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キッチンの能力を高める最新機器の知識

キッチンスタディー第五回

クックチル


  1. クックチルの歴史とその有効性

    1969年の後半、スエーデンの北部のナッカという町の大きな病院で、調理後すぐに冷凍し、後に再加熱するという”クックフリーズ”という新しい調理法を取り入れていた。

    最初のうちは、かなりの成果をあげていたが、その調理方法になれてくると、調理の責任者たちはその方法の以下にあげる幾つかの欠点に気がついてきた。

    • ・冷凍と解凍の過程において、ほとんどの食品の細胞を変化させてしまい、再加熱したと きの食品の外観と味そのものが悪いので、患者から好まれない。
    • ・糖尿病患者用などの特別食の調理に向いていない時がある。
    • ・調理する際に従来と同じ調理機器が必要である。冷凍する為に特殊のブラストフリーザ ーが必要である
    • ・広い冷凍庫のスペースが必要であり、再加熱する時に、特殊な再解凍の機器が必要で あり、初期投資とランニングコストの両方が高くなる。

    そこで、彼らは懸命な研究の結果、その解決策を見いだした。それは、プラスチックフィルムで液体や固体の食品を真空包装したまま、加熱調理して、次に急速に冷却後、食品の凍結点のやや上の温度(ー2℃から0℃)で保管する。必要な時にプラスチックフィルムで包装された食品を、そのまま再加熱し、開封して盛りつけをする方法である。

    大量の食品を包装する材料の開発の過程で、包装材料メーカーのW.R.GRACE社のCRYOVAC部門の担当者がその、将来性に気がつきその改良に取り組みだした。その結果、包装材料のみならず調理、包装、冷却、の総合の過程の開発が必要なことに気がつき、米国の厨房機器メーカーのGROEN社の協力を求め、現在のクックチル方式を開発したのである。この、方式は1976年に米国ノースカロライナ州のチェリー病院で初めて実用化した。この方式がクックチルの中でもCAPKOLD方式(タンブルチラー)と呼ばれているものである。

    柴田書店の熱心な読者なら、「あれ、この話どこかで聞いたことがある」と思われるが、実はこのクックチルと起源をまったく同じにするのが、フランスで生まれた真空調理である。(柴田書店 専門料理 昭和62年9月号の真空調理の記事で服部学園の脇雅世氏が述べておられる。)

    このクッククチル方式は真空調理と起源を同じくすることで明らかなように、単なる保存を長くする為に開発したものでなく、美味しい食品をどうやって安全に安定して作るかという目的で誕生したものである。食品を安定して美味しく作る為には温度と時間のマニュアル化が必要であり、作業の標準化もはかられる事になった。その結果衛生管理も大きく向上し、保存も出来るようになったのであり、決して保存が出来る事が第一目的でない事に注目していただきたい。

  2. クックチル方式の必要性と定義付け

    現在のフードサービス業界、給食サービス業界の現状を見てみると、原材料、人件費、などの経費は増大しているが、その反面経験のある調理師は減少してきている。消費者は安定した高い品質、メニューの多用化、食品の栄養と安全性等を要求し出している。競争の激化により、セントラルキッチン化による配送と保管の必要性が出て来た。近年公営の中央卸売り市場が週休2日になり、生鮮食品が週に2日は入荷せず、まとめて購入して調理しておく必要が出て来ている。等の種々の問題点が発生し、従来の調理方法の見直しを迫られるようになってきた。

    店舗での調理方法に頼らない場合、調理済みの冷凍食品、レトルト、缶詰等を使う必要があるが、コストが高かったり、味が悪く競争相手との差別化が出来にくいと言う問題点がある。

    このクックチル方式を使えば、味は従来と同等かそれ以上であり、自社のセントラルキッチンを活用し低コストで食品の製造、保管配送を行うことが出来、かつ、長期の保存が出来るので人件費が下がる等、味とコストの両方の差別化が可能になるのである。

    クックチルの定義は5つのステップで構成される。

    ステップ1:
    食品を要求される調理状態に調理する。
    ステップ2:
    調理後4℃以下に急速に冷却する。
    ステップ3:
    冷却した食品を厳格にコントロールしたー2℃から0℃の氷温の温度帯で保 管する。
    ステップ4:
    冷却された食品はバルクのまま、または盛りつけされた状態で、多くのサー ビス現場に配送される。
    ステップ5:冷却された食品は最低温度74℃まで急速に再加熱し提供する。

