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飲食店経営 2007年11月号

タリーズ松田社長退任


2007年9月25日にタリーズ・コーヒー・ジャパン創業社長の松田氏が退任したという大変残念なニュースが報道された。1998年米国タリーズ社と提携して「タリーズ・コーヒー・ジャパン株式会社」として設立し、2001年には、株式上場を果たすという素晴らしい勢いだった。  

提携当時の米国タリーズ社はグルメコーヒー業界最大手スターバックスの最大の競合で、急成長するコーヒー業界の彗星のような存在であった。しかし、スターバックスは競合の存在を許さず、同業者で少しでもデザインや手法でスターバックスに類似すれば訴訟を起こしたり、資金力にものを言わせてシアトルズベスト社を買収すると言う厳しい経営手法をとっていた。しかも当時の米国タリーズ社は債務超過の状態となっていた。

米国タリーズ社が倒産したり、他社に買収されるとせっかく築き上げた日本でのタリーズブランドを使えなくなる危険性が出てきた。そこで、せっかく上場したにもかかわらず、2003年にMBOを行って上場廃止をし、米国タリーズ社を救済するべく日米の統合を図った。しかしながら米国タリーズ社と経営統合が成立せず、日本におけるタリーズブランドを守るべく、2005年に米国タリーズ社から日本における商標権、営業権などの各種ライセンス権利を譲り受けることになった。  

これにより日本における展開権の自由度を得たが、MBOの実施と米国タリーズ社への支払いと言う2重の債務を負うことになり、2006年暮れには伊藤園の出資を仰ぎ傘下に入ることになってしまった。その結果、今回の退任にいたったのだろう。  

米国のタリーズは100店舗程度の弱小のチェーン店だが、日本のタリーズは300店舗以上を展開し、スターバックスより好きだと言う人もいるほどの成功を収めたのに大変残念な結果であった。  

海外の企業との提携でチェーン展開する場合、海外企業が買収されたり、倒産した際にどのようにするべきかと言う危機管理を考えて提携をしなくてはいけないと言う教訓となる事例だろう。


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