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年末年始「危機管理」セミナー


繁忙期に潜む「これだけの危機」、本部はどう準備するか

『年末年始の危機管理は本部の重要な役割だ』

年末年始は物理的にも精神的にも慌ただしく、売上げも高く、かつ従業員の休みもあり、危機管理には最新の注意が必要だ。年末年始は売上げが高いので新人を入れるが、その慣れない新人を十分な教育無しに店舗へ投入する事により大きな事故の発生がある。本部の必要な危機管理は店舗で起こりうる事故や災害のリストアップをし、具体的な対策まで支持をしておくことだ。そして、年末を迎え得る前に必要な連絡体制の確立や、教育、を行っておく。場合によっては事前に緊急連絡体制通りに連絡が使うかの練習を行う。基本的には人物金への危機を予測しなければいけない。人物金とあるように人命に関わることが最優先で、次に、建物や資産などを守ること、最後に金銭の損失という順番で危機を予測していく。  本部は過去の経験、安全管理の情報、警察の防犯情報、他社の事例などを十分に収集し、事故が起きないように対処しなくてはいけない。年末年始は忙しいだけでなく従業員の休暇等もあり、事故が起きた際の連絡体制が不十分だと判断が遅れ、事故はより大きくなる。本部はあらゆる危機や事故を予測し、それぞれの場合の対策や、連絡体制をきちんと整えどのような自体に陥っても対処できるようにしなくてはいけない。 また、日頃から店舗の危機管理がどのようになっているかチェックを行い必要な教育訓練や、マニュアルの改訂、店舗のセキュリティ監査業務が本部の重要な仕事になる。各企業では監査用のチェックリストを作成し、抜き打ちでチェックを行い必要な対策を抽出しなければならない。そのチェックリストを作成するために以下に店舗で起こりうる危機をリストアップしているので参考にしていただきたい。備えあれば憂いなしだ。

『年末に予測される危機とその対策』

1)人の被害への対策

(1)店内の人身事故

高齢化社会になると店内でのスリップや、階段からの転落による重要な事態の発生が予測される。人が忙しく動いている際に、床や階段に水や油がこぼれていたり、手すりが破損していたり、階段のスリップ止めが壊れていたりすると大変危険だ。

また、年末年始は家族連れで帰郷したり、旅行をすることが多く小さな子供も全く環境の変わった場所や新しい店を訪問する。最近では子供連れに喜ばれるように子供の遊び場を作ったりしているが、子供は新しい環境の興奮を覚え、普段しないような過激な行動にでやすい、また、駐車場などではしゃぎまわったり走り回ったりして、車の事故を誘発する場合も多い、年末年始は老人、子供にも安全できる店内外が十分な点検を怠らないことだ。

最近は内装に凝った居酒屋などの店舗が増えているが、2000年4月にある居酒屋の新装開店の際に、店内装飾の瓦が落下し、複数の客に怪我をさせ、テレビで大きく報道されたことがある。特に年末に向けて開店を急いだ店舗は内装の不備などもありがちであり、竣工検査は綿密に行い、内装の華美だけでなく安全も留意する事を心がけなくてはいけない。

また、万が一事故が発生した場合年末年始は病院が休みの場合があるから、年末年始の救急体制を事前にチェックし対応できるようにしておく。

(2)従業員の怪我と事故

年末年始の忙しいときには慣れないアルバイトを新規採用するが、良くトレーニングをしないと火気を扱う厨房では大きな事故を起こしやすい。フライヤーの油やコーヒーマシンの高温の湯を浴びて大やけどをしたり、グリドル、トースター、オーブンなどの高温の機械に直接手を触れて大火傷をしたりする。

大事故に発生しやすいのは厨房の床でのスリップだ。スリップ転倒し、頭をうち死亡事故に発生したり骨折をしたりする。床には油や水がこぼれないように注意を払い、滑りにくい専用の靴を履かせるなどの注意が必要になる。

宅配経営の場合には配達途中の事故の多い時期であり、普段から安全運転教育を実施し、自分の身を守るだけでなく、通行人にも怪我をさせないように余裕を持った仕事配分をするようする。事故を起こした場合、普段からの安全運転教育を怠っていると会社に大きな責任が発生するので注意が必要だ。店舗にまかせ切りにするのではなく、本部もどのような安全教育をしているか、監査を行わなくてはいけない。