  3. クックチルのプロセスの2種類の方式とその違いについて

    現在のクックチル方式は冷却方式により2種類に分けられる。GROEN社とW.R.GRACE社で共同開発した水冷のCAPKOLD方式(以下タンブルチラー方式呼ぶ)と、それを簡略化した空冷のブラストチラー方式である。それでは以下にその違いをみてみよう。

    A・ブラストチラー方式(従来の調理方式+空冷方式)

    通常の調理方法を使用し、調理後の食品をホテルパンなどの比較的浅い容器に移し(最大深さ5cmm)ラックに入れる。ラックごとブラストチラーにいれ、ー20℃位の強い冷風で2時間以内に4℃以下に冷却し、その後氷温域の温度帯で保管する方式である。保存期間は製造日を含めて5日間である。
    ブラストチラー方式の最大のメリットは、従来の調理方法をそのまま使用出来るので、導入時のメニュー開発等が比較的簡単であると言うことである。ただし、従来の調理方法を使用するので大量の調理が必要な場合等には限界があったり、パンにいれて保管する為に配送に向かず、密閉状態でないので注意しないと細菌の汚染の可能性があると言うことである。同じ構内での配送など限定されたシステムである。タンブルチラー方式との比較を、表1にしてあるので、参照されたい。

    この方式については、別項で編集部が神戸の阪急百貨店のシステムを紹介するので細かい説明は省く。

    B・タンブルチラー方式(大量真空調理タイプ方式+水冷方式)

    スープやソース、シチュー類等の流動物の調理と、肉や鳥、魚などの固形物の調理とに分かれる。

    流動方式は、まず写真1のスチーム加熱のケトルに材料を入れる。写真2の可変速度制御付き傾斜撹拌機で、繊細な食品固形物を損傷させないで食品を上下にきれいに撹拌し、82℃まで温度をあげる。このケトルはサーモスタットによる温度コントロールと、スチームの圧力の変化による加熱温度のきめ細かい変更が可能である。この段階では調理は90%位の仕上がりにしておく。再加熱した時に完全に味がつくようにするのである。

    次に写真3の ようにケトルとポンプフィルステーション(プラスチックバックへの充填)をパイプで繋ぐ。パイプ内部は予め洗浄殺菌してあるが、最初に82℃に加熱された流動状態の食品を通し、バケツにとる。そしてパイプ内部が82℃まで加熱されたら、充填を開始する。(バケツに取った流動物はケトルに戻し、再加熱出来るので無駄はない。)

    この場合ポンプで送る為固形物のサイズは3cmmの直径の物に限られる。ポンプフィルステーションでは、写真4のように一定量が自動充填される。それを写真5のようにクリップでシールをする。同時に、製造年月日がプリントされたラベルがシールされる。

    それを、写真6のタンブルチラー(水冷冷却機)に投入し、冷水と穏やかな揉み運動により食品の温度を82℃から4℃まで1時間以内に冷却する。細菌の繁殖し易い5℃から60℃の温度帯を越えて急速に冷却する事により細菌の増殖を防止する事が出来るのである。また水冷式の為冷却が空冷と違い万遍なく行われ、また食材の表面が空気と接触していないので劣化もせず、冷却後の細菌による汚染がなく衛生的である。冷却はアイスビルダーを夜間に稼働させて氷を作り、その氷で冷却を行う為、昼間の時間に大きな電力を使う事がなく、エネルギーコストの削減が可能である。

    次に写真7のように氷温帯の冷蔵庫に入れ保管する。製造日付がついているので品質管理が容易である。後は必要な時に取り出しプラスチック容器ごと加熱すれば良い。さらに写真8のように加熱調理から、冷却まですべての行程の温度と時間をこのコントロールパネルで自動的にコントルールし、更に記録する。データーとサンプルは食材が消費されるまで保管されなければならない。

    固形物の調理はクックタンクを使用する。クックタンクは写真6のタンブルチラーと兼用になっている。肉や鳥、魚等にシーズニングとソースを加え、プラスチックバッグに入れ、写真9の真空パック用の機器で真空引きをし、クリップで密閉する。それをクックタンクのバスケットに入れてから湯で時間をかけ中心温度を希望する温度に加熱する(低温調理)。調理は時間でコントロールするか、または温度センサーを調理食品の内部に差し込み、温度を計測して管理する。

