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チェーン本部サポート


外食産業が日本に誕生して30年以上経過する。しかし、最近では大手企業が伸び悩んでいる反面、フランチャイズ支援会社のA社と提携した高級ファミリーレストラン、焼き肉チェーン、そば居酒屋チェーン、等の急成長が目に付く。老舗チェーンは10年以上の月日をかけて店舗を育成してチェーンを築き上げてきたが、新興のチェーンはあっという間に数百店の規模のチェーンを作り出している。従来は新しいビジネスのアイディアを自分なりに構築し、チェーン本部を造り、試行錯誤をして仕組みを構築していた。チェーン展開においては直営にこだわるあまり、資金の調達、組織の組み立て、人材教育等に長い日時を必要とし、100店舗以上のチェーンになるの10年以上必要であった。景気が上向きで、競合が少なく、社会環境の変化が少ない時代はそれでも良かったが、現在のような変化の早い時代では、良い商品やアイディアがあったら数年でチェーン展開をしないと、競合や類似チェーンの出現や、コンセプトが色あせの恐れがあるのだ。

しかし、直営チェーンを運営している企業にはフランチャイズシステムに懐疑的な方が多く、フランチャイズチェーンの展開に踏み切れない方が多い。その理由を考えてみよう。

1)フランチャイズチェーンに懐疑的な理由

<1>店舗利益がロイヤルティを徴収できる水準ではない

フランチャイズチェーン加盟者(以下ジー)から、徴収するロイヤルティの5〜6%(実質)をいただけるには直営店利益で、15%ほどの利益が出ないとメリットがないが、現状の直営店の利益はまだ一桁だ。

<2>ロイヤルティ収入では本部を運営できない

フランチャイジーから徴収する5〜6%のロイヤルティではフランチャイズチェーン本部を運営する経費が出る程度で利益幅が少ない。

<3>加盟金ビジネスは好きでない

フランチャイズチェーンを展開するには、100万円〜600万円ほどの加盟金をいただきそれを収益に当てる。その加盟金収入は大きいが、チェーン展開をしていくとある時点で飽和状態となりチェーン加盟を止めなくてはいけない。そうすると本部の収益が停滞してしまう。それではまるで自転車操業の詐欺的な商売だ。

確かにフランチャイズチェーン支援会社の提携会社は急速なチェーン展開を行い、会社を店頭公開をする事に成功したが、その後の飽和状態が早く、脱落する傘下企業もあるのも事実だ。では、チェーン展開にフランチャイズシステムを導入するのは間違いかというとそうではない。では、フランチャイズチェーンのメリットを考えてみよう。

2)フランチャイズチェーンのメリット

<1>急速展開によるブランド構築

フランチャイズチェーンを展開し、短時間で1つのブランドを全国に展開することは、ブランドの知名度を急速にあげ、売上を上昇させるだけでなく、競合が参入する前にそのジャンルでのトップ体制を築き上げることが可能になる。

米国でナンバーワンの宅配ピザのドミノが日本でも早くから店舗展開を行いながら、現在、宅配ナンバーワン企業(店舗数)はピザーラだ。ピザーラが急成長した理由は、早くからフランチャイズチェーンの展開を始めたことだ。しかも、全国に展開を開始するのではなく、関東圏に集中しフランチャイジーを募集し、フランチャイジーから徴収した加盟金を原資に大量のテレビコマーシャルの放映開始を行い、関東圏における知名度をナンバーワンにした。そして、関東圏において知名度を確立した後、地方へ進出するという優れた広告宣伝戦略を採用した。この優れた広告宣伝戦略を可能にしたのがフランチャイズシステムといえるだろう。

<2>規模が大きくなっても大企業病に犯されない

直営を中心とした外食チェーンの課題は大企業病だ。店舗が多くなり会社の基盤がしっかりとして、株式上場も行うようになると従業員の残業などの待遇や賃金も世間並にしなくてはならない。それは結構なことであるが会社が大きくなると従業員は大船に乗った気持ちになる、いわゆる大企業病になる。どんな大外食企業であっても店舗一店舗一店舗がお客様を満足させないといけないのだが、企業が大きくなると従業員の育成のために人事異動を行わなくてはいけない。店長が替わると活性化が起きて良くなる場合もあるが、前店長の採用した従業員と、新任店長の人間関係はぎすぎすすることが多い。また、折角地元の顧客になれた店長が替わることにより、定着した顧客も離れる危険もある。つまり、地元密着が必要な飲食店においては店長の人事異動は望ましくないのだが、人材育成のため実行されなければならないと言う矛盾を抱えている。