年末年始は従業員のプライベートな交通事故や、季節柄酒酔い運転による交通事故や、酒に酔っての喧嘩、窃盗や万引き、等を引き起こしやすい。それらが個人の問題だけでなく新聞に報道されると店舗の信用を傷つけるので、就業規則、罰則規定などで、厳しくそれらの行動を規制することを伝えなくてはいけない。この規則の整備と伝達は本部の大きな仕事である。

(3)火災、地震、等の避難、

年末年始は火災などを発生しやすい。飲食店などで火災が発生して建物などが焼損しても保険などで保証されるから財産上の大きな問題はないが、その際にお客様の避難誘導をしなかったりして、お客様の人命の関わることがあると、大問題となる。火災、地震の場合にはまず第一にお客様、第二に従業員の安全と避難を優先とする。火災や地震の場合には、まず火災に対する消火活動とガスや電気を消し、お客様、従業員の避難誘導、消防署への連絡、客、従業員の安否の確認、社内の連絡、と言う手順を明確にして、各従業員への作業割り当てと日頃の訓練を行っておく。

店舗では年末前には防火管理者を確認し、必要なら事前に消防の講習を受け、店内の防火訓練を行うようにする。

(4)客同士の喧嘩、争い

年末年始は忙しいだけでなく、宴会などでお酒の入る事が多く、客同士のもめ事も多く発生する。客席で喧嘩が始まったら、直ちに喧嘩をやめてもらうようにする。同時に、周囲の客に被害が及ばないように避難してもらう。但し、客の体に決して手を触れてはいけないし、喧嘩に巻き込まれるのは論外である。3名で対処し、2名が双方の争いを止め、対立している客同士を遠ざける。もう一名はそれでも収まらない場合を想定し、警察に電話をかけられるように準備をする。

争いが収まったら周囲の人の安否を確認し必要なら病院や救急車の手配をする。そしてけが人などがでたら、事故の顛末などを警察に報告する必要があるので記憶が新鮮なうちに記録を残す。

(5) 飲酒運転

郊外型の飲食店の場合、客にお酒を出して酩酊運転などで事故を起こした場合、経営者の責任を問われる場合がある。もちろん未成年に対する飲酒は厳禁である。車で来店し、そのまま運転をするようなことのないように十分に注意し、酩酊した場合はタクシーや運転代行の手配をする事を申し出る。タクシーや運転代行業者の電話番号を電話の緊急連絡先に記入しておくと良い。

(6)食中毒、異物混入、毒物混入、

年末年始は食べ続けたり、旅行疲れや、風邪などで胃腸が弱っており、食中毒や食あたりを発生しやすい。また、異物混入のクレームや、毒物混入による恐喝なども発生するので、十分注意をする。冬場などで気温が下がると安心しても、正月の配達がない場合に備えて冷蔵庫や冷凍庫に入らない量の食材をとり、室温に放置して事故を発生する場合がある。全社的な問題であるので配達業者の正月配達や、予備の冷蔵庫の借用など本部が対策をとる必要がある。

万が一問題が発生したら直ちに本部が対策に入れるように連絡体制を書いた紙を配布して置くこと。

2)外部からの強盗と盗難、脅迫

(1)社内の犯行

強盗や盗難などは勝手を知った元社員やアルバイトによる場合が多い。新規に従業員を採用する場合には従業員の身元確認を確実に行い、やめた後も履歴者などの必要な書類は残しておく。また、従業員をこき使ったり、突然解雇をしたりすると不満をつもらせ犯行に及ぶこともある。普段から正しい従業員との人間関係を確立するように教育を怠ってはいけない。

(2)社外の犯行

社外の人間による強盗や盗難を防ぐには、入り口の鍵、照明、夜間の出入りの規制、等だ。特に夜間の閉店間近の被害が多いので店内に入ってくる客に注意を払う。深夜閉店後のアルバイトによる売上金の勘定の際に強盗に襲われ死亡事故も発生しているので、夜間の金銭勘定はやめるなどの安全対策を本部は立案する。

