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飲食店経営価格競争時代に打ち勝つ
第二回
経費管理の手法


<1>経費コントロールの方法

<まず現状の評価をする>

店舗の運営の善し悪しはQSCで評価される。QUALITY(品質),SERVICE(サービス)、CLEANLINESS(清潔さ)である。店長は人物金を有効に使用し、QSCを最大限に発揮しなければならない。しかし、現在の店舗のQSCや売上、利益がどうなっているかを正確に把握していなければ、店長は方向性が見いだせないので、まず現在どんな状態にあるのかを把握し(SEE、評価分析)、問題点を解決するための方針を打ち出し(PLAN,予定、方針)。実行する(DO)。実行したらまた、評価分析(SEE)をする。この繰り返しが重要なのである。図参照

<評価分析と店長の責任>

人については、QSCをどうやって維持できるか等の人事評価制度によって評価し、物については、安全管理チェックリストや、資産台帳、機械維持管理チェックリスト等によって評価する。最も重要な金、つまり経費は、損益計算書を使用して評価分析する。

損益計算書は税務管理上のみ必要であると思われやすいが、実は店舗の金の流れが一目瞭然にわかり、評価分析できる大事な書類なのである。

店長の最終責任は損益計算上で利益を出すことである。しかし、店長の管理能力以外で損益が左右されることが多い。たとえば、本部が出店をする際に、売上予測を誤り、過大な設備投資をしたらどうなるであろうか。売上に対して大きすぎる店舗を作ったときには、減価償却費、金利、家賃、固定資産税等が上昇するのであり、そらを店長の責任にすることはできないのである。店長がコントロールできる費用と、コントロールできない費用に分ける必要があり、店長はコントロールできる費用の責任のみを負うのである。その損益計算書は表1のようになる。店長の責任の範囲はコントロールできる費用のみであり、荒利益からコントロールできる費用を引いたものが、その店長の成果であり他店と比較できるのである。

原材料費はチェーンとして販売する品目が決まっており、その食材の組み合わせも決まっているので、店長のコントロールの範囲ではない。しかし、売上に占める販売比率が変動すれば合計の食材原価は異なるのである。メニューの構成や,POP、ポスターの掲出方法、お客様へのお勧め売りの方法により、売上比率が変わるからである。たとえば、料理とライスの注文のお客様にコーヒーや、デザートをお勧めする事により、メニューの売上比率が変わり原価率が変わってくるのである。そこで、店長の努力による食材原価のコントロールの範囲を明確にする必要がある。複数店舗ある場合は、立地、客層、繁忙期などの条件が同じ店をグループ分けし、標準原価率を出してそれに対する誤差を見る事ができる。

次に食品原価に影響するのは食材のロスである。食材のロスとは発注のミスにより保管可能期間を越え廃棄処分にしなければならなくなった食材や、野菜などの洗浄やカットの方法による加工ロス、ソースなどを移し代えたりする際に鍋にこびりつくロス、商品を調理中に床に落としたり、解凍しすぎて使えなくなったりするロスなどをいう。また、ピーク時に商品を調理し保温しておく事があるが、売上予測を誤り、廃棄処分しなければならなくなった物もロスになる。

それ以外にもロスがある。従業員が試食したり、味見をしたり、腹が減って食べたりする事がある。また、客としてきた友人に料金を取らないで食事を出したりする。これらも大きなロスである。これらのロスを全部ひっくるめてロスとしていては本当の原因が分からず、食材原価を下げる事は不可能である。

まず、調理前の食材のロス、調理後の食材のロス、調理中の加工ロス、試食、従業員食事、接待、従業員割引等明確に記録しなければならない。経営者であるからといって、決して只で食事をしたり、友人におごっては行けない。必ず現金で支払うか、社内伝票を切る事が必要である。食原材料費の一部は店長の管理範囲なのでありそれを明確にする必要がある。

それらの項目を全て損益計算書に表す事はできないので損益計算書を補う月次運営報告書を作成し、それらのロスなどを明確に記録する必要がある。

コントロールできる費用の代表として、アルバイト給料がある。アルバイト給料も、開店前の準備、清掃、閉店後の後かたづけ、清掃、などの売上に関わらず発生する固定経費と、売上に応じて必要な変動経費に分かれる。また、最近ではアルバイトを店舗の責任者に活用しているが、その場合、アルバイトであっても管理業務であり、売上とは関係なく必要な経費なのである。全体の人件費は店長の管理可能な経費であるが、その数字をコントロールするために、必要な店舗清掃を怠っては、QSCが低下し売上が落ち、結果として利益も落ちてしまうのである。利益コントロールは大変重要であるが、その内容が妥当であるかの判断は必要なのである。

