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米国の繁昌店シリーズ
第7回
スターバックスの原型ピーツコーヒー
スターバックスの新業態 サーカディア


社名 Peet's Coffee & Tea
住所 Main Offices: 1400 Park Avenue、 Emeryville、 California
Founded: Berkeley、 California、 1966
Phone: (510) 594-2100 Fax: (510) 594-2180
http://www.peets.com

「スターバックスの実験店」 Circadia
2727 Mariposa St.(at Bryant) San Francisco、 CA 94110
Phone (415) 552-2649
http://bayarea.citysearch.com/E/V/SFOCA/2000/06/83/

「スターバックスの原型」

Peet's Coffea & Tea は1966年にオランダ生まれの Alfred Peet氏が 35歳の時に米国サンフランシスコの対岸のバークレーに1号店を創業した。UCバークレー大学のすぐそばのWalnutとVineの角だ。すぐそばにはカリフォルニア料理を作り上げたシェパニーズがある。フレンチローストのような濃いヨーロッパコーヒーを売り物にしていた。個人で長らく営業をしていたが、スターバックスの創業者(3名)の1人Jerry BaldwinはPeet'sで焙煎のコーヒービジネスを学び、出身地のシアトルにかえり、スターバックスを創業したのだ。スターバックスは後に現社長のハワード・シュルツ氏が買収し、創業者の1人Jerry Baldwinは古巣のPeet'sを1984年に買収、社長に就任し現在に至っている。現在は49店舗の店舗をカリフォルニア中心に展開している。

この一号店はまだ、現存しており、ここを訪問すると初期のスターバックスの店舗とそっくりなのに驚かされる。スターバックスは独創的な会社のように思われるが実は、マクドナルドのように創業者から、そのアイディアを買い取り、巧みなマーケティング戦略で店舗展開を成し遂げたのだ。

一号店はUCバークレーのすぐそばにある学生街だ。この周辺には大学教員の住宅や学生達が共同で住むアパートが点在している。バークレーは以前にも申し上げたが米国の新しい息吹を生む出す街で、最先端の流行を生み出している。

「米国のコーヒーのトレンド」

アメリカンコーヒーと言われるように米国のコーヒーショップ(デニーズ、ビッグボーイ)などのコーヒーは、薄くてお茶のように何杯も飲めるのが特徴だった。そのトレンドをちょっと見てみよう。

米国の1人あたりのコーヒー消費は1940年がピークであった。当時、全人口の74.7%にあたる10歳以上の人間は、ひとり1日あたり5杯のコーヒーを飲んでいた。それが60年代になると、1.67杯にまで下がっている。しかし、80年代に入ってから消費量は再び上昇し、93年末には3.7杯にまで戻ってきているのだ。そしてそのうちの30%はグルメコーヒーやフレーバーコーヒーで占められている。

つまり消費量そのものはかつての数字までは至っていないものの、高級化しているのである。米国ではコーヒーに対して金を払わなくなっているといわれるが、それはいままでのような番茶のようなコーヒーに対してであり、おいしいもの、付加価値の高いコーヒーには、それなりの金を払っているということであろう。

コーヒーの消費量が伸びた一因と考えられるものに、アメリカ人の酒離れがある。 米国では飲酒運転の取り締まりが厳しくなっており、かつてほど酒を飲まなくなっているのだ。だから、アルコールビジネス、バービジネスは壊滅状態に近い。しかし、食後に何も飲まないというのはやはりさびしい。だから、酒のかわりにエスプレッソやカプチーノなど、付加価値の高いコーヒーを飲むようになった、と考えられる。

スターバックスのようなグルメコーヒーチェーンは、こうした背景を受けて、10年前からシアトル界隈で偶発的に出現した。チェーンとしては、現在スターバックスの他に、グロリアジーンズ、コーヒービーンズ、パスカ(最近スターバックスに買収されてしまった)、ティモシーズ・コーヒー、チャックフルオナッツ、などがあるが、急成長しているのはスターバックスだけで、それに続くのはグロリアジーンスの200店ちょっと。あとは40―50店舗程度のチェーンにすぎない。スターバックスがダントツの出店力を持っているのである。

利用動機の幅は広い。朝は出社前に飲んでいくお客や、会社で飲むためにテイクアウトするお客であふれているし、夜は夜で豆を買って帰るというお客も多くなる。

中心は朝となるが、基本的には全時間帯稼働できる。やはりドトールコーヒーと同じように、テイクアウトを持っていることが利用動機の多様化につながっているのである。 しかも、こうしたヨーロッパスタイルのグルメコーヒーチェーンのプライスは総じて高い。コーヒー1杯が普通の2倍から3倍に近いプライスになっている。だから利益率は高いはずである。売上高はそれほど高くなくとも、利益率の面では十分な魅力のあるビジネスなのである。

