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米国レストランピリ辛情報 

月刊レジャー産業2005年12月号 NO.471

ニューヨークの中食


ニューヨークの中食に激変か?

 ニューヨークはお惣菜,いわゆる中食業態発祥の地だ。総菜屋(デリカテッセン)を作ったのはドイツ系のユダヤ人の人たちで、デリカテッセンの元祖がKatz Delicatessenだ。コーシャ・ビーフ・ソーセージを使ったホットドックからスタートし、現在はパストラミやコーンビーフ・サンドイッチなどのホットサンドイッチもある。フレッシュ・ピクルスでビールを一杯やりながら食べるパストラミサンドイッチは私の大好物の一つだ。古い老朽化した店舗だが、歴代の米国大統領や有名人が訪問した記念写真が店内壁面に飾られており、人気のあるデリカテッセンだと言う歴史を物語っている。ユダヤ系のデリカテッセンはコーシャフードと呼ばれユダヤ教に基づき厳格な管理と祈りとともに提供されるため、高価ではあるが安全で品質が良い。また、牛肉関係の仕事に従事している人が多い関係からも、米国の高品質なデリカテッセンはユダヤ系の経営者が多い。マンハッタンでも有名なゼイバーズはその典型的な店舗で、肉だけでなく、ドイツ系の人たちの好きなスモークサーモンや鱒が大量に陳列され、試食しながら品定めをする客で行列だ。
ニューヨークにもう一つ多いのがイタリア系の総菜屋だ。イタリア人の移民が多くイタリア人のお母さんは料理が上手だと言うイメージがある。また、イタリア系の米国人は漁業についている人が多い関係からも、デリカテッセンを経営するイタリア系の人たちが多い。有名な店舗は日本にも開店しているディーン&デルーカだ。ニューヨークのデリカテッセンはユダヤ系かイタリア系でないと繁盛しないと言うイメージがあり、街の中には美味しいデリカテッセンが軒を連ねている。
HMRと言う言葉を作ったフィル・ロマーノ率いるEatz'sもタイムズスクエアーのメイシー百貨店と郊外に2店舗を開店したが、あっという間に撤退せざるを得なかったほどだ。
日本でもそうだが、惣菜や食品はローカルな嗜好が強く反映するために全国展開している食品スーパーや総菜屋はなかったのだが、2004年に惣菜屋激戦地ニューヨークにオーガニック食品スーパーのホールフーズWhole Foodsが進出し、すでに4店舗を開店して大成功を収めている。その最新の店舗がユニオンスクエアーに開店したので見学に行った。
ホールフーズはオーガニックの素材が売り物だが、垢抜けた内装と、店内調理の惣菜の美味しさ、甘くない自然な味のケーキ類でカリフォルニアでは大人気で、保守的な中西部のシカゴにも展開している。
ユニオンスクエアーの店舗はコロンバスサークルのお店よりも小型で、地下1階、1階、地上2階の3層の建物を使っている。一階は出来立ての惣菜類を並べており、その種類と陳列の豊富さではサンフランシスコ・ダウンタウンの大型店をしのいでおり、3倍ほどの陳列量だ。これはニューヨークのデリカテッセンに対抗するためだろう。地下1階には生鮮食品を並べているが、地価の高いニューヨークなので陳列棚を高くしてスペースを稼いでいるので、やや圧迫感を覚える。感心したのは住民の嗜好を徹底的に調査していることだ。カリフォルニアの店舗との違いを見てみると、ドライフルーツやシリアル、ビタミン類などのサプリメントの陳列が少ないことだ。その代わり、新鮮な魚や肉の陳列量を多くしている。
他の都市の店舗との最大の違いはイートインスペースの規模の大きさだ。2階は200席ほどの客席とカフェ、ジュースバーを用意し、1階で購入した惣菜や料理に加えて飲み物を買い、ユニオンスクエアーを見下ろしながらゆったりと食事をすることができる。この巨大な客席はレストランに取っては脅威だろう。
ニューヨークのマンハッタンは米国でも最先端でファッショナブルな街というイメージがあるが、食の世界では案外保守的で、新規参入が難しい町だ。外食産業ではマクドナルドやバーガーキング、ダンキンドーナツなどのファストフードはマンハッタンに店舗を構えているが、カジュアルレストランチェーンはニューヨーク出身のTGIフライデーズ以外は出店していない。郊外にはそれらのチェーンレストランがあるが、マンハッタンに住む人々はファストフード以外のチェーンレストランが嫌いなようだ。マクドナルドもマンハッタンではその食に対する特殊な嗜好を考慮せざるをえないほどだ。
マンハッタンの人はホットドックはマスタードだけ、ハンバーガーはケチャップだけ、の味付けにしないと食べない。そのためマクドナルドではワールド・ワイドス・ペックと言う厳格な基準に基づき一定量のケチャップとマスタードを使わなくてはいけないハンバーガーでもマンハッタンではマスタードを入れないのだ。
そんな保守的な街に溶け込むためにホールフーズは徹底的な嗜好調査を行ったようであるが、マンハッタンで受け入れられた理由がもう一つあったようだ。それが、従業員にとっても働きやすい環境づくりだ。フォーチュン誌では7年連続「Best Company to Work for」(優良企業100)に選ばれていることだ。この従業員を大切にすると言う姿勢が保守的なマンハッタンのオフィスワーカーや住民に受け入れられたのではないかと筆者は観察している。ニューヨークを訪問した際には是非、地元のデリとの比較をして見よう。

○店名  Whole Foods Market
住所 4 Union Square South
   New York, NY 10003

電話 212-673-5388

HP  http://www.wholefoodsmarket.com/stores/list_NY.html

以上

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