しかし、フランチャイジーの場合にはそれぞれの店舗に経営者がおり、変わることなく毎日同じお客様に接することが可能であり、人事異動による店舗オペレーションの低下は少ない。仮に複数店舗持っていても、直営店舗よりもきめの細かい管理が可能となる。そしてその地区に居住しているので地元と密着した販売促進や広報活動が可能になり、直営店舗よりもより売上を高くすることが可能だ。首都圏に本社を構える外食企業の給与体系はどうしても首都圏の物価水準を加味した金額になるし、転勤の場合の社宅や転勤費用などの経費も必要になる。しかし、それぞれの地区で採用を行うフランチャイジーの場合には、地方の物価水準に見合った給与水準でよいし、住宅も地方の安価な水準でよい。また、社員にとっても転勤の必要もないので、働きやすく退職率も少なく、従業員全体の定着性が高く、それがサービス水準を高く維持する原動力となる。

<3>社員の活性化を維持する、社員フランチャイズシステム

外食チェーンも10年以上経過するとベテランの社員のモラルややる気を維持するのに苦労するようになる。また、年齢が高くなると給与水準や退職金が高くなると言う問題も抱える。それを解決するのが社員独立制度だ。独立と言っても折角、長年の教育を施した社員を社外に放出するのはもったいない。その店舗運営能力を自社のチェーン展開に活かそうというのが社員フランチャイズシステムだ。

そのシステムのメリットを見てみよう。

<A>社員が一般フランチャイジーと同じ条件でなる場合

会社の方針や運営方法を熟知しており、大変良いフランチャイジーとなる。しかしながら、社員は店舗を買い取る資金が不足するという問題がでる。そこで<B>のシステムが考案された。

<B>フランチャイザーが資産を全て所有する社員フランチャイジー

社員フランチャイジーは資産を購入できる資金が溜まるまで、売上の一定比率の金額を貰い営業する。従業員は退職時に独立法人を設立し、収益を個人所得でなく法人所得として、経費計上することにより投資資金を合理的に蓄積できる。また従業員は全て社員フランチャイジーが責任をもって集める。従業員を自分で集めることにより、責任感がでて、真剣になるからだ。

社員の一番の問題点である投資金額が溜まるまで、試用期間的な意味もある。この場合でも社員は退職し、退職金を支払う。退職金は加盟金に充当するのでザーの負担は少ない。社員フランチャイジーであっても金銭的な条件は一般のフランチャイジーと同じでなければならない。インセンティブとして最初の1店目の加盟金を大幅に減額することでやる気を出させることは必要。ただし、2号店目からは一般フランチャイジーと同じ条件とする。早く多店舗化することにより、フランチャイジーとザーの両方にメリットがでる。
売上の一定比率の考え方だが、ザーの投資額(保証金、設備投資、金利負担)を考えて設定する。社員フランチャイジーが支払う金額は、ロイヤリティ、広告宣伝費、投資額相当分になる。

売上金の処理はフランチャイジーが管理する方法と、ザーが管理する方法がある。フランチャイジーが管理する場合は、フランチャイジーが上記の経費をザーへ支払う。そのほかの経費、食材、人件費、水道光熱費などもジーが支払う。または、売上をザーが毎日管理し、それらの経費を差し引いた額をフランチャイジーに支払う方法もあり得る。いずれにせよ社員フランチャイジーが独立した法人であるという意識が出易い方法が望ましい。

この社員独立制度を観察したことがあるが、驚いたことに売上が直営レベルよりも30%ほど上がるだけでなく、利益水準も驚くほど高くなる。従来の直営の社員よりもベテランがなったからと言う理由もあるが、場合によっては以前と全く同じ店舗を担当していたスーパーバーザーが同じ店舗のフランチャイジーになって、売上が50%近く上がったことがある。驚いて本人に聞くと、ジーになったことにより24時間勤務で真剣に取り組んでいるのが大きな理由だと言っていた。同じ人間が担当してこれだけ売上が上がるというのが社員フランチャイズシステムの最大のメリットだろう。しかも、本人の年収が社員時代より増えるだけでなく、独立した会社の経営者としての経費処理が可能であり、可処分所得は社員時代より大幅に増加するというメリットも生じる。

<3>規模による収益の向上

店舗の規模が大きくなることにより原材料を大量購入でき、その結果、原材料価格が下がる、物流の合理化による経費削減、取引先への支払い条件の緩和などの効果が出て、収益が大幅に向上する。同様なことは店舗建設コストや店舗ランニングコストにも言える。
また、POSなどの情報システムを構築するには店舗数が多くても少なくても費用が変わらないので、店舗数が増加すればするだけ、一店舗当たりの経費は削減される。同様のメリットはトレーニングコストにも言える。

