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米国レストランピリ辛情報 その30

月刊レジャー産業2004年2月号 NO.448

アメリカ外食の新潮流Fast-Casualの動向 その7 アメリカ外食の新潮流 Atkins Diet

ファースト・カジュアルのメニューが与えるレストランへの影響

LA旅行中の友人から興奮したメールをもらった。「IN&OUTでプロテインという名前の裏メニューを販売している。メニューボードは勿論、店内に一切表示はないが、レジで注文した人に限って販売をしている。」と言う情報だった。写真を見ると、通常、焼いたビーフパティをバンズでサンドイッチする替わりに、レタスで巻いているものであった。中華料理でレタスリーフに調理した鳩の胸肉とソースを混ぜて食べる料理があるが、そのハンバーガー版だなとその時は思った。

先月号でご紹介した、Pei Waiの人気メニューをコピーしたのかと思ったのだ。
ところが、ハンバーガーチェーンのHardee's(ハーディーズ)社が昨年12月15日に、新商品のLettuce-Wrapped Low Carb Thickburger(TM)を発表した。肉のサイズは1/3ポンド、1/2 ポンド、 2/3 ポンドの3種類で「Thickburger sandwiches」と名付けられバンズの代わりにレタスで巻いているものだ。
http://www.hardees.com/hotstuff.cfm

「お洒落な食べ方がはやりだしたな。やはりカリフォルニアの外食は格好良いな」と思っていたのだが、Low Carbと言う言葉に目が留まった。よくよく調べると、Atkins diet(アトキンス・ダイエット)だと言うことが判明したのだ。

現在米国では、約3,200万人の人々がアトキンス・ダイエットというダイエットを試みていると言われている。その消費者の動向に敏感に反応したのが、日本にも進出している、T.G.Iフライデーズだ。2003年12月にTGI社はAtkins社とパートナーを組んでメニュー開発を行うと発表した。最初に開発したメニューは2種類の前菜、ほうれん草のディップとバッファローウイング。そしてメインディッシュは、ブルーチーズソースのニューヨークステーキ ブロッコリー添え。チーズバーガー、チキンとブロッコリー、炭焼きサーモン、ツナサラダラップ、等だ。米国料理に付き物のベイクドポテトやフレンチフライは付いていないが、肉や鶏魚やブルーチーズなどをたっぷり使った料理の何がダイエットなんだと疑問を抱かせられだろう。
http://www.tgifridays.com/menu/healthymenu.htm

 アトキンズ・ダイエットとは、米国生まれでコーネル大学で医学博士号を取ったAtkins博士(1930 - 2003)が考案した。博士は心臓病を専攻しており、6500人の患者を取り扱った経験から、効果的なダイエット方法が心臓病を防げる思い独自のダイエット方法を編み出した。

博士は「人間のエネルギーは炭水化物 (carbohydrate) から作られるグルコースと脂肪 (fat)の2つのエネルギー源から作られる。一方のエネルギー源をなくしてしまえば、もう一方のエネルギー源が完全燃焼する効率が高くなり、肥満の元である使われないエネルギーがなくなるはずだ」と考え、「炭水化物の摂取をできるだけ削除する」というダイエット方法を編み出した。

この方式では、従来のダイエット方法では摂取が制限されていた肉や魚、チーズや卵などの高タンパク、高脂肪のものを中心に食べて、メインのエネルギー源とする。従来のダイエット方法で摂取が推奨されている、ごはんやじゃがいも、パン、パスタなどの炭水化物は制限する。このため、このダイエット方式は、Low carbohydrate diet(低炭水化物ダイエット)と呼ばれるようになった。日本では「低インシュリン・ダイエット」という名前でも呼ばれている。
http://www2.plala.or.jp/eddie/slim1/sl114.htm

 ベジタリアンやカロリー制限などの禁欲的なダイエットは長続きせず、ダイエットをやめたときのリバウンドが多く、大量に食べるのが好きなアメリカ人に取って大きな問題となっていた。肉好きなアメリカ人にとって、アトキンス博士の提唱する肉やバター、チーズ等を食べて良いというダイエット法は魅力的であり、外食企業にとってもベジタリアンメニューよりも採用が容易で利益率が高いと言う背景があったのだ。

IN&OUTの「プロテイン」という名前の裏メニューと言う情報を聞いて、格好の良いカリフォルニアらしい食べ方だなと思ったが、これはファースト・カジュアル業態の健康志向メニュー開発に対抗する手段の一つだと言うことなのだ。
もう一つ注目しなくてはいけないのは、ダイエットメニューが出てくると言うことは米国外食業界が低価格戦争から、品質の競争に入ってきたということだ。BSEの激震に追われている日本も、一段落したら低価格戦争から脱出するべく品質向上を考える時期に来ていると言えるだろう。

 

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