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喫食者ニーズに応えるための、作る側に最適で衛生管理の徹底した厨房設備


 

衛生管理というとHACCPと言う厳格な管理の手法が知られていますが、HACCPで重要なのは温度と時間の管理ですね。今回は使っている調理機器と冷蔵庫の温度管理と温度計の管理を見てみましょう。

1)冷蔵庫温度管理

細菌が繁殖する危険温度帯は5℃から60℃の間です。この温度帯に食品を4時間以上おかないと言うのが原則です。生ものは冷凍庫、または、冷蔵庫にしまう。材料の下拵えは手早く行い、下拵えの終わった生食材は,また、冷蔵庫などにしまうと言うことです。

さて,今回は冷蔵庫,冷凍庫での保管を考えて見ましょう。冷蔵庫や冷凍庫に保管すれば材料や調理済みの食材の細菌が増殖しないかと言うと必ずしもそうではないのです。温度が正しくなかったり、冷蔵庫に詰めすぎたり、手入れが悪いと、温度が保たれず,細菌が繁殖する恐れがあります。冷蔵庫冷凍庫の正しい使い方を見てみましょう。

(1)温度が正しいか  

冷蔵庫の温度は1〜5℃、冷凍庫はマイナス18℃〜マイナス22℃の温度帯です。まず、あなたの店舗の冷蔵庫冷凍庫がこれらの温度帯にあるかどうかの確認が必要です。 温度計はついているでしょうか? 温度計は正しく作動しますか?定期的に正確な温度計を用意して冷蔵冷凍庫の温度計が正しく作動するか確認をしましょう。

(2)庫内に余裕があり冷気が循環するか

<1>冷蔵冷凍庫の設定温度よりも保管中の食品の中心温度が大事  

温度計が正確できちんと冷却する冷蔵冷凍庫に入れても、食品が冷却されて基準の温度にならないと行けません。冷蔵庫や冷凍庫に食品を保管する場合には冷蔵庫冷凍庫の設定温度ではなく、保管中の食品の中心温度が冷凍や冷蔵の温度帯になっていなければ細菌の繁殖を防ぐことはできません。

<2>食品の冷却をするには風通しを良くする  

最近の冷蔵冷凍庫は庫内を冷風が循環して食品を冷却するようになっています。ということは、庫内のスペースがないほど食品を詰め込むと空気が循環しなくなり、食品を冷却できなくなります。庫内スペースの50%くらいの余裕を持って食材を保管するようにしましょう。

3)冷蔵冷凍庫の環境と手入れ

<1>冷蔵冷凍庫の作動原理を理解しよう  

冷蔵庫冷凍庫は冷媒を循環し、熱を移動することにより冷却します。冷蔵冷凍庫内を冷却するにはその熱を外に放熱する必要があります。冷却機は庫内にある冷却部分と,室外にある放熱部分に分かれます。冷媒をコンプレッサーで圧縮すると高温高圧のガスになります。その冷媒を車のラジエターのような形をしたコンデンサーに通し、外気の空気で冷却します。そうすると低温の液体となります。その低温の液体を膨張弁を通してエバポレーターで膨張させると,揮発熱で周りを冷却します。

冷蔵冷凍庫の中にある冷風を出す部分がエバポレーターで、冷蔵冷凍庫の上部や横、外部にある熱風を吐き出す室外機がコンデンサーなのです。エバポレーターで発生する冷気のカロリーとコンデンサーで放熱する熱気のカロリーは等しい値となります。つまり、きちんと冷風を発生するためにはコンデンサーで放熱をしっかりしなくては行けないということです。

