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飲食店経営価格競争時代に打ち勝つ
第四回
消耗備品費の削減


<消耗品と備品のコスト管理>

<合理的な経費コントロールの必要性>

レストランは現在バリューミールの大流行である。特に食べ放題のメニューが流行している。ごく一般的な夕食で700円から1000円が当たり前である。この金額で食べ放題なのである。フランス料理でも高級なところは別として、3000円くらいでフルコースを食べられる店はざらである。勿論コース1万円の店もあるがそれは、ごく特別な店である。そのおかげで現在フランス料理のシェフは余っており、社員食堂などで働かざるをえない状況である。

ファーストフードも同様にバリューミール(ディスカウント)一本槍である。日本のビックマックやワッパーは380円であるが、米国では100円である。プロモーション実施中のためでもあるが、それでも、日本の約1/4の価格とは驚異である。

現在の日本の物価は米国の4倍である。米国の50%高までに抑えられれば、物価は1/2以下になるのだ。問題は、日本の流通コストが1ドルが360円時代のままだということだ。中間マージンの大きい流通形態や、大会社の中間マネージメントの人数の多さと非効率のために1ドル100円になっても物価が下がらないのだ。これは日本の会社ばかりでもない、日本に進出した外資系も同様である。炭酸飲料会社はその典型である。

1ドルが360円の頃の値段をそのまま維持しているおかげで数年前には日本の子会社の利益と米国本社の利益が同じくらいになってしまったのだ。米国では缶入りの炭酸飲料はスーパーのディスカウント時になるとなんと20円/1缶である。無印でなくブランド品がである。飲食店用のポストミックス原料シロップの値段を見たらなんと、米国の5倍はするのであり、これでは炭酸飲料会社の利益が出るのが当然だ。米国のファーストフードでは利益をフレンチフライや炭酸飲料で出すのであるが、この日本の原材料価格では利益がでないから米国のようなバリューミールをできるのは海外から直接原材料を調達しているチェーンだけなのだ。

<<合理的な経費コントロールの必要性>>

「今は景気が悪いが良くなったらまた、客単価が上がるよ」なんて言っているととんでもない事になる。米国の景気は回復しているが、現在流行のリエンジニアーリングにより中間マネージメントや、人員を削減しているので、失業率は改善されていないのだ。そのため、飲食業では相変わらずバリューミールを継続せざるをえない。日本の景気は米国の2〜3年後を追っていることを考えると、当分低価格路線が変わることはないと断言できる。1日も早くコストを下げ損益分岐点をギリギリまで下げ商品売価を下げても利益のでる体制にしなければならないのだ。バブルの時の甘い夢をきっぱりと忘れ去ることが必要だ。バブルの時代にぬるま湯に浸かりすぎ、経費の厳しく、合理的なコントロールを忘れ去ってしまっているのだ。

なぜ飲食業で経費の合理的なコントロールができないかというと、物事を論理的に追求するという経験が全く無いからである。一般的に飲食業には営業が好きな文化系の人が入ってくるがそれが大きな間違いなのである。論理的にものを考えて問題点を発見し、解決する習慣がないのだ。飲食業に入る人は作業が嫌いで、飲食業であれば机に座って書類計算をしないですむという甘い考えを持っているのである。人件費計算、棚卸し、P&Lなどの作業が待っているとは夢にも思わなかったはずである。

店舗数を100店近くまでに急成長を遂げているサイゼリヤの急成長の最大の理由は、理学部を卒業している正垣社長の超合理的な経営方針によるところが大である。正垣社長の話をうかがうと常に数字が理路整然とでてくる。100店舗の規模のチェーンになっても本部スタッフの数は3人にすぎないのだ。リエンジニアリングで人員整理をする必要もないくらいスリムな経営なのである。それがあの価格破壊のメニューを実現しているのである。

<<消耗品の管理は経費管理の入門編>>

超合理的な経営管理で損益分岐点を下げて、メニュープライスを半分にするためにまず、細かい管理方法を地道に学ぶ必要があるのだ。経費を下げるというと、売上に占める比率の高い原材料費や人件費のコントロールに目がいってしまう。原材料費や人件費の金額を削減してしまうと、そのしわ寄せが商品の品質の低下や、サービスの低下となって、かえって売上を悪化させ、利益を減少させる原因となりかねないのである。店舗に利益管理をさせるにはまずコントロールがやりやすく,かつ店舗のQSCに悪影響を与えない費目から削減する習慣を身につけると良い。そういう意味では、消耗品費のコントロールは経費管理の入門編といえる。

消耗備品費の売上に占める割合は分類により変わるが、売上の0.5〜2%位である。損益計算書の中ではもっとも比率の低い経費である。ところで、あなたの店舗では消耗備品費の棚卸しを毎月、毎週やっているであろうか?「何を馬鹿なことを言うんだ。そんな経費削減額の低い項目を棚卸しをしていたら、この人件費の高いご時勢でかえって経費だおれになるよ」とおっしゃるであろう。では、「1回でも消耗備品類の棚卸しをしたことがありますか?」「消耗備品費の内訳を正確に言えますか?」「その各備品の使用量がわかりますか?」以上の質問に答えられなかったら、この価格競争に生き残ることはできないのだ。

<<消耗品の使用量の把握>>

洗剤だけで中性洗剤、殺菌洗剤(次亜塩素酸ナトリウム溶液)、手洗い洗剤、手洗用殺菌剤、床用専用洗剤、グリドル用洗剤、ミルクシェイクマシン用洗浄殺菌剤、強力油落とし洗剤、ガラスクリーナー、ステンレスクリーナー、家具用万能クリーナー、など10品目以上あるのだ。そのほかにモップ、デッキブラシ、ダスター、使い捨てダスター、箒、ちりとり、ペーパータオル、トイレットペーパー、サランラップ、菜箸、スパチュラ、ゴミ袋、20万円以下の機器購入費、修理の部品代、文房具、鉛筆、ノート、消しゴム、ボールペン、ホチキス、針、クリップ、レポート用紙パソコン、ワープロ購入費、プリンター購入費、パソコン修理代、新聞、雑誌代、コピー代、コピーマシンリース代、レジのレポート用紙などである。

