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先端食トレンドを斬る
第8回
外食業もインターネットをはじめなければ大損をする


<96年のトレンドはインターネット>

今回はインターネットについて話をしたい。なぜ取り上げるのか、理由はふたつある。

まず、第一の理由は96年のキーワードはちょっとひと休み、あるいはリラックスということになるのではないかと私は考えているからだ。

景気の低迷状態が続き、昨年まではリストラやリエンジニアリングと息つく暇もなかった。しかし、いくら一人で頑張っていても、景気がよくなるわけでもないし、少しは休息も必要だ。だからこれからは、レストランの利用の仕方も変わってくるだろう。接待ではなく自腹を切っての食事が中心になり、家族や友人と出かけることが多くなる。会社も授業員を絞るだけではなく、リラックスさせる必要があり、気分転換のためのカジュアルフライデーが盛んになるだろう。

したがって、96年に伸びるのはニューヨークグリルや銀座キハチのようなカジュアルで、価値のある料理を提供するオープンキッチンのレストラン、ブラッスリー六三郎のような洋食の雰囲気の中で気軽に食べられる和食、スカイラークグリルやステーキ&ステーキのローストビーフのような家庭では食べられない料理、雰囲気のよいテーマレストランなどであろう。

いずれも、プライベートで楽しむことができるタイプの店だ。

要するに個人の時間をより有意義に過ごそうという動きが注目されることになる。世界中の情報をいながらにして手に入れることができるインターネットは、こうした動きにまさに打ってつけなのだ。

もうひとつの理由は、現在の不況の中、利益を上げている数少ない産業のひとつがコンピュータ産業だからだ。

とくにソフトウエア産業はいま、もっとも伸びている産業である。マイクロソフト社の基本ソフトであるウインドウズ95の発売当日の騒ぎを思い出していただきたい。

ところが、そのマイクロソフトを追い越すような勢いで急成長を遂げているのが、インターネットソフトWWWブラウザーを開発しているネットスケープ社だ。会社創立からまだ1年しか経っていないが、現時点でネットスケープ社のWWWブラウザーを使用するユーザーは、世界中で1,000万人を超えており、マーケットシェアも70%を超えるまでになっている。たった1本のソフトが億万長者を生み出し、世界を変えていったのである。

インターネットとは、単純に言ってしまうと世界中のコンピュータのネットワークだ。 そもそもは、1960年代に米国国防省が、核戦争などの有事の際にコンピュータネットワークをどうするかという提案に応じて開発されたものである。最初は政府機関のネットワークであったが、その後、大学などの研究機関に普及するようになった。

インターネットが従来のパソコン通信と違う点は、パソコン通信は、通信会社が保有する大型ホストコンピュータを中心に電話回線を通じて会員のコンピュータとデータの受発信を行うもので、会員だけが利用できる閉鎖的な組織である。これに対して、インターネットでは全体をコントロールする会社はない。ただ、政府研究機関と大学などの組織と、商業利用する組織に分かれている。しかし、両方ともボランティアによる運営であり、非営利的な組織なのだ。通信するためにはアドレスという名前と住所が必要だが、その管理をボランティアで行っているだけなのである。

さらに、インターネットでは電話回線の使用を必要としない。ネットワークに加入し、アドレスを持っているコンピュータ間は専用回線で結ばれている。これを利用すれば、多くのコンピュータ経由で世界中をつなぐことができる。サーバーをインターネットに接続すれば、瞬時に世界中のコンピュータと通信することが可能なのだ。

これまでは、個人がインターネットにアクセスすることができなかったが、最近、商用と個人向けのインターネットの接続サービスを提供する会社が現れた。専用回線をインターネットに接続せず、電話回線経由でインターネットアクセスできるようになったのだ。プロバイダーと呼ばれるこれらの会社の出現で、誰でも世界中のインターネットユーザーとのコミュニケーションが可能となったのである。

では、具体的にインターネットでは何ができるのだろうか。

まず、最近、会社では当たり前になりつつある電子メールを、世界中に瞬時に送受信することができる。

次に、データをファイルして送受信できることが挙げられる。

現在、もっとも人気のあるのがワールドワードウエップ(WWW)という情報発信手段だ。これができたおかげでインターネットが爆発的に普及しはじめたのである。WWWの最大の特徴は、情報を文字だけでなく、絵や写真などのビジュアル情報としても掲示、発信できることだ。それだけでない。音声や動画の掲示も可能であり、テレビ電話も可能である。従来のテレビ会議システムは専用の部屋や数千万円単位の機器類が必要であったのに対し、インターネットを利用すれば、3万円のカメラを加えれば実現でき、最大8カ所とテレビ電話会議ができるのだ。

急成長しているジャンルには、必ず大きなビジネスチャンスがある。それを逃さないためにも、96年はぜひ、インターネットにチャレンジしていただきたい。

では、そのインターネットとはどういうものなのか、そして、それが飲食業にどう関わっていくのかを、以下に述べていこう。

<外食ビジネスにも絶対役立つ情報手段>

WWWのメリットを活用し、全く新しいビジネスが誕生している。

WWWにおける情報発信手段をホームページといい、個人や会社が自分の発信したい情報を掲示して、それに興味を持つ人間は自由にアクセスし、必要な情報を手に入れられるようになっている。従来、情報発信の手段としてはパンフレットを作成配布したり、本を自費出版したりしていたが、これには数百万円の費用と多額の郵送料が必要だった。インターネット上のホームページは、プロバイダーという通信業社のサーバーの上に月間数千円で間借りし(情報発信量によるが)、カラー画像の情報を発信できるのだ。