3)フランチャイズシステムの活性化

さて、フランチャイズチェーンを急速展開し、店舗数が飽和状態になっても企業の活性化が失われないようにするにはどうすればよいのだろうか。4)にフランチャイズチェーンの収入のうち、一時金の内容を見てみたが、金額面では加盟金の額が多いのが目に付く。しかし、加盟金は一時金であり、フランチャイズチェーン展開が飽和状態になった場合にその収入は途絶え、フランチャイザーの収益は大幅に低下してしまうと思われがちだ。

ではザーの最大の収入である加盟金とロイヤルティは何故いただけるのだろうか? 加盟金は経営のノウハウに対するのれん代であり、ロイヤリティは継続した経営指導と売上向上策に対する経費である。

そして、加盟金というのれん代は加盟時に受け取るだけではない。チェーン展開時に加盟者が支払う加盟金はそのチェーンの売上が高くなれば、それを転売すると言う流通性を確保することによりチェーン本部には莫大な収入が継続的に入ってくるのだ。

つまり、のれん代という加盟金を流通させるにはその企業コンセプトが長続きする活性化が必要になってくる。そのために常にメニュー開発、デザイン開発、コンセプト開発、新業態開発を行い、フランチャイズチェーンのコンセプトが色あせないようにしないといけないと言うことがおわかりいただけるだろう。

<フランチャイズザーの収入>

1)フランチャイズ契約において発生する金銭取引

A・契約時の一時金

<1>加盟金、契約金

フランチャイズ契約時に受け取る。金額的には各社かなりバラつくが、普通100万円から300万円ほどだ。金額に差があるのは営業による予想収入の額の大小による。契約解除してもこの契約金はフランチャイジーには返却されない。

<2>保証金

契約金とは別に、保証金を受け取る。フランチャイジーが営業開始後、ロイヤリティや広告宣伝費、商品仕入れなどフランチャイザーに対し支払義務が生ずるが、この保証として保証金を予託させる。金額は営業のタイプにより変わる。保証金はフランチャイズ契約の解除後はフランチャイジーの負債を差し引いた後返却する。場合によってはフランチャイズ契約を契約時より早く解除したとき違約金をとる場合があり、この保証金を充当する。

<3>トレーニング費用

フランチャイズ契約終了後、フランチャイジーは営業のノウハウを取得するためにトレーニングを受ける。トレーニングは店舗でのトレーニング、トレーニングセンターでの集中トレーニング、フォローアップトレーニングを含む。基本的には、店長他数名に実施し、費用は実際のトレーニング内容により変わる。一般的には20万円から30万円ほど。オープン後の上級管理者コースの参加費は一般的に実費となる。

<4>店舗建設費用

店舗の建設費用は、店舗の躯体、設備、駐車場舗装、などの一次工事と内装、看板、などの2次工事に分かれる。このどちらをフランチャイジーが負担するかは、契約により異なる。フランチャイジーが店舗の土地建物を所有する場合には、一般的に全額を負担する。しかし、契約の解除後のことを考えると看板などはフランチャザーが負担する例がある。

土地店舗をフランチャイザイザーが所有する場合は、店舗建設費用の一次工事と看板をフランチャイザーが負担し、フランチャイジーは内装工事を負担する。営業開始後、改装工事などをする場合は、フランチャイジーの全額負担になるが、一次工事が発生するときにはフランチャイザーとの相談が必要となる。

<5>機器購入費用

基本的に全額フランチャイジーの負担。ただし、ノウハウの維持のためにフランチャイザーが一部の機器を負担をする場合があり。営業開始後の新規機器への交換購入の際はフランチャイジーの負担となる。購入の際には、フランチャイザーの認定して機器しか購入出来ないようになっている。また、購入の際もフランチャイザーの指定する業者から購入するか、場合によってはフランチャイザーから直接購入する。

*上記の<3><4><5>等の費用は一般的に実費を受け取る場合が多いのだが、実際にかかった金額に上乗せをする場合があり。これはフランチャイザーが自らのノウハウを使用し、まとめて発注することにより金額が安くなる場合一般的に購入する金額を越えない範囲であれば上乗せをすることは問題がない。

次回はフランチャイザーが店舗運営する中で継続的に入る収入を見てみよう。

お断り

このシリーズで書いてある内容はあくまでも筆者の個人的な経験から書いたものであり、実際の各チェーン店の内容や、マニュアル、システムを正確に述べた物ではありません。また、筆者の個人的な記憶を元に書いておりますので事実とは異なる場合があることをご了承下さい。


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