<2>冷蔵冷凍庫の環境  

冷凍冷蔵庫は厨房内に置かれていたり、倉庫に置かれている場合が多いようです。冷凍冷蔵庫は風通しが良く、室温が高過ぎない場所に設置し無ければなりません。コンデンサーを冷却する空気の温度が高ければ十分に冷媒を冷却できないので,庫内の冷却を十分に行えません。冷蔵冷凍庫の能力の基本設計は30℃以下がほとんどなので,それ以上高い場合には冷却が不充分な場合が出てきます。庫内が冷えないだけでなく、オーバーヒートしてコンプレッサーが止まったり、焼ききれたりする危険があります。営業中だけ出なく,夜間に排気ダクトやエアコンの作動を止めた際に室温が上がり過ぎないかどうかもチェックしなくては行けません。

<3>コンデンサーの清掃  

冷蔵冷凍庫を置いてある場所の温度が低くても,コンデンサーに油分やごみが詰まると、風通しが悪くなり冷却能力が落ちます。フィルターがついている場合は定期的にフィルターを清掃するか、コンデンサーを直接洗浄して汚れを落とします。厨房内に設置してある場合には油汚れが付着し,その油に埃がついてつまり易いのでよりいっそうの注意が必要です。

<4>エバポレーターの霜取り  

冷凍庫の庫内温度は非常に低いので、冷風を発生するエバポレーターに霜が付着します。付着した霜が厚くなり氷のようになると熱の伝達が不充分になり、冷風の風量も減り、冷却能力が落ちてきます。エバポレーターでの温度交換が十分出ないと,フレオンガスが液体のままコンプレッサーに戻り,コンプレッサーを破損する恐れもあります。  そのために,自動的に霜取りをするようにタイマー形式で霜取りをしたり、自動的に霜取りをする装置がついています。タイマー形式の場合には開け閉めをしない夜間や暇な時間帯に設定します。霜取り装置は壊れることもあるので定期的にエバポレーターの状態を目で確認する必要があります。

2)使用調理機器の温度管理

加熱調理食品は、中心部が75℃で1分間以上又はこれと同等以上まで加熱しなければなりません。揚げる際の油の温度は160〜180℃と高温で食中毒の心配のないと言うことで見直されている調理法です。

(1)油の温度を保つサーモスタット  

<1>油温を一定に保つサーモスタット    

サーモスタットの温度計の設定が180℃になっているからと言って安心してはいけません。温度計の設定と油の温度が同じか確認が必要なのです。機械ですから使っているうちに狂いがでてきます。毎日、正確なデジタル温度計でサーモスタットの設定温度と油温が合っているか確認する作業をしましょう。  

<2>フライヤーやサーモスタットの特性  

サーモスタットが付いているフライヤーでも、サーモスタットの温度関知センサーの位置、感度により温度のばらつきや、揚げ物を入れて温度が下がった際の応答性が悪いと油温が下がり、一定の時間がたっても食材の温度が上がらず、食中毒の危険だけでなく、衣に油を吸い込んでべたっとした味になります。実際に調理をしてから購入しましょう。  

<3>油量と食材量のバランス  

いくら性能の良い良いフライヤーを購入しても、油の量が規定より少なかったら、食材を投入したらすぐに油温が下がるし、多すぎると油温の上昇が遅くなり、やはり油っぽい仕上がりとなってしまいます。

(2)温度の回復力  

フライヤーは油の量を正しく入れても、元々の火力が弱かったり、生食用の火力の弱いフライヤーで大量の調理を連続したり、冷凍食品を揚げると油の温度が下がってしまいます。売り上げや食材に適したフライヤーを使いましょう。  フライヤーの性能を左右するのは温度の安定性の他に油の温度回復力が大事です。180℃の温度の油に食材を投入すると温度は20〜30℃下がり、食材に火が通る頃に温度は180℃近くに回復するような温度回復力が重要です。これはフライヤーの設定火力の他にフライヤーの熱交換機の手入れにより左右されます。

フライヤーは電気でもガスでも長く使っていくうちに油が熱交換機にカーボンとなって付着し、熱を伝達しなくなります。定期的にそのカーボンを強力アルカリ洗剤などで洗い落とす注意が必要です。

3)温度計

温度管理には正確なデジタル温度計を使いましょう。デジタル温度計と言っても色々な種類があり、計測対象によって使い分ける必要があります。使っている温度計の種類をご存知ですか?  