    調理が終了後湯を排出し、冷水を導入、循環しながら冷却する。真空パックしているので肉汁の損失が少なく歩留がよい。一般の調理方法だと歩留は65〜70%位であるが、クックタンクを使用すると90%〜95%と高くなる。歩留がよいということは食品原価率が下がるのと同時に、肉がジューシーで味が良くなるのである。調理のコンセプトは真空調理と似ており、真空調理のレシピーの応用が可能である。

    食品の保管可能期間は30〜45日でありブラストチラー方式に比べかなり長く、計画的な生産スケジュールが可能になり従業員数の大幅な削減が可能である。このシステムは全米で150カ所ほど導入されている。

  4. 米国での使用実例

    クックチルシステムはタンブルチラーを中心に米国で広く使用されている。クックチルを使用しているのは、病院、学校給食、刑務所、チェーンレストランのセントラルキッチン、コンビニエンスストアーやスーパーマーケット、社員給食、ホテルなどである。

    今回、学校給食、刑務所の大量調理施設を取材してきたので簡単に紹介する。

    <1>カリフォルニア州モデスト市の学校給食、責任者ベティンコート氏

    1日23000食を市内の9つの公立校とその他の施設に供給している。クックチルを導入する以前は3つのセントラルキッチンで同じメニューで生産し配送していた。セントラルキッチンを新しく設計スタートしたのは1989年6月からで、1992年の前半にオープンした。建設総費用は約7億円かかっており、7〜12年で償却する予定である。当初の計画では1日18000食の供給の予定であった。現在の1食あたりの原価は、180円である。

    <設備>

    タンブルチラー方式としてGROEN社製のCAPKOLD200(一番大型の設備)を使用、200ガロンの容量のケトルを2台と、200ガロンのパスタ用ケトル1台、タンブルチラーとアイスビルダー1台づつである。クッックタンクは使用していないがそのかわり、ロータリータイプのオーブンと,VULCAN社製のブラストチラーを使用している。メニューの90%がタンブルチラーによって調理されるとのことである。それは配送するにはプラスチックバッグに入っている方が容易であり、かつ味が良いからであるとのことであった。保存期間は45日可能であるが現実にはそこまで必要なく、8日間以内に使いきっている。加熱調理以外では、サラダドレッシングをケトルで混ぜポンピングしてプラスチックバッグに詰め、14日以内に使用している。またパスタサラダもポンピングが可能であり、14日間保管出来る。

    <効果>

    人件費で15%、年間で6000万円の削減が出来る。従来3つのセントラルキッチンにそれぞれ給料の高いシェフが必要であったり、各学校である程度の調理が必要な為、熟練した労働者が必要であった。セントラルキッチンが一つになったのと、サテライトキッチンでの調理作業が不要になった為人件費が大幅に削減出来たのである。

    またフードコストで20%のコストが削減出来た。従来3つのセントラルキッチンで調理し、またサテライトでも一部原料から調理していた為、資材の供給業者は数多くの地点に配送していた。それが一つのセントラルキッチンに一度に大量に配送する事が可能になり、配送コストが大幅に下がった為である。水道光熱費も削減出来たと思われるが従来との比較はやっていない。

    以上のようにコスト的なメリットはかなりあると思うが、更に印象的であったのは、セントラルキッチンの内部が、従来のセントラルキッチンより整理され、働く環境が良いという事である。また、このモデルケースの成功により他の市の学校給食への導入を検討しており、今後の増加が予定されているとの事であった。

    <2>カリフォルニア州サンディエゴ市 サンディエゴエリア刑務所 責任者 マシューズ氏

    1991年の10月にオープンした設備であり、日本から見学に最も訪れる施設である。製造供給能力は1日30000食分あるが、現在は18000食を供給している。この刑務所のみでなく他の施設にも配送している。1食当たりのコストは120円と低いが、これは政府から原材料の援助がある為である。

    刑務所の食事というと、日本の常識では臭い飯という粗末なものであるが、米国の刑務所の食事はオードブルからデザートまで付く豪華なものである。以前は日本と同様に粗末な食事であったが、それが原因で健康を害したりしたといって訴訟を起こされ、州政府が敗訴した事があった。また食事が粗末だとそれが原因で暴動が起きたりしかえってコストが高くなるという事で、