<<消耗品の棚卸しの効果>

消耗品の棚卸しをすることにより、各備品の正確な使用量がでる。数店の店舗を持っていれば店ごとの使用量を比較し評価することができる。棚卸しをやりやすくするには整理整頓をしなければならない。棚卸しで発見するのは、無駄な在庫である。たとえば鉛筆が10ダースあったり、サランラップが3カ月分の使用量があったりする。食材などの大事な原材料は棚卸しを頻繁にするので決まった場所でないとやり難いし、発注するときに在庫を確認する作業が大変である。とりすぎると賞味期間をすぎて腐ってしまい廃棄しなければならないから、発注も多すぎないように気を遣う。

しかし、消耗備品は腐ることがないし、保管場所も決めないで、発注するときに在庫を確認しないで適当に発注することが多い。食材は経験の深い店長が発注管理するが、消耗品はアシスタントマネージャーにまかせっきりしたり、アルバイトに任せることが多い。そのため、発注するときにケースの入り数を確認しないで発注し、数カ月の在庫をかかえるという無駄を発生しやすい。しかも在庫する場所がたいてい倉庫の奥とか棚の一番うえなどの見にくいところなので店長もそれに気がつくことがない。

棚卸しは整理整頓が必要であり、何がどのくらいあるの全員がわかり、無駄なものを購入することがなくなる。棚卸しをし、使用量と、使用金額を計算することにより各品目の1品目あたりの単価を出さなければならず、それによりコスト意識が出てくるという効果もある。

最初は店長自ら棚卸しをして、在庫をする場所を決めなくてはならない。そして数回棚卸しを実施し、使用量を把握する。使用量が把握したら棚卸しと発注業務をアシスタントマネージャーに任せることができる。そしてなぜその使用量になるかを考えさせることが必要である。そして、売上との対比を実施し、毎月妥当な使用量かどうか検討させ記録をする。場合によっては、アルバイトによる管理も可能であり、彼らにコスト意識を植え付けることができる。そうすると、文句を言わなくても彼らが自らコスト削減をするようになるのである。削減したコストの一部をアルバイトのレクレーションの補助金などとして還元することによりより一層のコスト削減に励むようになるのである。

<<事務用品は本部集中購買をしない>>

また、事務用品などを本部の配送センターから集中購買をしない方がよい。集中購買をすることにより、購入量が増加し、購入コストが下がるという理論は、店舗での使用量の少ない事務用品には向いていないのである。かえって、ディスカウントストアーにいって買った方が安いことが多いのである。また、鉛筆など大量に在庫することにより、大事に使用しなくなり、浪費の癖がつくことが多いのである。

<<使用量の具体的な削減方法例>>

使用量の多いものは洗剤である。まず、洗剤を使用する際の希釈倍数を明確にする。中性洗剤の場合シンク容量を計算し、希釈倍数にあった計量カップを用意し正確に使用するようにする。また、1日の洗う量を計算し必要な洗剤の妥当な使用量を計算し、あらかじめポリタンクなどに1日の使用量を用意し管理意識を植え付けると良い。さらに、早番と遅番とシフトごとに使用量を決め競争させるとさらに効果がでる。

シンクに湯をためて洗剤を希釈する場合、シンクの水栓がしっかりシールできないと、湯が漏れて無駄になるので定期的にチェックが必要である。また、油汚れの食器などを洗うときに、容器に入った中性洗剤を直接かけると無駄に使用するので、小さな容器の中に中性洗剤を水で薄めておき、スポンジやブラシを浸して食器を洗うと洗剤の使用量を減らすことができる。洗剤の使用量が削減できると洗剤だけでなく、水とガスの使用量も減少するという副産物もでてくるのである。勿論、洗剤の削減をしても洗浄作業の品質が低下すると、衛生上の問題が発生するので、洗浄作業が終了したら必ず洗浄度のチェックを評価をすることを忘れてはならない。

文房具の管理もコスト削減意識を植え付けるのによい。まず鉛筆を使用してはならない。鉛筆でなく100円の安いシャープペンシルを購入する。ボールペンは必ずノック式の多色の安いものを購入し、各々に使用する人の名前を記入し紛失を防ぐようにする。そうすることにより使用量をドラスチックに減少することが可能である。また、一括購入をしないで、各人がディスカウントストアーで購入するようにし、小口現金の各人の使用金額を管理することにより、従業員のコスト意識が身につくのだ。

コピーマシンのリース導入をしない。リースをすると金額が安いようであるが、往々にして高級な機種を導入しやすい。そうすると便利になりコピーの枚数が多くなってしまう。金額の安い機種を現金で購入した方がランニングコストが低いのだ。また、近所に24時間営業のコンビニエンスストアーがあれば、何もコピーの機械を購入する必要はないし、1枚10円でコピーできるのでその方が安い。また、簡単にコピーをとることができないから、無駄なコピーをとることがなくなる。また、コピーをとるのにお金の支払が発生するのでコスト意識が全員に身につくのだ。

<<そのほかのコスト削減>>

売上に占める比率の低い経費はそのほかに雑費、、外部委託費、修理営繕費、、クリーニング費、旅費交通費などがあるが、必ず内容を明確にし、金額でなく使用量で把握し、店舗の運営に本当に必要かどうか、常に検討し無駄な経費を下げていくことが必要である。


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