一般的に使われるのは、熱電対(サーモカップル方式)の温度計センサーが多いのです。応答性もよく食品の温度計測に向いています。熱電対形式の温度計のセンサーには色々種類があります。熱電対というのは異種の金属を合わせた物に温度をかけると微電流が発生し、温度が変わると発生する微電流も変化する原理を利用して温度を正確に計測するのです。その場合どんな金属を使用するかにより温度の正確性と温度帯が変わるので、計測する対象物により使い分けます。食品の計測温度帯は一般的にマイナス30℃からプラスの300℃までですので、CAセンサーを使用します。CAセンサーとはクロメルとアルメルの金属を意味します。その他、色々な金属の組み合わせがあります。  

温度計の精度はメーカーによって異なります。精度は通常全スケール(最低計測可能温度〜最高計測可能温度に対する誤差パーセントで表示されますから、計測する温度でその差に対してパーセントをかけるとどのくらいの誤差が出るかがわかります。一般的には使用温度帯で誤差が絶対値でプラスマイナス2℃以下の物が必要です。CAを使用した熱伝対方式の場合には温度誤差はプラスマイナス2℃くらいが一般的であり、それ以上に高い精度を要求する場合には白金や半導体センサーなどの、温度による電気抵抗の変化を計測する形式の温度計を使用する必要があります。この場合は最大プラスマイナス0.5℃の温度精度でもって計測できます。  

また、測定対象物に最適の温度センサーを使う必要があります。フライヤーの油温度や液体の温度を計測する場合には針状のセンサーを使用します。その場合、計測対象物の持っている熱容量が大きいため、針状の温度計センサーの直径が多少太くても計測誤差は出ません。しかし、小さな食品の中心温度を加熱調理後計測する場合には針状温度計センサーが太いと計測対象物の温度を正確に計測できません。なるべく細い針状温度計センサーを使いましょう。もし、太い針状温度計センサーしかない場合には、事前に計測対象物の温度と近い温度まで温度を上げてから計測します。  

なお、どんな正確な温度計でも使うに従って誤差が発生するので時々温度計の精度のチェックが必要になります。正確な温度計のチェックはメーカーに送り返し、精度をチェックしてもらう必要がありますが、調理現場でも簡単にチェックができるのです。一般的にはセンサーには表面温度と液体を計測するプローブがついているので、液体を計測するプローブを使用しチェックをします。まず、細かく砕いた氷を入れた大きめのステンレス計測カップなどを2つ用意。一つのカップに砕いた氷に冷水を入れよくかき回し冷却します。その水をもう一つの氷の入ったカップに入れさらに攪拌しよく冷却します。氷が溶けようとする温度は0℃ですからセンサーを入れ温度を計測する。その際の温度が0℃プラスマイナス2℃であれば問題はありません。次に薬缶などに水を入れガス台にかけ沸騰させます。ぐらぐら沸騰した状態の湯の温度を計測し、その表示が100℃プラスマイナス2℃であれば大丈夫です。

このCAセンサーを使用したデジタル温度計の特性は比較的直線的に温度と比例して微電流を発生するのでこの0℃と100℃の温度が合っていればその他の温度帯での誤差もそれほど大きくなりません。このやり方で最低月に一度くらいは温度計をチェックすると良いでしょう。また、この温度計を使用し、調理機器や、冷蔵庫の温度が正確かチェックし狂っていたら修正します。表面温度のセンサーは薄いCAの金属帯が鉄板に付着して温度を感知します。CA金属帯が曲がっていたり、鉄板に旨く密着しないと温度計測が不正確になるので、状態を時々確認しましょう。温度センサーは交換可能ですので、出来れば普段計測に使用するセンサーと温度チェック用の物を別に用意し、時々誤差をチェックすると良いでしょう。


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