万が一強盗などに襲われた際には安全第一で犯人には抵抗しないようにする。会社の金や資産を守ろうと抵抗し死亡してしまっては、店舗の経営は継続できないし、場合によっては遺族に対する莫大な慰謝料が発生する場合もあり得るからだ。米国NRAではセキュリティのトレーニングマニュアルとVTRテープを用意して教育に当たっている。強盗に襲われた際に行わなくてはいけないのは犯人の特徴を覚え早く逮捕することだ。そのためにもトレーニング用のVTR教材などを使い、観察眼を養う具体的な訓練が必要になる。

(3)店舗の出入りに注意

従業員が単独で店舗に深夜や早朝に出入りする際に襲われる事件が多い。人件費対策は必要だが、人気のいない郊外の店舗や治安の悪い場所では店舗の出入りの際には複数の従業員が周囲の安全に目を配りながら行うようにする。

(4)金の盗難。

客の金を盗難する事は難しいが、最近はクレジットカードで支払いをする際に、そのデーターを読みとり、カードを偽造するスキミング被害が増加している。経営者や管理者は従業員の行動を良くチェックしそのようなことがないようにしなくてはいけない。さもないと経営者サイドの責任を問われる恐れがある。

偽造のクレジットカードにも注意を払う必要がある。サインが裏にしてあるか、サインは同一か、盗難カードのリストに載っていないか、客の態度がおかしくないか、等注意を払うように教育をする。

また、最近は金だけでなく会社の情報の流出という問題も抱えている。特にコンピュータ内部の売上げ情報、顧客データーなどの情報漏洩は見えにくい分大きな問題となる。情報機器のデーター管理にも慎重になる必要があろう。

(5)客の荷物の盗難

宴会などのグループ客の場合、酒も入ることもあり、荷物の紛失などの事件が起きやすい。団体毎に保管場所を明確にしたり、引換券で管理をするなどの具体的な対策を行う。

(6)暴力団などからの脅迫、押し売り

年末が近くなると暴力団やテキ屋などから、店頭へ置く置物の押し売りや、みかじめ料などの金銭の要求がふぇてくる。また、サービスが悪いとか、食中毒をおこしたらか慰謝料を要求する不当な行動が増える。年末年始は本社本部と連絡が取れず、困った店舗は思わずお金を支払ったりしてしまう。一回支払うとそれから毎年要求を受けるので、事前に警察に相談をして、その対処を求めておく。場合によっては地元の警察が弱腰で、民事不介入と逃げることがあるから、その場合には県警に相談するなど日頃の警察とのコミュニケーションを密にとる。

問題の多い地域の場合には警察だけで対応ができないので、専門の弁護士などの依頼をして、法的にもきちんと対応できる構えが必要になる。この当たりは本部は必要経費と割り切り店舗に対する強力なバックアップをしなければいけない。

3)経営上の不手際、スキャンダル

(1)不法滞在者の採用

年末年始は忙しく人手不足に陥り勝ちであり、つい、不法就業者を採用し勝ちだ。労働許可を持たずに入国した外人労働者を、事情を知りながら大量に採用し、経営者が逮捕され、会社の信用を大きく低下させたことがあるので十分な注意が必要だ。外人労働者を採用する際にはビザだけではなく労働許可証の提示を求めることをマニュアルに明記しなくてはいけない。

(2)不当解雇

年末年始は忙しさで店舗の管理職はイライラして、遅刻をしたり些細なミスをした従業員を思わず解雇したりしてしまい大きな事件に発生することがある。最近ではマスコミに連絡したり、ホームページやメールで不当な扱いを告発することが増えたので、従業員の扱いに十分注意するように教育をしなくてはいけない。

(3)セクハラ

年末には多くの学生アルバイトを使う場合が多いが、心が浮き立つ年末年始にはアルバイト同士の交際や、社員とアルバイトの交際などによる事件が発生しやすい。場合によっては管理者としての立場を悪用し、交際を迫る場合やセクハラを働く場合があり、大きな事故に発生しやすい。いくら個人的な事件であっても会社が組織的にセクハラ対策などの教育をしていない場合には責任を問われる危険もある。

