header Food104 Food104 FSPRO-ML 会社案内 コンサルタント実績 王の経歴 過去の仕事 著作一覧

米国レストランピリ辛情報 

月刊レジャー産業2006年2月号 NO.473

ニューヨークの和食


ニューヨークは和食ブームだ

 日本の外食企業が低迷する中、積極的に米国に進出する元気な企業が目に付くようになって来た。日系人の多いロサンゼルスに進出するのではなく、一気に米国経済の中心地、ニューヨーク・マンハッタンに進出している。
筆者がニューヨークを観察しだしてから30年ほどになる。80年代には日本の景気絶好調にともなう日本人駐在員を目当ての高級なすし屋などが多く開店していたのだが、日本のバブル崩壊に伴い撤退せざるを得なくなった。
 その日本食に再度脚光を浴びせたのが1990年代にロサンゼルスで大人気となったMATSUHISAだ。MATSUHISAは俳優のロバート・デニーロと組んでトライベッカにNOBUを開店し、爆発的なブームを引き起こした。料理の鉄人と言う人気テレビ番組で3代目の和の鉄人を務めていた森本氏が調理長を務めていたお店だ。
 NOBUの功績は寿司や和食のアレンジメントだ。オーナーシェフの松久さんは東京の寿司職人で、その後、米国と中南米で苦労を重ねた。そして編み出したのが、米国人に食べやすい味付けとコース仕立ての寿司懐石だ。魚の宝庫ペルーで寿司屋を経営し、セビーチェなどのペルー風の味付けを学んだ松久氏の醤油だけでない寿司への多様な味付けが米国人に受けたのだ。そのNOBUに学んだルビー・フーは更に中華料理と寿司の組み合わせ等、米国人向けのお店作りに成功した。それら人気店の努力のおかげと、最近の健康食ブームで、寿司をアペタイザーとしてメニューに載せるレストランが増加している。
 今や高級惣菜店のディーン&デルーカやオーガニック惣菜店のホールフーズでも寿司は必要不可欠だ。ホールフーズの寿司はなんと玄米を使っている。米国人にとって寿司で使っている米は野菜にあたるのだ。
このような和食ブームはバブル以降の日本の経済状態低下と反比例しているのが面白い。以前から日本食は健康食として認識されていたのだが、日本の経済の強さと輸出の多さに反発をして、一部の人しか食べなかった。しかし、日本の経済的な存在感が薄くなるにつれ、米国人は抵抗なく日本食を楽しむようになってきたのだ。
この成功に刺激され、2つの和風居酒屋業態がニューヨークに開店した。BYOが展開する女性に大人気のえんと、比内鳥の焼き鳥で有名になった今井本店を経営するフードスコープのMEGUだ。
 着工から完成まで2年をかけ2004年3月にトライベッカに開店したMEGUの内装は、ファッショナブルなレストラン設計を手がける森田恭通氏のデザイン。客席中央には内側が赤く染められた大きな梵鐘がシャンデリアのようにつり下がり、下には赤い花ビラが浮かんだ池に氷細工の仏陀がでんと座っている。その奥には赤い背景の寿司バーが妖しげな和風の雰囲気をかもし出している。
料理も負けていない。米国では体に良いと枝豆がブームで、MEGUは大きな器に敷き詰めたクラッシュアイスを下からブルーの照明が、枝ごと差し込んだ枝豆を照らし出すなどの演出に凝っている。値段を見ると更にビックリ、なんと20ドル近くもするのだ。
銀鱈西京焼きの味付けは甘めで、米国人の好みに合わせている。事前にかなり米国人の嗜好を調査研究しているのだろう。その他の料理も凝りに凝って、料理が出ると米国人の間から歓声が上がる。ある焼き物を注文したのだが、真っ赤な備長炭を持ってきて、目の前で焼き目をつけるサービスをし、客に感動を与える。
このように完全に米国人をターゲットにした盛り付け、味付けだが、サービスも洗練されており、ニューヨークの金持ちや有名人も満足するだろう。客単価はNOBUよりも若干高めの150ドルほどだ。コース料理は120、150、180ドルだから、それに日本からの銘酒を加えると場合によっては300ドルを超える価格帯になる。ウオール街などを近所に持つこの店の顧客はかなり裕福なのだろう。
さて、9ヶ月ほど前にソホーに開店したえんはMEGUと対照的だ。設計は汐留の和食えんを設計したベテランの佐藤一郎氏。見覚えのある欄間がアクセントとして使われており、和洋折衷の落ち着いた内装だ。一階入り口には広いバーがあり、日本酒を保管するガラス張りの冷蔵庫の奥に客席が広がる。その他、一階には座敷の個室が3部屋、2階には大正ロマンのイメージの3部屋があり、接待などに落ち着いて利用できる。
MEGUはグループ客が多くわいわいがやがやした雰囲気だが、客席の間隔を広めに取った「えん」は落ち着いて食事ができる。ゆったりと取った客席の奥にはオープンキッチンが広がり、元気な料理人の声が聞こえる。料理は日本のえんをベースにしており、日本人にはなじみやすい料理でほっとする。客単価は60ドルほどとリーズナブルだ。

この対照的な両店舗をニューヨークっ子が今後どのように評価するか注目されるだろう。2店舗を見学していたら、トライベッカに赤坂NINJAが2005年9月末にひそかに開店した。元々、ニューヨーク、ロンドンなどをターゲットに開発したテーマレストランだが、ニューヨークでどんな評判を呼ぶのか楽しみだ。

○店名 MEGU 
住所 62 Thomas Street New York, N.Y.10013
電話 212-964-7777
HP http://www.megunyc.com/top.html

○店名 えんEN
住所 435 Hudson Street New York N.Y.10014 
電話 212-647-9196
HP http://www.enjb.com/

以上

HomeIndex

           
会社案内
コンサルタント
王の経歴
著作
セミナー
通信教育
           
王利彰への、ご意見ご要望はこちらへご連絡下さい。
その他ご質問・お問い合わせはこちらからお願いします。
Copyright(C) Sayko Corporation. All Right Reserved.