    最近では刑務所の食事は病院よりも良い位であるとの事であった。構内には、ベーカリーがあり、焼き立てのパンとデザートを毎日製造して供給している。量的にも十分であり、飛行機の機内食よりもはるかに豪華である。唯一の不足はアルコールのみである。また栄養のバランスも考え、糖尿病にならないようにとか、繊維質の多い健康的な食事を製造するようにしている。その他宗教上の理由により食事制限を受ける囚人の為に特別食も用意してあり、レストランと同じくらいのメニューバラエティがある。

    <設備>

    GROEN社製のCAPKOLD200(最も大型)。200ガロンのケトル3台、200ガロンのパスタ用ケトルを1台、2台のタンブルチラー、1000ポンド調理出来るクックタンクを3台持っている。クックタンクで1000ポンドの肉を調理するのに7時間、冷却に8時間かかるので夜間に自動的に調理する。肉の歩留は95%と高いので味が良いとの事であった。また、揚げ物や炒め物はブレージングパン4台で調理している。

    ロースト用のオーブンはLUCKS社の物を使用。主にラザニア、ローストチキン、ミートローフ、ハンバーガー、ポークチョップ等の表面に焦げを付ける物に使用しており、ブラストチラーはUSECO社のロータリー型のものを使用している。ロータリー型のブラストチラーは温度ムラが少なく均一に冷却され食品の表面に冷凍焼けが発生しにくいとの事であった。配送と計画生産する為に、保管期間の長いタンブルチラーで全体のメニューの70%を調理している。45日間保管出来るが、実際には21日間で使いきっている。

    <効果>

    政府の援助が多い為と、一部囚人を労働力として使用する為にコスト分析はできていないが、18000食を現在37人で調理している事からもこの生産性の高さがわかると思われる。

  5. 日本での使用実例

    <1>ブラストチラー

    現在、神戸の阪急百貨店の社員食堂にて使用しているが、厨房内で従来の厨房機器を多用しており、投資コストに見合うか検証をしている。また、当初予定していたサテライトヘの配送は事情によりまだ実施されておらず、今後段階的な実施を予定している。現段階では、地下でほとんどの集中調理をした後冷却し、必要に応じて上階の食堂で再加熱すれば良いので、社員食堂のダイニング部分をビルの最上階の良いところに置く事が出来るという、スペース上のメリットが最も大きいと思われる。

    成田のTFKのフライトキッチンは、ブラストチラーとしては最も適性にあった使用方法である。ブラストチラーは保存期間が短く計画生産後保存して置くという事がしにくいが、機内食は、調理冷却後にすぐに盛りつけをし、トレイに載せるので保存をする必要がない。機内食は調理後飛行機に積み込んでから、飲食するまでの時間が長いが、調理した食品を直ちに冷却し保存性を高めると安全性が高くなるという利点がある。再加熱は機内の保管庫のヒーターで実施する為に設備的な重複がなく良い。

    ブラストチラーは従来の厨房機器をそのまま使えるというメリットはあるが、保存期間が短い為ホテル等の宴会料理などの準備などを除くと、まだ余り使いこなされていないようである。ただ、従来の調理法より保存性ははるかに高く安全なので今後普及していく物と思われる。

    <2>タンブルチラー

    日本では現在までに3カ所でGROEN社のタンブルチラーが導入されている。米国のコーヒーショップのココス社のサンディエゴのセントラルキッチンで最大規模の物が導入されている事から、日本のココス社でも導入している。残念ながら公開していないため、使用状況はわからない。米国のココス社では、スープ、ソース、タコスのフィリング等フルに生産しており、レストランのセントラルキッチンとしての稼働率は最も高く、十分なメリットを上げていると思われる。

    2年ほど前に、東京ディズニーランドのセントラルキッチンにタンブルチラーのみ導入された。現在は、ディズニーランド内のレストランのソースやスープ類を集中加工している。米国のディズニーワールドでも同様のシステムが導入されており、本年後半には最新型のタンブルチラーを導入するとの事である。

    そのほか、GROEN社のタンブルチラーを取り扱っている、三洋電機の東京工場に1セット、小型のシステムを設置してある。東京工場の社員食堂で使用し、メニュー開発をしているとの事であるが、残念ながら現段階では、カレーライスのみのメニュー開発しか出来ていない。今後の開発を期待したい。

    タンブルチラー方式の問題点は、ケトルやクックタンクを使用する為、メニュー開発にやや経験が必要である。一般的にスープやソースのみしか出来ないように思われているが、肉や鳥、魚などは真空調理のレシピーを活用すれば出来るのである。