そういう意味で、店舗の必要な経費水準の算定が必要である。売上が高い店で利益が出るから評価が高くなり、売上が低いため利益が低く評価が下がるのでは、従業員のモラルが低下するので、標準の人件比率を出し比較する必要がある。 社員の給料はどうであろうか。経営者や本社が決めるから店長の責任ではないのだが、もしアルバイトの責任者を育てて、社員の人員を少なくする事が可能であれば、アルバイトの人件費は上昇するが、社員給料は減少しトータルの給料総額は減少する。そういう意味でコントロール出来る費用になる。

さて、あなたのチェーンでは水道光熱費をどのように計上しているであろうか? もし合計の金額であるならばなぜ高いのかが分からないであろう。

水道代、電気代、ガス代と分けて比較する必要がある。電気代でも単に請求金額をその月の損益計算書に計上しているだけでは、正確な比較はできないのである。

請求金額は締め日がずれており、正確な売上との対比ができないのである。店舗で使用量を月末に計測し、電気単価をかけて比較しなければならない。特に電気代の場合、大きなビルに出店している場合には、大家の計算する電気単価により大きく異なるのである。

ビルは受電設備(キュウビクル)をテナントの電気容量にあった容量で設備する。その契約電気容量で基本料金が変わる。電気代は基本料金と使用した電気料金(従量)で決まるのである。使用量が10万kwであるとすると、基本料金を10万でわり、1kw当たりの従量料金を足して1kw当たりの料金を計算する。

また、キュービクルの設置費用から、減価償却分を電気料金に乗せる場合がある。また、キュービクルの保守点検が必要であり、その料金もかかってくるのである。

この計算方法はビルのオーナーによって異なり、料金の明細を検討しもし高すぎるようであれば交渉するべきである。つまり、店舗ごとの電気の使用量をkwで比較し、さらに単価も比較する事が重要である。店長の責任は電気代の絶対額でなく、使用量である。しかしながら使用量は店舗の客席の大きさによる、照明、空調機器、厨房の使用機器の種類と数により変わってくるのである。つまり、ある程度の標準化をしていない場合には、店舗ごとに妥当使用量を明確にする必要がある。

ガスの使用量も同様である。電気代と異なり、ガスは従量金額であるから簡単に使用量で比較できるように思えるが、実は電気と異なりガス機器は機種によりガスの燃焼効率が大きく異なるので店舗により使用ガス機器が異なる場合には適正な比較にならない。つまり、同じ機種の同じ数の店舗で比較する必要があるのである。

水道も同様である。水道は冷却機器の冷却が水冷か、空冷かで使用量は大きく異なるのである。また、トイレの数、季節により大きく異なる。

<ウイークリー管理>

損益計算書は月次の管理であるが、結果がでてから騒いでも数字は良くならない。プラン通りの数字を達成するためにはウイークリーでコントロールし月次には目標の数字を達成する必要がある。ウイークリーコントロールとは週単位で経費を把握し、コントロールする事である。なぜ週単位でコントロールするかというと、最終的に月次の損益計算書に反映するためには、週単位でコントロールしないと、月次の損益計算書でコントロールした数字はでてこないからである。

週単位で経費を把握するためには、何をコントロールするかを決めなければならない。コントロールする費目を定めたら、その数字の把握をする必要がある。

月次のコントロールは細かく棚卸しする事により使用量を正確に把握する事ができるが、週単位で棚卸しをする事は、人件費の高い現在では難しいが、POSを活用すると、毎日、毎週、毎月の販売品目数や、時間帯別の販売品目数がでるので管理が容易である。しかし、損益計算書のすべての項目の品目管理をする必要はない。金額の多い物のみを管理すれば良い。

週管理で特に注目しなければならないのは、売上が目標通り達成しているかである。経費のウイークリーコントロールをしていても、売上目標が達成しなければ、分母が小さくなり目標利益は達成しないのである。売上が予想より低ければセールスプロモーションを即座に打たなければならないのである。

等であり、チェーンにより必要な項目をつけ加えても良い。これらの項目を数ページで管理するのでなく、1ページで一覧表にし見やすくする工夫が必要である。 チェーンの場合できるだけ店舗の標準化を行い、経費を容易に比較できるようにする事が必要であり、なるべく標準コストを用意し比較すると良い。 十分な店舗がない場合でも、経費の要素を分解し細かく見ていく事で管理がより綿密になる。


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