4)事故発生時の連絡体制が危機管理の基本だ

危機発生時の連絡体制
緊急連絡先 氏名 会社TEL 自宅TEL 携帯TEL
社員        
社員        
担当店長        
管理者        
部長        
その他担当者        
社長代行者        
社長        

 

5)危機発生時の行動指針

「危機発生時の報告と対外発言の原則」

(1) 発生危機の内容を上司に迅速に、正確に報告する。

危機発生時には自己判断せず、その事実を5W1Hに基づき、速やかにまとめ

上司に正確、詳細に報告する。口頭で報告後、記憶が曖昧にならないように直ちに文書に記録し保存する。後に裁判や刑事事件、民事事件に発生した際に必要になるからだ。

(2) マスコミ対応は、基本的には総務部の責任者か経営者が担当する。

危機発生時のマスコミ対策は、現場からの報告に基づき総務部責任者または経営者が行う。 場合によっては、危機発生現場の店長や責任者が当面の一時的対応を行わなくてはいけない場合がある。

(3) 全員が統一した見解、発言、行動をとる。

危機が発生すると様々な情報がとびかい、混乱、誤報を招き、2次的な危機を発生させる。マスコミの取材に対しては、会社として統一した内容を発表しなくてはいけない。統一見解は総務部責任者、経営者が論議決定し、即座に社内、店舗現場に流さなくてはいけない。社員全員は個々の意見を述べるのではなく、この統一した内容の範囲で発言を行うように注意を払う。それ以上の情報を求められた場合は総務部責任者または経営者に連絡を取るように依頼する。

 
緊急時の関係連絡先
危機発生時に関係部署に迅速に連絡できるようにしておく。
機関名 住所 TEL
警察署    
消防署    
保健所    
救急病院    
県庁    
市役所    
タクシー会社    
運転代行業    
     

 「危機発生時における行動原則」

(1) まず、落ち着いて初期行動を起こす。

(2) 状況を把握と事故発生内容の報告

(3) 事故後の対応

会社上司の指示に基づき、その範囲内で行動する。統一見解が出されたらそれに従う。

「危機発生時の対外発表原則」

  1. 必ず統一見解に基づき回答する。
  2. 権限外の回答を求められた場合は、総務部、経営者を紹介する。
  3. 未確認、不確実な点については絶対に自己判断で回答しないこと。必要があれば正確にメモし、必ず総務部、経営者からの指示に従って回答する。
  4. 取材のあったマスコミからは名刺をもらい、マスコミ名と担当記者名を総務部、経営者に報告する。
  5. 取材内容を総務部、経営者に報告し、直ちにその内容を文書に残す。

取材マスコミ一覧表
月/日/時 マスコミ名 記者名 連絡先 総務部への連絡
         
         
         
         
         

被害者の連絡先
氏  名   性別 男・女 年令
自宅住所   TEL  
収容先住所   TEL  

被害者状況

 

 
危機対策対外応対手順
食中毒の場合
  • 保健所の発表によりマスコミの取材活動が開始される。
  • 記者は第一報の確認作業のため店舗または現場へ駆けつける。
  • 総務部または経営者の統一見解に基づき説明する。
  • 総務部、経営者へ以下の内容の現状報告を迅速に行う。

 

報告項目 報告内容 チェック
1.店舗名・報告者名・連絡先    
2.保健所立ち入り調査の日付 月  日  時  
3.理由    
4.保健所の見解    
5.原因    
6.一店舗にとどまるか
 (工場からの素材が原因か)
   
7.病状    
8.発病人数    
9.保健所の命令    
10.内容はどの程度外部に知られているか    
11.マスコミの取材有無
  ・会社名・担当記者名・TEL
   
12.マスコミへ取材への対処内容    
13.被害者の連絡先    

 

6)本部の役割

危機発生時のマスコミへの対応の訓練を普段から実施する。緊急事態発生後の記者会見のシュミレーションを行ったりの訓練を行っておく。

また、日頃から新聞、マスコミの情報を整理し、どんな危機が発生しどのような対応をとっているのかをまとめておき、自社の対応を常に検討しておく。事故があっても日頃の訓練で冷静的確に対応できるようにならなくてはいけない。


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