魚天丼        300円
ミニじゃこ明太子丼      350円
ミニコロモコ丼        350円
たま丼            400円
エビとじ丼          550円
カツ丼            610円
オムカレー          480円
デミオムライスハンバーグ弁当 580円
生姜焼き弁当         530円
白身魚のおろし南蛮漬け弁当  550円
から揚げ弁当         470円
鶏唐揚げと野菜の黒酢弁当   550円
お魚いっぱい弁当       550円
洋風幕の内弁当        580円
とんかつ弁当         590円
デミハンバーグ野菜添え弁当  590円
その他デザート
ホットドック
ドリンク
テレフォンオーダーも実施
2)厨房施設は電化厨房
電気フライヤー2台
電磁調理器2台
保温機(5段で1/2ホテルパン10個を保温できる)
湯煎器1台
炊飯ジャー1台〜2台
4枚扉のリーチイン冷蔵庫1台
4枚扉のリーチイン冷凍庫1台
アンダーカウンタータイプ冷蔵庫2台(1台は確認、もう一台は推測)
液体味噌汁ディスペンサー
コーヒーマシン2台
コーラディスペンサー1台
電気湯沸かし器1台
シンク一台
小型冷凍庫1台
作業台1台
ワイヤーシェルフ(棚)1台
殺菌器(リーチイン型の殺菌機と思われるが未確認)

3)調理システムの特徴
鶴見のお店の弁当提供時間が遅かったのは、加熱調理の遅い調理機器を使用したり、食材を事前に調理し保温してピーク時に対応しなかったからだが、今回の厨房はマクドナルドのメイド・フォー・ユー・システムで使用しているような保温機を使用するなど研究をしたことが伺える。格段の進歩と期待した。
欠点は電化厨房を使用しているが、そのために低電圧の契約ではなくなるので、変電設備の備えが必要になるかもしれないと言う点くらいだ。

4)保温食材
トンカツと海老フライ
サツマイモとウエッジポテト
フラッシュパプリカの青、赤、フラッシュしめじ
揚げ茄子
鰺唐揚げ
揚げハンバーグ
唐揚げ
白身魚
生姜焼き
チキンライス
白身フライ
鰯揚げ

と殆どの食材を事前調理して保温している。


5)調理提供時間
上記のように殆どの食材を保温して提供時間を短縮するようにしている。素晴らしい進歩だと期待して平日の12時半に訪問し注文した。さて、カツ丼を注文しタイムチェックをした。前回、足立島根4丁目店デイリーヤマザキ・ホットステーションでチェックした際には注文後、冷凍のとんかつ(100g程度)を8分ほどかけて揚げてから作ったので、時間は何と13分もかかったからだ。今回の保温機でその揚げ時間がなくなるので、調理提供時間は大幅に短縮できるだろうと推測した。
カツ丼を注文すると、伝票に記入しレジに入力し支払を済ませる、伝票を厨房に渡し、調理を開始。その後、客にレシートと待ち札を渡す。厨房では電磁調理の上にテボを置き、出汁を入れ、加熱開始、玉葱を入れ加熱する、トンカツを保温機から取り出し、まな板でカット、まな板を持って電磁調理の前に行き、トングで一切れ一切れ丁寧に鍋に入れる。次にといだ卵をかける。持ち帰り容器に御飯を盛り付け、出来上がったカツをかける。出来上がったカツ丼を持って作業テーブルの反対側まで歩き蓋をしてガラス窓の隙間からレジに渡す。出来上がるまで付きっきりで調理だ。揚げ時間がないので4分37秒で出来上がった。かなり研究したのだろう。しかし、数日前に訪問した際には9分15秒と時間が長かった。その原因は電磁コンロが2つしかないので複数の注文が入るとその調理終了まで待たなくてはいけないからだ。
次にデミオムライスハンバーグ弁当580円を注文した。ハンバーグとオムレツを保温していないので時間がかかるだろうと思ったからだ。
ハンバーグは湯煎器にレトルトパウチのまま入れ、加熱。デミグラスソースは小さなステンレス容器に入れ、湯煎器に入れ温める。オムレツは同じく小さなステンレス容器に入れ、湯煎器で加熱調理する。御飯をよそう。御飯の上にサニーレタスを1枚乗せる。湯煎器から暖まったハンバーグのパウチを取り出し開封し、御飯の上のサニーレタスに盛り付ける。横に湯煎器からステンレス容器を取り出しやや固まった卵を御飯の上に乗せる、次に暖まったデミグラスソースをかける。ミニトマトを乗せる。容器を持ち、蓋をおいてある場所まで歩き、蓋を乗せる。容器をガラス窓から差し出す。調理提供時間は7分51秒とやや長かった。

6)人員配置と生産性
キッチン3名、レジはコンビニサイド2名、キッチンサイド1名、管理者は店舗マネージャー1名、厨房指導員1名と合計8名で生産性が低いがその原因を見てみよう。

