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米国レストランピリ辛情報 その32

月刊レジャー産業2004年4月号 NO.450

アメリカ外食の新潮流Fast-Casualの動向 ファースト・カジュアル日本進出失敗の原因

米国人にとってサンドイッチはお握りやお弁当のような日常食だ。米国人の朝は日本よりも2時間ほど早い。家で朝食を取る時間がないので、朝食をコーヒーショップやファーストフードでたっぷりと食べる。昼の休憩は30分ほどしかないのが通常であり、持参したサンドイッチとポテトチップ、コーラというのが一般的な昼食だ。朝が早いので昼飯も外食となるのだが、30分では外に出かけられない。そこで、会社の都中のサンドイッチショップでサンドイッチを買い求める。サンドイッチと言っても四角い食パンのサンドイッチではなく、サブウエイのようなサブマリンサンドイッチ(コッペパンのような形状のパンを言う)を買い求める。時間が経ってから食べるので、野菜とソーセージやハムなどを挟んだ冷たいサンドイッチだ。


従来のサブウエイなどのサンドイッチは労働者向けの低価格が売り物であったが、健康志向のファースト・カジュアルの影響をうけ、労働者向けだけでなく、高級な食材を使った、サンドイッチのチェーンが展開を開始している。

5年ほど前にその成功ぶりを見た日本人駐在員が米国のサンドイッチ・チェーンに掛け合い、日本でチェーン展開を開始した。ファースト・カジュアルのブームを先取りしたなかなか先見性のある判断だった。一号店は都心山手線駅前に開店し、大繁盛だった。契約をしたのは米国チェーンが800店の頃であり、3年で10店舗を展開したが、その時点で何と8億円の負債を抱えてしまった。

 

その原因は

1)絶対に儲からない仕組み

<1>出店契約の縛り
契約は3年以内に10店舗を開店するという無理な内容だった。あまりに短期間の出店は売上が予測を下回り、平均売上が250〜300万円と言う悲惨な状態だった。
サンドイッチなどのパン食は米を主食とする日本人にとって必要不可欠な食事ではない。最初のうちは売上が低いので、口コミやパブリシティなどでじっくり店舗展開をしないといけない。もし、短期間で展開するにはファースト・フードのように莫大な費用を使ってテレビコマーシャルを打たなければいけない。つまり、当初に無理な出店計画を契約に入れてはいけないと言うことだ。

無理に展開をして、販売促進などの売上促進策のバックアップがなかったために出店5年目にして既存店の売り上げが低下するという悲惨な状況となってしまった。

<2>利益構造
サンドイッチのパンを供給するパン工場が必要だ。日本の場合さて、パン工場は寡占化しており、販売店よりもパン工場の方が強い立場にあり、パンの仕入れコストは大変高い。使用する具材のコストを考えると肉などのタンパク質よりも野菜が高いのだ。米国は農業国であり、南米まで含めると年間を通じて豊富な野菜を安価に供給できるが、島国の日本の場合コストが高くなる。その結果食材原価が40%、人件費35%と、常識的な数値を15%越えていた。

もう一つの問題は契約金が2億8000万円と高価であったこと。サンドイッチェーン展開であれば、契約金は1億円程度である。そして、ロイヤルティの7%は、米国には約3%を支払い、日本の会社は3%をとる。残りの1%は日本人創業者の米国法人が受け取るという仕組みだ。このロイヤルティの高さが致命的だった。
ちなみに日本マクドナルド社の米国へのロイヤルティは創業後30年間、たったの1%だった。それが日本マクドナルド社の財務基盤を盤石にし、外食産業ナンバーワンの位置に着けた理由だ。

<3>不動産の失敗
 5年で破綻させた最大の原因は不動産に対する知識のなさだ。1号店は好立地であったが、残りの店舗はことごとく失敗した。その契約内容を見て驚いたのだが、不動産の知識が欠如していることだ。通常の不動産契約は、賃貸借契約であり、期限を定めて借りる。通常は坪当たり、2〜3万円の家賃とその10ヶ月分の保証金を積む。借手としては保証金を積むのであるから、契約期間内は退去の必要がない。もう一つの契約は期限を定めない業務委託契約だ。これは百貨店などのショーケースを借りた販売契約で、期限を定めない契約であり、オーナーはいつでも退去を要求できる。その代わり、保証金は不要であり、家賃は売上歩合となる。

 ところが、外部の不動産担当者は業務委託契約でありながら、保証金と固定家賃の契約にしてしまった。しかもある2店舗は50mも離れていない場所であった。こんなひどい出店のやり方ではあっという間に赤字は累積する。
5年後には既に8億円以上の累積赤字となってしまい、日本からの撤退を余儀なくさせられてしまった。しかし、本国のチェーンはまだまだ、急成長しており再度の日本上陸を狙っているようだ。

 


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