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厨房環境の改善

悪臭対策と生産性の向上

1)排気の煙、悪臭への対策は難しく、総合的な対策が必要だ。

客の目の前でもうもうと煙を上げて焼き上げる焼き鳥、焼き肉はおいしそうな香りで食欲を刺激するので大人気だ。主婦は煙で家が汚れるので嫌がり、それがBSE事件まで焼き肉屋が急成長していた大きな原動力だった。店舗前を通りかかるときに焼き鳥や焼き肉の煙をかぐと、お腹が減ったり外食をしようと考えている人は臭いに釣られて思わず店舗に入ってしまう、大きな販売促進道具ともなっているのだ。
しかし、客に人気の煙は周辺に住んでいる人に取っては迷惑きわまりない。臭いだけでなく、煙が洗濯物に付着したり、目が痛くなったり、気持ち悪くなったりする。天気の良い日に外の空気を入れようと思って戸を開けたら悪臭が入ってくるのでは気分は悪くなり、とってもそれらの店に食べに行こうという気持ちを起こさなくなる。感情がこじれると店舗の撤退や改善を求める住民運動に発展しているのだ。
密集した住宅街や、マンションの近隣で営業をする場合には慎重に排気設計をしなくてはいけない。フリの通行人だけがお店を支えるのではなく、来店頻度の高い近隣の住民からの支持は大変重要だからだ。では、排気の清浄化のポイントを考えてみよう。
まず、焼き肉焼き鳥の煙を分析すると

  1. 煤などのカーボン(焦げ臭)
  2. 油分(油臭さ)
  3. 蒸気
  4. 揮発性臭気

に分けられ、それぞれに対策が必要だ。
煤などのカーボンと油分については、触媒などで燃焼させると良い。米国のハンバーガーチェーンでコンベアー式のブロイラーを日本に導入した際の大きな課題は煙であった。煤があまりに多くダクトフィルターで取りきれず、排気量の弱いダクトファンを詰まらせるという問題を発生した。そこで、日本用に排気に含まれる大量の煤(カーボン)を車の排気ガスと同じ原理の触媒を使い、燃焼させるようにした。取り付け前はブロイラーからもうもうと上がる煙であったが取り付けた後は目視では分からない程度に煤は減少した。
それでも残るカーボンや油分、蒸気は天蓋にある。ダクトフィルターで吸着させる。消防庁などで認定された油分除去に優れたダクトフィルターは排気中に含まれる90%以上の油分を除去する。メーカーにより性能が異なったり、店舗で清掃を行わないと効果が落ちるので慎重に選択するとよい。
しかし、幾ら優れたダクトフィルターを使用しても、煤などのカーボン、油分、等の細かいミスト(粒子)は吸着できないので、次に電気吸塵機を使用する。排気に高電圧をかけ、ゴミや、煤などのカーボン、油分に帯電させ、電極に吸着させる仕組みだ。これにより排気空気は99%の浄化が可能になる。
ここまで浄化しても揮発性の臭気は取り去ることは出来ない。臭気については敏感な人もいるし、人により嫌がる臭気が異なるという難しさがある。臭気の対策については香水などのように他の臭いでマスキング(他の強い香料で異臭を気にならないようにする)するか、中和剤を使い、臭いを気にならないレベルまで下げる。これらの薬品は臭いの対象により異なるので専門家の助けが必要になる。
上記のどれかの対策をとればよいのではなく、まず、汚れを触媒燃焼で燃焼させ、残った油分などをダクトフィルターで取り去り、電気吸塵機で残りを吸着しないといけない。ダクトフィルターで油分を取らないで電気吸塵機で吸着すると、電気吸塵機が油で汚れ直ぐに吸着効果が落ちてしまうからだ。それでも臭気が気になるというクレームが発生したら、中和かマスキングを行うと言うことになる。

2)脱臭、廃油の機能が不備だと近隣との人間関係を壊してしまう。

筆者も大繁盛のハンバーガー店舗を住宅街の真ん中に開店し、排気に対する大クレームで苦慮したことがある。住民とよくよく話し合ったが、まず誠意を見せろと言う感情論となってしまった。従来は静かな住宅街だったのにハンバーガーショップが開店したら、若い客が夜遅くまでうるさく騒ぐし、店舗閉店後には店舗前にゴミや廃油を出し、悪臭やネズミゴキブリを発生して汚い。つまり、排気の臭い以前に店舗の存在自体で感情を害していたことが分かった。そんな状況の中で、店舗屋上のダクト排気口からもうもうと出る煙が家に入ってきて、その臭いで余計気分が悪くなるという感情的な問題だった。
クレームを申し出た近隣の方を訪問し、お詫びを申し上げながら、部屋から状況をチェックしてみた。そこで分かったのが、店舗屋上の排気ダクトがマンションを向いて煙がもくもくと出ていると言うことだった。実際の臭いだけでなく、排気の向きや、排気の色が見えるので余計に頭に来るのだった。そこで、排気ダクトの向きを下向きにし、更に周囲を金網などで囲い排気出口をマンションの住民から直接見えないようにした。また、排気ダクト内部及び排気出口の周辺の定期的な清掃を行い、出口周辺に油分が付着し無いようにして、排気の汚くないと言うイメージを浸透させるように心がけた。これらの対策により、近隣よりのクレームをなくし、繁盛店として存続させることに成功した。
このように煙や異臭のクレームはその前に周囲の環境を壊すことから始まっているので日頃からの住民との挨拶や、周囲の清掃、ゴミ処理、廃油処理、騒音の発生防止、に注意を払うことが必要だ。