<1>店舗における厨房の配置と、別レジの問題点
 厨房は店舗に入って左奥に設置し、ドアのあるガラスで囲っている。調理が終わった弁当はガラスに開けた小さな窓からレジに渡すようになっている。レジはL字型のカウンターにおかれている。L字型の大きい線にコンビニ商品向けのレジを2台、弁当向けのレジはL字型の小さい線に1台設置している。このためレジの人間が別途必要になる。これは弁当の調理時間が長いために別に設けたのではないかと思われるが、1名余分に必要になる。厨房をガラスで遮蔽しているのは保健所などの指導もあるのかもしれないが、これを解決しないとコンビニのレジで働く人間との共用性がないので、生産性は低くなるだろう。

<2>厨房のレイアウト
 1つの弁当を作り上げるのに従業員が歩く距離が多い。これはレイアウトに問題がある。レジカウンターの後ろに厨房があるが、レジカウンター側には味噌汁ディスペンサーや弁当容器の蓋を置いた作業台になっている。通路を挟みアンダーカウンタータイプの冷蔵庫2台を島型に配置し、5段タイプの保温機を設置し、空いたスペースは弁当の盛り付けに使用する。その島型の奥の壁側に2連のフライヤー、小型冷凍庫、電磁調理2連が並んでいる。
調理に当たる従業員はフライヤーの前に1名、電磁調理の前に1名、島の反対側に1名、立って作業をする。最終調理は電磁調理の前で行うので、弁当に盛りつけをした後、5歩ほど歩いて、レジに持って来なければならない。弁当総菜店などのように弁当と惣菜を作る場合にはこのような島型でレイアウトをするが、その場合島型を縦型にしてそれぞれの位置にいる従業員が作り上げた弁当や惣菜を1歩程度歩くだけでレジに渡せるようにする。弁当だけの場合は2名の従業員で調理できるようにしてそれぞれの持ち場から一歩も動かないで済むような調理機器の配置をするべきだろう。
事前にテストキッチンなどで調理機器を組み立てて作業シュミレーションをしていないと言うことが明白な調理システムと言える。


<3>調理システム
 保温機を使って調理時間を短縮するように考えた厨房であるが、保温機から取り出しどの様に迅速に最終調理を行うかまで考えないといけない。最終調理は電磁コンロという調理時間の長い調理機器であると言うことと、コンロが2つしかないと言うことだろう。より高速な最終調理機器を開発し、製造能力に見合った調理機器の設定を行う必要がある。

7)味のコメント
カツ丼自体の肉のボリュームはあるし、熱々で美味しかった。しかし、デミオムライスハンバーグ弁当はハンバーグの片面しか焼け色が付いておらず、片面は灰色で食欲をそそらなかった。味もレトルト風の味でスパイスがきつく後で胸焼けがした。卵も火を使わずにオムレツにするので香りが出ていないし、まだ生であり衛生上大丈夫かと思わされた。(多分、殺菌済みの液卵を使用しているので問題はないと思われるが)。
 問題は食後、胸焼けがしたことだ。大食いの筆者は弁当の2つ3つ食べても胸焼けをすることはないのだが、ハンバーグのスパイスや肉が胃にもたれた。作りたて弁当の良さというのは保存性に必要な食品添加物などを最小限に押さえるという点であろうが、通常のコンビニ弁当と同じレベルの印象であったのが残念だ。

8)衛生上の懸念
<1>野菜のカット
 野菜類は丸ごと搬入し、店舗でカットする。同じ店舗で最終調理も行うので、弁当を作る調理システムとしては汚染の危険がある。そのためだろう、賞味期限は2時間40分と短く設定している。
<2>衛生手袋
通常の弁当惣菜屋が弁当を作る際には、従業員は使い捨ての衛生手袋を使用するのだが、この店舗は2回訪問したが使用していない。厨房内に用意はあるのだが、使用していないと言うのは衛生感覚の欠如だろう。
<3>温度管理
保温食材の温度チェックは行っているが、使用する温度計の応答性が悪く実際より温度が低く表示される可能性のある物を使用している。どの様な温度計を使用するかは衛生管理に必要な保温温度を正しく保つためには必要不可欠な知識だ。

10)総合所見
 コンビニの店内調理はまだまだ技術的に改善と研究の余地がある。コンビニの総合的な体力を考えると高速調理の厨房を作り上げることは可能であるが、出来上がった調理設備への投資額と、弁当の販売数とのバランスが取れるかが課題であろう。過去、ミニストップや、ミニストップとオリジン弁当のコンボストアーが成功しているとは言い難いのと同じ問題を抱えるだろう。
 店内調理にこだわらず、出来上がった弁当をどの様に美味しく加熱するかを、包装材や加熱器器、保温機の改善で考える方が、生産性を考えても得策だろうと思う。現在の弁当は冷たいまま提供したり、電子レンジで温め直しをすることを前提にベンダーで製造しているが、店舗の加熱方法とマッチした工場調理システムで調理加工して、店舗で最適加熱すればより美味しい弁当が提供できるはずだ。何も、店内調理にこだわることはないのではないだろうか?

 


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