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飲食店経営 2005年2月号

牛丼クレーム殺人事件


12月12日の新聞やテレビ報道を見て驚いた。あるターミナル駅前の大手牛丼チェーン店の店長がクレームを言い立てた客を殺してしまったと言う報道だった。1999年には同じお店で有名な牛丼蛙事件という、牛丼に蛙の轢断死体が混入するという異物混入事件を引き起こし、そのクレームを言い立てた客がインターネット上にその経過を事細かに掲載し、雑誌などに取り上げられるという事件を起こした店のようだ。

現在までの情報を分析するとこの牛丼チェーンは直営店中心の出店であるが、この事件を引き起こした店は数少ないFC店であったと言うことだ。直営店であれば、クレームを処理しきれなくなり悩みを抱えた場合、本社のクレーム担当者やお客様サービス室などに相談すればよいのだがこのFC店の店長はそれができなかったという不幸な例のようだ。

ここ数年顧客のクレームに対する姿勢が強くなり、いわゆるクレーマーと言う、クレームを言うのを楽しみにしたり、お金を要求する人が増えている。多店舗チェーン展開をして、有名になるとクレーム急増するというのがチェーンの大きな悩みだ。クレーマーは不慣れな社員やアルバイトにターゲットをあて、些細なクレームをつけ、その応対が悪いと言って要求をエスカレートするのが常套手段だ。慣れない社員やアルバイトは強硬なクレームで動揺しつけ込まれる。チェーンとしてのクレーム対応は過去のクレームの状況や対応のポイントを文書にして各店に配布して、情報を共有することだが、チェーン化を急いでいる企業はそこまで対応しきれないのが現状だ。筆者はそんな過去のクレーム対応のデーターが不足しているのを実感し、2004年9月に岩波書店のアクティブ新書から失敗に学ぶクレーム処理と言う本を発行した。

その時にはまさかクレームで殺人事件が発生するとまでは予測していなかったが、過去部下が難しいクレーム処理を店長の責任にして解決させようとして、店長がノイローゼになり退職してしまうと言うつらい経験を述べた。
今回の事件は殺人を犯した社員が悪い、厳しい教育が必要だと考える方が多いようだが、それは間違っている。売上や収益の厳しい外食産業の社員はものすごい重圧にあえいでいる。そんな苦しい状況でクレーマーに責め立てられると今回のような事件を引き起こすのだ。今後のクレーム対策は顧客に対する対策のみならず、従業員のメンタル的な対策も必要になると言う事だろう。


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