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飲食店経営 2005年3月号

食中毒の新型ノロウイルス


食中毒対策というと通常は梅雨時から夏場の湿気と暑さの多い時期に行うのが常識であった。しかし、2004年末から2005年1月にかけての年末年始の忙しい中、外食業界の中でも衛生管理には厳しい注意を払っている、モスバーガー、キハチ、リッツカールトン、グリーンハウスなどの大手外食業が食中毒を発生させると言う大事件が発生した。その原因はノロウイルスという食中毒を引き起こすウイルスだ。
2003年3月に丸の内の有名フランス料理店が提供した結婚式食事で、SRSV(当時は小型球形ウイルス又はSRSV、ノーウオーク・ウイルスと呼ばれていたが、現在はノロウイルスに統一された)による食中毒が起き、新聞、テレビに報道されるビックニュースとなった。超有名なシェフの経営する同店からは事故後、顧客に丁寧な詫び状が出された。文中には、今後食中毒に注意するために従業員の教育と、保健所のOBの方を迎え入れると書いてあった。ただ、驚ろかされたのは有名シェフが文中で、SRSVの事を全く知らなかったと言っていることであった。
最近の食中毒は従来無害であった大腸菌が腸管出血性大腸菌o-157となって大規模な食中毒になったり、冬に生ガキによる食中毒が発生するなど、常に新しい情報を入手しなければいけないと言う状態にあると言うことだ。では、ノロウイルスとは何かを見てみよう。
 ノロウイルスは1968年に米国のオハイオ州ノーウォークという町の小学校で集団発生した急性胃腸炎の患者のふん便からウイルスが検出され、ノーウォーク・ウイルスと呼ばれるようになった。ウイルスの中でも小さく、球形をしていたことから「小型球形ウイルス」と呼ばれるようになった。2002年8月、国際ウイルス学会で正式に「ノロウイルス」と命名されるようになった。ノロウイルスには多くの遺伝子の型があり、培養した細胞でウイルスを増やすことができないことから、ウイルスを分離して特定する事が困難だ。特に食品中に含まれるウイルスを検出することが難しく、食中毒の原因究明や感染経路の特定を難しいものとしている。
 当初のノロウイルスは生ガキを食べることから発生した。生ガキは陸に近い海で養殖されることが多く、ノロウイスルの存在する人糞などの下水処理が不十分なまま流される頃により汚染され発生するという環境汚染がその原因であった。発見されてから35年ほど経過しているのに急速にその食中毒が増加しているのは、生ガキなどを食べることによりノロウイルスに感染した人の糞便や嘔吐物に触れた人などから感染が広がるという現象が起きているためである。人によっては感染しても症状がない健康保菌者となって食中毒を増加させているようである。
 日本人の大好きな魚介類に自然に存在する腸炎ビブリオ菌は、従来は7℃以下で保管すれば菌が増殖しないと言われていたが、最近の研究では4℃以下でないと増殖すると報告されている。しかし、魚介類流通経路の温度管理の不備から温度基準を変更することは出来ないと言われており、今後、腸炎ビブリオ菌による食中毒の危険性が予測されており油断は許されない状況だ。その他、輸入の貝類は上記のノロウイルスに汚染されている場合には、同時に赤痢菌やコレラ菌などの伝染病菌に汚染されている場合もあるなど原材料の品質管理は大変な状況にあることを忘れてはいけない。
 食中毒関係の情報は書物では追いきれないほど変化が早いので、農林水産省や厚生労働省、各地の保健所、医療機関、等のネット情報を常に入手する必要がある。

  <参考になるHP>
厚生労働省のノロウイルス情報
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html
社団法人日本食品衛生協会
http://www.n-shokuei.jp/
厚生労働省発表の年度別の発生件数
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/index.html
日本医師会の食品衛生のデータ 
http://www.med.or.jp/kansen/index.html


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