3)キッチンレイアウト

キッチンレイアウトが非効率な場合には以下のような色々な兆候がある。

  1. 料理の提供時間が遅く、客のクレームが多い
  2. 料理の品質にばらつきが多く、味付けや生焼け等のクレームが多い
  3. 料理の間違えが多い
  4. 原材料コストが高い
  5. ピーク時に厨房が混乱し、罵声が聞こえ人間関係が悪くなり、離職者が増えている。特にアルバイトや社員の新人がやめる。

キッチンレイアウトの向上というと、直ぐにコンベアーオーブンやスチームコンベクションオーブンなどの自動化機器を導入しようと考えるが、実はそれらの自動化機器の導入前にやらなくてはいけないことがある。まず、自分のお店の問題点を明確にし、それがレイアウトが悪いのか、作業指示が悪いのか、トレーニングが悪いのか、調理機器の性能が悪いのか、調理機器が不足しているのか、等の問題点を明確にしないといけない。それを行わないで高価な自動調理機器を導入しても宝の持ち腐れになってしまうからだ。


<1>売れ筋を分析し、必要なら分散させる

繁盛店になるとどれか売れ筋が集中すると繁盛店となる。しかし、限定した料理に集中しする場合には調理方法を合理化、自動化をするか、複数の人間が作業できるスペースを確保しないと、その作業が1人の人間に集中し、料理全体に影響してくる

などの対策をとる

<2>作業の平準化を行う

調理作業には、焼き場、ストーブ場、刺場、野菜場、デザート場、洗い場、等のセクションに分かれる。しかし、それらの作業を別々に担当するのではなく、1人の人間が複数の持ち場を担当することが多い。それらの分担した作業が担当者の能力に対して均等かどうか、を検討しなくてはいけない。また、調理人により得意不得意があるので、人により持ち場の分担が変わるべきであり、適正を見ながら作業指示をするようにする。
また、ピーク時には調理に集中できるようになっているかをチェックする。場合によっては、ピーク時に下ごしらえが不十分で、ピーク時に仕込みをしなくてはいけなかったり、調理中に食材が不足し裏の倉庫に走って行かなくてはいけないことがある。ピークを迎える前に必要な食材の下ごしらえをするようにチェックリストの準備と検討を行うべきだ。

<3>1つ1つの料理の分析を行う。

一般的な飲食店には50〜100種類ほどのメニューがあるはずだが、それぞれのメニューごとにどの様に調理しているか検討してみる。それぞれの調理作業を行う際に、調味料、トング、スプーン、鍋釜などを1m以上動かないでとれるかを見る。
次に作業スペースは上下を有効に使っているか、作業スペース周辺には歩かないでも、食材を保管するリーチイン冷蔵冷凍庫か、アンダーカウンタータイプの冷蔵冷凍庫はあるか、を検討する。出来るのなら、つり下げ棚や、アンダーカウンタータイプの冷蔵冷凍庫の導入を図る。

<4>洗浄機能力

キッチンレイアウトの検討で忘れていけない重要なセクションは洗浄機だ。まず、料理を作り提供する導線とバッシングの導線が重なっていないかをチェックする。また、食器はピーク時に十分な数があるか、下げてきた食器をピークが終わるまで保管する場所があるかをチェックする。洗浄作業は基本的にはピーク時には行わないと言うのが一番効率的な作業配分だからだ。

<5>上記の作業分析後

上記の作業分析後、本当に必要なセクション一カ所の調理だけを自動化、または作業を軽減させる調理機器の導入を検討する。

<6>自動化調理機器は万能ではない

慎重に導入を図った自動化調理機器の効果が出ない場合が多い。それは、自動調理機器に最適な調理方法、手順、原材料の見直しをしていないからだ。調理人は基本的に保守的であり、自分が修得した調理方法を変更するのを嫌うからだ。自動調理機器などの合理化を図る前に調理人が合理的な考え方が出来るように洗脳しなくては効果が出ないことに注意しよう。


上記の対策を適正に行えば、調理時間は短縮しお客は満足して文句を言わなくなる。必然的に厨房内の罵声が消え、新人にとって働きやすい環境となり、社員やアルバイトの定着性は大幅に上がるだろう。


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