    <フライ物例>

    骨付きの鳥肉をシーズニングと混ぜプラスチックバッグに真空パックし、クックタンクで加熱調理後冷却し保存する。必要に応じてサテライトキッチンで湯煎で内部温度が74℃になるまで加熱する。開封し、バッター、ブレッダーをつけ180℃の油温のフライヤーで色がつくまで1〜2分で揚げる。鳥肉の内部はすでに調理温度に達しているので衣に色がつくだけでよい。出来上がったフライドチキンは骨離れがよく肉も柔らかく、圧力釜で揚げたような品質になる。また揚げる時間が短いので、フライ油の温度が下がる心配がなく大量に調理出来る。この応用は、トンカツ等の他のフライ物に応用出来る。

    <魚の焼き物例>

    骨付きの魚を、塩、シーズニングと共に、プラスチックバッグに真空パックする。クックタンクで加熱調理後冷却し保存する。必要に応じてサテライトキッチンで湯煎で内部温度が74℃になるまで加熱する。開封し、魚焼き機で表面に焦げがつくまでさっと焼く。焦げ色のつき易くなるシーズニングをやフレーバーを使うと更に仕上がりがよい。焼いた魚を、加湿の保管庫にいれて保管すれば、大量に温かな焼き魚を出す事が出来る。

    <野菜の煮物>

    直径が3cmm以下であればケトルで調理しポンプステーションで自動充填出来る。もしデリケートな煮物の場合は、野菜とだし汁をプラスチックバッグに真空パックし、クックタンクで加熱調理後冷却し保存する。必要に応じて湯煎し出す。出し汁が濁らず野菜の色が綺麗に出る。 以上は、真空調理のレシピーをアレンジした一例であるが、ちょっと工夫すれば色々なメニューの開発は簡単に出来るのである。

  6. 今後の方向

    ブラストチラーは導入が比較的簡単なので今後の急速な普及が見込まれるが、導入の際にそのメリットと限界を十分検討する必要がある。保存期間が5日間なのでその範囲でメリットがなければならない。また容器で配送するために、基本的には同じ敷地内のサテライトキッチンに限定される事も留意されたい。

    タンブルチラーはセントラルキッチンを設計する時点で考慮する必要があり、導入に当たっては、どの様なメニューを、何食作り、サテライトキッチンの設備をどうするかまできちんと検討する必要がある。クッックチルの中では味が最も良いので今後の普及が望まれる。

    今後クックチルは普及していく物と思われ、各社が製品を発表するようであるが、クックチルはシステムであり、温度管理や時間管理が正確でかつ記録出来る安全な物でなければ保存管理する上でかえって危険である。このシステムは単にハードウエアーの問題でなく総合のソフトウエアーが大事なので、導入する際にはクックチルの経験豊富なキッチンデザイナーに相談する事が望ましい。

表1

ブラストチラーとタンブルチラーの比較

.ブラストチラータンブルチラー
調理方法従来の調理機器で調理する為、生産性は余り変わらないるケトルやクックタンクで、大量の食品を自動調理するので生産性が高い。
従来の調理方法と同じ。 フランス料理の真空調理と同じで食品の旨味が外に出ず品質がよい。
冷却と衛生空冷で、包装していないため、保存可能期間が5日間である。真空包装と同様の包装で冷却が早い為 30〜45日間保存可能。
計画生産保存期間が短いので工夫が必要。保存期間が長いので月単位の計画が立てられる。
配送性保存用のパンに入れ配送するので回収し洗浄殺菌しなければならない。プラスチックバッグごと配送し回収の必要はない。
再加熱再加熱するときに、容器を入れ替え加熱するかまたは、一般的な調理器具が必要。プラスチックバッグごと加熱できるので簡単な湯煎でも可能。
人件費調理方法が従来と同様であり冷却の手間を考えると余り削減できない。 大量の自動調理と、保存期間が長い為計画的な生産が出来、削減可能。
原材料費従来よりも計画的に生産出来るのでやや削減出来る。 |保管期間が長い為、一回の生産量が多く出来、購買量が大きいのでかなり削減出来る。また食品の歩留が良いので原材料費のロスが少ない。
投資コスト冷却設備で1000万円といわれているが、この他に従来の調理設備が必要。またサテライトキッチンの設備も比較的多く必要である。5〜6000万円で高いと言われていいるが、これには調理設備も含まれており、サテライトキッチンの設備が軽てすみ、ランニングコストが低い事を考えると十分コストに見合う。


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