今回のレストランショーでは冷凍パンの展示が増加しており、ユーザーの選択の幅が広がったようだが、今度はどうやって選択するかという贅沢な悩みも抱えだしたようだ。
まず、冷凍パンの原理と種類を見てみよう。
職人不要の冷凍方式の場合でも技術的にかなり難しい物がある。イースト菌は生き物であり、冷凍しては活性が失ったり、死滅してしまう。そこで冷凍しても大丈夫なイースト菌や冷凍しても大丈夫な生地になるような添加剤をしようしなくてはならない。また、イースト菌は温度に敏感であり配送途中の温度変化を嫌う、そこで配送の経路、温度管理の安定化、店舗における大型冷凍庫の設置が必要になるし、冷凍生地の解凍と発酵もきちんと行う必要がある。冷凍パンであっても、取り扱いや、良い冷凍生地の入手、誰でも同じ品質を実現できる調理機器、の知識が必要だ。
以上のようにスクラッチ方式で小麦粉から焼き上げるまで、4時間から6時間もかかる。パン屋などで朝の8時に開店しようと思ったら夜中の2時から作業にかからなくてはいけないので、町のパン屋の後継者のなり手がいないという問題を抱えだした。
カリフ方式でない成形後冷凍生地の場合、解凍後焼成するプログラムを持った専用のオーブンが必要であり、同じ成形後冷凍生地といっても異なるので注意されたい。
簡単ではあるが、まだ、商品の種類が少ないのと原材料コストが高いというデメリットはある。
本格的なピザも焼きたいという要望があればデッキタイプのオーブンが望ましく、フランスパンを焼くならデッキオーブンで蒸気が出る物でなくてはならない。
生地も調理機器も色々な種類が増加して便利になったが、今度は選定をするのが難しいという贅沢な悩みが増えたようだ。
冷凍パンのベークオフショップのリトルマーメイドなどの展開や、ベークオフシステムをサンマルクに提供している、タカキベーカリーの関連会社で、外食レストラン向けの冷凍生地販売会社。大手ファミリーレストランなどで採用されている。焼成後冷凍生地を販売している。
日本の最大手の製パン会社のベークオフショップのビドフランスの冷凍生地の販売をしている。
海外の冷凍生地の輸入会社で、ニュージーランド、フランス、等海外の品質の高い冷凍生地を輸入しており、取扱品目が豊富である。成形後冷凍生地、成形発酵後冷凍生地、半焼生後冷凍(ブラウンサーブ)の生地、冷凍ケーキ、冷凍パイまで幅広く輸入販売している。
デンマークから製パン用のオーブンなどを輸入している、厨房機器の販売会社であるが、本場デンマークから成形後冷凍生地、半焼生後冷凍(ブラウンサーブ)の生地等を輸入販売しており、それらの生地に最適な専用オーブンも合わせて販売している。
日本で冷凍パンを普及させた製パンの専門会社であり、豊富な経験を持っている。フランスのカリフ社と合弁会社を作り製パンメーカーと技術協力し、冷凍生地の製造とそれに対応する専用のオーブンを開発している。外食レストランなどに冷凍パンの技術を広めた先駆者である。
ツジキカイと同じく製菓製パンの機器の製造と輸入を行っている。カリフ方式ではない普通の成形発酵後冷凍生地をそのまま焼成出来るように、特殊な解凍後の焼成プログラムを組み込んだコンベクションオーブンの輸入販売を行っている。
ヨーロッパ最大のスチームコンベクションメーカーで、最新のスチームコンベクションオーブンは製菓製パンに適した機能を備えており、製菓製パンの調理指導も行っている。ラショナルのスチームコンベクションオーブンはOEMでフジマック、ヘニーペニー(トーエイ工業)でも販売しているので、販売地区、サービス地区も豊富である。
もし、レストランの調理用にスチームコンベクションオーブンを導入する際には、製菓、製パンの機能がある機種を導入すると冷凍パンをあまり、追加投資しなくても導入することが可能だ。製菓製パン機能のあるスチームコンベクションオーブンとは、蒸気量をコントロールできたり、庫内の蒸気を排気出来る機能があること、風量を弱くできる事、やけむらを防ぐようにファンのが自動で逆転できること、発酵も出来るように低温の温度コントロールの精度が高いこと、等である。
最近は技術進歩でどんどん良い生地と調理機械が出てくるので常に勉強を怠らないと言うことだろう。