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米国レストランピリ辛情報 

月刊レジャー産業2007年11月号 NO.493

米国レストランピリ辛情報最終回 ファミリーレストランは蘇るのか?


米国ではサブプライム問題による不動産価格低迷だけでなく、昨年来のガソリン価格の高騰、トウモロコシのエタノール化による穀物相場の高騰、など消費者物価の高騰という問題を抱え、外食産業に売上減という影を落としている。
 その中で元気一杯なのはマクドナルドを筆頭とするファストフード(以下FF)だ。一時はFFの料理は健康的でなく肥満の原因だとか、食品添加物や動物性の油脂やトランス脂肪酸の問題を指摘され、売上低迷の時代を長らく甘受してきたが、最近はサラダや健康的な食材の導入、コーヒーなどの品質の向上などで、挽回しつつある。  
その影響を受けているのはファミリーレストラン(以下FR)だ。2007年7月NRN誌発表の外食企業TOP100社の経営分析を見てみるとTOP100社の売上は1年前に比べ、5.5%の伸びであるのに対してTOP100社にある8社のFRの売上伸びは3/0%と低い。
米国FR大手の創業は古く、業態が陳腐化して将来性がないのではないかという声もある。しかし、FR企業を詳細に見てみると創業1953年のデニーズはFRの中ではトップであり、外食ランキングでは21位だ。しかし、売上の伸びは昨年が2.46%、今年は2%と低迷している。だが、ファミリーレストラン・ランキング2位の創業1958年のIHOP社 (インターナショナルハウスオブパンケーキ)売上伸びは昨年が5.41%、今年が6.96%と伸びている。そして、苦戦していたカジュアル・レストラン最大手のアップルビーズ社を買収すると発表したばかりだ。アップルビーズ社は外食ランキングで10位、年間売上4542ミリオンドルだ。IHOP社は外食ランキング23位、年間売上2105ミリオンドル。両社の売上を合わせると6647ミリオンになり、米国外食企業でマクドナルドに次ぐ3位の地位を確保する大企業となる。しかも、本体で将来400店舗の新店舗を開店すると発表している。
IHOPの成功の要因は、中興の祖のリチャードヘルツアー氏の後をついで2001年にCEOに就任したジュリアスチュアート氏の功績だ。スチュアート氏は16歳でIHOPのウエイトレスのアルバイトを経験し、その後、大学でマーケティングを学んだ後、カールスジュニア、タコベル、バーガーキング、アップルビーズ等を経てIHOP社に招かれた外食産業歴33年のベテランだ。
ではスチュアート氏のIHOP再興の戦略を分析してみよう。米国FR最大手のデニーズは総店舗数1468店舗にたいして521の直営店舗を所有し、直営比率は34%と比較的高い。他のファミリーレストランもファストフードに比べれば直営比率が高い。これが、ファミリーレストラン経営の効率が低い原因だ。ところがIHOP社は以前からフランチャイズ比率が高く99%がフランチャイズ店舗だ。現在は総店舗数1290店舗に対し、直営店舗は10店舗しかない。
IHOP社の従来のフランチャイジーは個人が中心であり、開業がうまくいくように最初は直営店で開店し、順調に推移した後にフランチャイズに売却するというターンキー方式であった。そのため、比較的資本のない個人や移民などのフランチャイジーが多かった。
それに対して、スチュアート氏が2003年に発表した方針がドラスティックだった。従来のターンキー方式を廃止し、法人のフランチャイジーを対象にそれぞれの展開している地域で複数店舗を計画的に開発させるという、エリアフランチャイズ方式を取り入れたのだ。そして、殆どの直営店舗をフランチャイジーに売却し、直営店比率を10店舗にまで絞り込んだ。直営店舗がなくなることで不要になる本社の管理部門の人員を15%削減するなど、本体をスリム化した。
 エリアフランチャイジーは自分たちで独自に開店計画を立てることにより、より積極的に店舗展開を開始することになった。次にIHOP社の将来性を考えスチュアート氏は古巣のアップルビーズを買収し、外食ランキングトップ3位入りを目指しているのだ。
アップルビーズ社は総店舗数1841店舗のうち直営店舗を521店舗も持っている。スチュアート氏(元アップルビーズのUS部門社長だった)は「我々は苦戦していたIHOP社を蘇らせたと同じ洗練された手法、ブランドの復活と運営面の改善、直営からフランチャイズ店への移行による経営面の改善、を用いて劇的な改善をする自信がある。」と語っている。そして、IHOP社がアップルビーズ社を買収する資金源として、将来のフランチャイズ化によるロイヤルティ収入担保や、不動産関連の収入を基に、借り入れを起こすものと見られている。
 不振を極める日本のファミリーレストランもIHOP社の戦略に注目するべきだろう。

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