しかも、調理が不要で、コックを雇う必要がない。また、普通のレストランではフロアの人間だけでも何名か必要になるのに比べ、コーヒー店では最大でも4名程度で回せるはずだ。原価率が低いだけではなく、オペレーションコストの面でもメリットは大きいのである。このへんもグルメコーヒーチェーンが注目を集めている原因の一つであろう。

「Peet'sの店舗」

ピーツコーヒーの一号店は写真のようにバークレー大学のすぐそばの角に位置している。濃い木目のヨーロッパ風の外装だ。中にはいると、2つのレジがある。入り口は立ち飲みのコーヒー、一番奥は挽き売りコーヒーのレジだ。元々はヨーロッパ風の深煎焙煎した新鮮なコーヒー豆を売りのが主力のビジネスだが、豆を買う際に試飲して確認できるように立ち飲みのレジを設けたのだ。一号店には立ち飲み用のカウンターだけで、イスはない。コーヒーの他は簡単なペイストリーだけだ。店内のレイアウト、雰囲気は初期のスターバックスとそっくりだ。この店は創始者がオランダ出身なのでやや暗いヨーロッパの雰囲気だが、スターバックスは店内レイアウトは同じまま、内装を西海岸の明るさと、流行のイタリアンの雰囲気をミックスさせ、イートイン用のテーブルを設けたと言う差だ。

最新の店は写真のように海岸よりの高級ショッピングモールに入っているが、やはり角店で店内にはイートインスペースはなく、店外に簡単なテーブルとイスをおいている。 これらの店を見てみるとスターバックスはほとんどのアイディアをピーツコーヒーからもらい、それをどれだけ洗練させるか、客の喫茶店としての需要を満たすために大型化の客席と店内デザインをどうするかと言うことを考え、新に、客にアッピールするようにイメージの強化に心がけたのだと言うことがわかる。

「スターバックスの限界と実験店舗」

スターバックスは2200店舗をこえ、さらにユナイテッド航空の機内食、ペプシとの提携によるフラッペティーノ発売、コーヒー豆のスーパーでの販売、などで露出度が高 すぎ、米国の若者の間でダサい店、行く奴はダサいと言うイメージが出てきた。

今後マクドナルドのように店舗数を拡大するためには、ダサクなったイメージを代えなくては行けなくなったのだ。そのためには大手のファーストフードのようにテレビコマーシャルを使用するか、その他の手段でイメージを変更する必要がでてきた。 そこで、ある実験店をサンフランシスコダウンタウンで開店した。

場所は 2727 Mariposa @ Bryant San Francisco
TEL 415-552-2649 だ。

店名は Circadia という名前で、三毛作を狙った店舗になる。スターバックスと言う名前は一切出さず、イタリアのバールのような形態を狙っている。周辺は芸術家の好むニューヨークのソホーのような環境で、店内には絵を飾ったり、音楽の生演奏ができるステージを用意している。メニューは、コーヒー類のほかにアルコール、サンドイッチ、パニーニ、ピザ、サラダ、スープなどを取り揃えており、朝食、昼食、軽食、夕食、夜食など色々なニーズに応えるようにしている。従来のスターバックスは店内に入った際にコーヒーの香りが充満しているように、加熱調理のメニューをおいていない。ドトールコーヒーが店内に入るとホットドックの匂いで充満しているのと対照的だ。しかし、加熱調理をしていないと言うことは美味しい食事をしたいという客の要望には応えられないと言う欠点でもある。そこで、簡単な加熱調理食品を提供している。勿論流行のイタリアンのパニーニやピザがメインだ。

スターバックスはセルフサービスであり、従来の喫茶店のようにゆっくりとくつろぎたいという要望には応えられない。そこで、この店はテーブルサービスも行い、日本の昔の居心地の良い喫茶店のようにしている。店内はスターバックスのような隙のないモダンな内装とは正反対のヨーロッパ調の古いアンティークを使った、いわゆる昔の日本の純喫茶的な内装だ。店の中央にはステージを設置し、夕方には地元のミュージシャンが演奏をしたり、詩の朗読会などを開き、地元密着型の経営戦略を心がけている。 と言って決して非近代的な経営手法ではなく、店内にはインターネット端末をおいたり、ネットワークで店舗の訴求をしたりと、シリコンバレーを控えたサンフランシスコらしい趣向を凝らしている。

スターバックスのように巨大なチェーンの真似をするのは難しいが、ピースコーヒーやスターバックスの実験店のサーカディアのような喫茶店は、衰退する日本の喫茶店経営者に大きなヒントを与えるのではないだろうか。サンフランシスコは一年中温暖な気候であり、日本からも近く親近感の感じられる町だ。サンフランシスコによったら、これらの喫茶店を是非訪問していただきたい。


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