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飲食店経営 2007年1月号

日米外食のMBO


日本外食最大手のすかいらーくグループが創業者によるMBO(マネージメントバイ・アウト)に踏み切り、急成長していた新興外食大手のレックスホールディングスもその後を追った。外食業界の競争が激化する中、勢いを失った大手企業が公開企業では株主の短期的な利益追求により中長期的な経営戦略を打ち立てないと言う理由のようだ。多店舗展開したチェーンはリストラの為に店舗閉鎖や、業態変更、成長企業のM&A(買収)を積極的に行わなければいけないが、株主と利害が相反するために積極的な活性化が図れないので、MBOを実施すると言う趣旨だ。

従来、経済的な変化に関しては米国から数年の後追いをしていた日本であるが、こと外食企業のMBOに関しては日米同時進行している。2006年8月8日には米国では大手給食会社のアラマークAramark社は同社株式買収TOBの条件の変更に同意した。同社のCEOと投資家グループによる買収買収総額は負債2ビリオンドルを含んだ、8.3ビリオンドルと言う高額だ。このTOBの実施は2006年末か2007年初頭に買収が成立する予定だ。投資家はCEOの Joseph Neubauer氏と投資会社のGS Capital Partners、 CCMP Capital Advisors 、 J.P. Morgan Partners, Thomas H. Lee Partners、 Warburg Pincus LLC.だ。Aramark社は年間売り上げ5.53ビリオンドルでNRA誌のランキングで売上げ順位6位と言う大手給食企業だ。

2006年11月6日には米国ステーキハウスの最大手アウトバック・ステーキハウスの持ち株会社OSIは投資家グループに会社を3.2ビリオンドルで売却すること取締役会は合意した。投資家グループはBain Capital Partners LLCとCatterton Partnersと創業メンバーのChris Sullivan, Robert Basham and J. Timothy Gannonだ。 この決定の理由はヘッジファンドのパイレーツキャピタル社Pirate Capital LLCはかねてからフロリダ州タンパに本社のあるアウトバック・ステーキハウス社(OSI Restaurant Partners Inc)の株式を取得し、取締役会で会社のリストラを提案し、株主の委任状を獲得する戦略をとり,アウトバック社を脅かしていた。Pirate社は390万株を取得し、アウトバック社に本業のステーキハウスに専念し、不振部門のイタリアン・カラバやステーキ・カラバの売却することを迫っていた。

そのため、OSIは今回の決定に至る前までに、株主の価値を最大限にするために、自社株の買い入れ、子会社の分離、等の手段を検討してきたが、パイレーツ社やその他の投資ファンドの介入を嫌い、今回のMBOの実施に踏み切ったようだ。パイレーツ社は2006年の始めには西海岸のカールスジュニアやハーディースの親会社のCKE社にも同様の要求をしていたことで知られている。

米国の外食企業は収益の割りに株価が低いと言うことで、昨年来投資ファンドの買収の対象になっている。米国で急成長したファストカジュアルの分野を狙って、大手ファストフードのマクドナルドはメキシカンのチポトリや中食のボストンマーケットなどを傘下におさめ、ウエンディーズはそれに負けじとメキシカンのバハフレッシュを傘下におさめ、その他、ドーナツのティムホートンズを傘下におさめていた。しかし、両社は株式を大量に取得した投資ファンドからコアビジネスに事業を専念し、その他の部門は売却や公開することを迫られた。マクドナルド社は展開する店舗の50%の不動産を所有し、20%が直営店舗だが、それらの不動産の売却や直営店舗のフランチャイジーへの売却を迫られた。そこで、マクドナルド社はやむなくチポトリを株式公開し、過半数の株式を売却し自社株を大量に購入すると言う対抗手段をとらされた。ウエンディーズも、ティムホートンズを株式公開し過半数の株式を売却し、不振のバハフレッシュを売却することを検討している。

最近の米国はヘッジファンドや投資ファンドが大手外食チェーンの株式を買収し、取締役会で無理難題をもちかけ、リストラによる株価上昇を狙っているようだ。この波は既に日本に来ており、外食企業は経営人によるMBOを図るか、本業でない部門の売却やリストラを迫られる厳しい時代を迎えているといえる。


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