    では、この機能を利用したビジネスを見てみよう。

  1. 新聞、雑誌、本の販売

    新聞、雑誌の世界は大きく変わりつつある。最近米国シリコンバレーのサンノゼマーキュリー紙がインターネットWWWのホームページを開き、全文を即時に読めるようにした。もちろん無料で読めるのは見出しと簡単な概要までで、それ以上読みたい場合には、毎月購読料として、5ドル払わなければならない。しかし、従来、日本で購読するには毎月航空便費用として数万円を支払わなければならなかったのが、たった500円で購読できるようになるのだからすばらしいことだ。

    雑誌で人気なのはプレイボーイ、ペントハウスなどの大人の雑誌のホームページだ。これらのホームページにアクセスすると、無修正の画像を無料で入手することができる。月に1,500円、年間で約1万円の会費を支払えばさらにすばらしい画像を世界中どこの場所にいても入手できる。雑誌会社は米国だけでなく、全世界を相手にしたビジネスが可能になるわけだ。

    すでに日本でも、この機能を使用して、本の通信販売で数億円のビジネスを築き上げた会社もある。

  2. ショッピング、通信販売

    米国では数多くのインターネットモールが誕生している。大手通信販売のスピーゲルとか紳士服のブルックスブラザースなどもホームページを持ち、通信販売を開始している。日本でも野村総研や大手商社、通信販売会社がインターネット上にショッピングモールを開いて活動を開始した。

    外食業でもホームページを持って積極的な活動をしている企業がある。米国では、チェッカーズというドライブスルーハンバーガーチェーンがホームページを持ち、フランチャイズ募集のパンフレットの配布をしているし、ピザハットは宅配の注文用に使用している。チョコレートのゴディパはすばらしい画像のチョコレート菓子のレシピを載せ、思わず食べたくなるようにして、通信販売に結びつけている。

    日本でも、信州の松栄屋というそば店がホームページで、生そばの通信販売をしている。このホームページはユニークで、信州大学農学部のサーバーとリンクしており、そばの学術的な研究データをすべて検索できるようになっている。この資料を読み、いかにしてそばが健康にいいか納得して、思わず注文させようという優れものだ。

    通信販売など外食と関係ないと思っていると危険だろう。コンビニエンスストアが日本に上陸してきたとき、誰も外食の敵になるとは思っていなかったことを思い出してみよう。

    しかし、いまやセブンイレブンの弁当、調理済みの食品の売り上げは4,000億円以上にのぼり、外食の売り上げに大きな影響を与えているのだ。

    胃袋はひとつ、の大原則を忘れてはいけないだろう。

  3. 予約

    米国ではホテル、航空会社の検索と予約がインターネット上でできるようになっている。日本でもようやく、阪急ホテル、プリンスホテルがインターネット上で予約できるようになった。とくに海外に向けての英語での情報発信をする場合には重要な手段だろう。

  4. 個人情報と公の情報

    インターネット上のホームページやパソコン通信のフォーラムのように個人の人間が情報を発信することができる。ということは、情報の重要性はこれまで以上に増し、より自由でボーダーレスに、言い換えれば無秩序になることが予想される。

    最近米国で大きな問題となったのは、アメリカオンラインというパソコン通信の外食フォーラムで、ボストンマーケットで使用している付け合わせのマッシュポテトはインスタントだと噂になったことである。

    アメリカオンラインの読者は200万人で、その口コミはバカにできない。あわてたボストンマーケットは発信の一人を店舗のキッチンに招待し、製造工程をすべてオープンにして、ボストンマーケットのマッシュポテトはフレッシュなものだという訂正情報を流させるようにした。

    インターネットやパソコン通信の個人の噂情報は、あっという間に数百万人に広がる危険性がある。企業の広報活動もそれに対する対応が迫られているのである。

    公の情報という意味では、仕事や勉強の資料としてのインターネットの価値は図りしれない。サンフランシスコクロニカル新聞のベイエリアのレストラン評価表はすばらしいもので、レストランを訪問するのに大変参考になる。メリル・シントラーという、レストラン評論家のホームページも優れものだ。ロサンゼルス在住の彼は、各新聞社にレストラン批評を掲示しており、高級レストランから、ドッグフードまで実に多彩でウィットに富む批評をしていて楽しめる。

    日本でも、大阪ガスのように料理のレシピと写真を掲示したホームページや、ファンが個人的にモスバーガーのデータを掲載したものもある。メニューの値段表から、全国の店舗住所、電話番号、モスの歴史などが網羅されており、モスの公式のパンフレットかと見まちがうほどだ。

    もちろん、各大学の論文や官公庁の最新の統計なども閲覧することが可能になっていて勉学の役にも立つ。

インターネットは現在140カ国につながっており、5,000万人が利用し、96年中には1億人が利用するだろうといわれている。日本では推定150万人が利用しており、96年中にはパソコン通信のユーザー、約400万人を抜き去る勢いだ。

95年はパソコン元年といわれ、販売台数は530万台と初めてVTRの販売台数を超えようとしている。96年もこの傾向は強まることだろう。インターネットはパソコンの性能に余り制約を受けないので、インターネット用に機能を省略し価格を5万円以内にしたパソコンも開発段階にある。さらにセガのサターンやソニーのプレイステーションなどの家庭用ゲーム機器に設置するインターネット接続用のアダプターの開発も進められている。費用は3万円以内になるだろう。また、家電メーカーもテレビや、電話機、携帯用通信機器へのインターネット継続を開発中であり、数年以内にはインターネットユーザーの数は、家庭用FAX以上になるのではないかと見られている。

ブームになってからそのビジネスに参入しては遅すぎる。いまからインターネットはどんなものか研究する必要があるだろう。私もなるべく早い時点でホームページを持つべく準備中だ。


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