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米国レストランピリ辛情報 その22

月刊レジャー産業2003年6月号 NO.440

ニューヨークのフレンチ ダニエル

ニューヨークのフレンチ ダニエルと市民の衛生に対する意識

http://www.danielnyc.com/
60 East 65th Street
New York, NY 10021
Tel 212 288 0033
Fax 212 396 9014

数多くの有名レストランガ鎬を削るニューヨークで生き残るには有名なシェフと料理だけでなく、色々な話題作りが重要になる。ニューヨークのトップフレンチの位置を占めるダニエルの繁盛を支えるもう一の秘密を見てみよう。

 筆者がニューヨークを訪問する際には何時も最新の店舗や話題の店舗を見学するために同じお店は殆ど訪問しないが、別格なのはダニエルだ。店舗を現在の場所に移動する4年ほど前に初めて訪問した。ディナータイムのピークに無理を言って予約を取り食べ始めた、小さな古いお店だった。食事を食べ終えデザートタイムにオーナーシェフのダニエルが各テーブルを回ってきた。初めて会う筆者は話をしながら、「厨房を見せて欲しい」と無理なお願いをした。ディナータイムのピーク時には混乱をしている厨房を見せたくないから、当然断ると思って意地悪な質問をしたのだ。ところが、ダニエルは平然として、どうぞとそのまま厨房に案内してくれた。古い店舗であったが、ピーク時に関わらず、厨房は整然とし、床にゴミ一つ落ちていない。従業員は突然の闖入者に対しても丁寧に笑顔の挨拶を振りまいてくれる。

その後1年ほどして新店舗に移転した知らせが入った、新店舗はあっという間にニューヨークのトップフレンチの座を確保すると同時に、厨房業界で大きな話題を呼んだ。相変わらずクローズドキッチンだが、見事な厨房デザインは厨房専門誌のカラーグラビアを飾り見学者が行列を作ったのだった。
http://danielnyc.com/daniel/kitchen.html
HPでキッチンの写真を8枚公開しているので、その見事なデザインと思い入れを見てみよう。

 ニューヨークを訪問する際には見逃せないと早速新店舗を訪問した。旧店舗の狭い古い店とは大違い。ホテルの1階を改造し、オペラハウスのように見事な店を作り上げた。料理もより美しく、ヘルシーに仕上げている。デザートを食べ始めた頃、ダニエルはテーブルを回ってきた。「厨房を見せて」とお願いすると、そのまま見事な厨房を誇らしげに案内してくれた。彼が厨房に立って調理をする以外の時間を過ごすオフィスは中二階にある。そのテーブルに座り目を上げると、ガラス越しに厨房全体が見渡せるようになっている。彼の「デスクワークをするときでも厨房を見ていたい」と言う我が儘を聞き入れたデザイナーが作り上げたドリームキッチンなのだ。

 米国でも日本と同様に病原性大腸菌o-157に起因する食中毒が大問題を引き起こし、その後、ノーウオークウイルス(小型球形ウイルス)による生ガキの食中毒などの新型菌続出で、消費者のレストランに対する不信感が高くなっている。テレビ番組がレストランや食品スーパーの不衛生な調理場を放映し大問題を呼ぶようになった。消費者は客席から見えない調理場では何をしているかわからないと言う不信感を抱くようになっているのだ。

日本の行政は産業保護の方が優先する傾向にあるが、米国は消費者の権利意識が高く消費者保護の法律や条令が多く施行されている。また、消費者は行政に頼るだけでなく、自ら安全性の追求を行い、民間の組織で、コンシューマーレポートという雑誌を作り上げた。http://www.consumerreports.org/
この雑誌は消費者が購入する家、車、家電製品、サービス、食品、レストランなど幅広く品質や安全性の公平厳格な評価をしている。食品の場合は鶏や牛肉の最近汚染の調査や、レストランはサービスや衛生面の評価を行っている。

このように消費者は食や健康の安全を守るために、正確な情報公開を政府や地方公共団体に厳しく要求する。数多くのレストランを抱えるニューヨーク市にもその消費者からの情報公開の要望が数多く届くようになり、市は保健所が実施するレストランの衛生監査を市民一般に公開するようになった。
http://207.127.96.244/scripts/webfood.pl
このHPを筆者は裏ZAGAT http://www.zagat.com と呼び、ZAGATでレストランの表の評価をチェックした後、見えない衛生面のチェックをして訪問するようにしている。(今回チェックしたらダニエルの評価が以前より下がっていたのは残念。日本食の最高峰NOBUの評価は以前最悪だったが今回は全く問題ない。)

情報装備をした厳しい消費者の目に応えるためにはレストランはオープンキッチンにして調理工程を全て見せたり、ダニエルのように客が希望したらキッチンツアーをその場で実施するようになっているのだ。有名レストランを訪問する際には、コンシューマーレポートや保健所の評価を事前に目を通しておくのも別格の味わいだろう。


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