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月刊レジャー産業資料

ショッピングセンターにおける飲食施設の最新動向



ショッピングモールにおける飲食施設は2つの性格がある。1つは顧客がショッピングに専念できるように、空腹を満たす食事を提供するというサービス的な位置づけ。もう一つは人気レストランを入れ買い物客以外の顧客を導入し、ショッピングモール自体の人気を上げようと言う顧客動員タイプだ。

では、日米における幾つかの実例を見てみよう。

<<米国の場合>>

1)サービス提供型のフードコート

<1>都市型ショッピングモール

30年以上の歴史を持つシカゴダウンタウンのウオータータワーショッピングモールは2つの百貨店とホテル、をキーテナントに持つ大型高層ビル型ショッピングモールだ。

http://www.shopwatertower.com/

このビルの上はオフィスや住宅街になっており、住民や利用客の客層のレベルは高い。マクドナルドなどのファーストフードは古くからあるが、10年ほど前から顧客層に会うフードコートFood Lifeが中2階に開業し大人気だ。このフードコートは本誌2月号で紹介したシカゴに本社をもつ、Lettuce Entertain You Enterprises社が経営している。

マクドナルドのような一般的なファーストフードではなく、流行のお総菜店舗、ジューススタンド、スターバックスのような洒落たコーヒーハウス、手作りピザパスタ、モンゴリアンバーベキュー、中華焼きそば、テックスメックス、等の個性的な店舗をフードコート形式で運営している。顧客は入り口でカードを渡され、各店舗で料理を受け取る際にそれに入力してもらい、帰る際にレジで一括精算する。

サンフランシスコ市内にあるメイシーズ百貨店は3年ほど前に地下フードコートをリニューアルし、洒落たフードコートに仕上げた。ブランドファーストフード店は全く入れず、LAの高級レストランSpargo のカジュアル版のWolfgang Puck とJamba Juiceを中心に、その他ベーカリーのBoudin Sourdough Bakery、鮨、クッキーの個性的な店舗でフードコートを形成している。

<2>郊外クローズドショッピングモール

サンフランシスコ郊外の(シリコンバレー中心地)のヴァレーフェアーショッピングモール http://valleyfair.shoppingtown.com/ は昨年フードコートをリニューアルした。

安っぽい内装のフードコートではなく天井を高くし太陽光をふんだんに入れるようにした。客席中央には大型の暖炉を入れてさらに高級な雰囲気を盛り上げている。ブランドファーストフードが中心であるが、以前よりもトレンディーな店舗に入れ替えている。 

<以前からある店舗群は>

<新しく入った魅力のある店舗は>

Great Kahn's Mongolian Festivel
シカゴのレタスエンターテイメントがシカゴウオータータワーのフードコートFood Life と同様にセルフサービスで取った野菜と肉、ソースを丸いグリドルで、目の前で焼いてくれる演出効果が高いお店だ。このスタイルは日本では改装前の博多のグランドハイアットでやっていた。

Jamba Juice 
新規の出店です。フードコートで一番人気だ。ジューススタンドなどのガスなどを使わない人気業種はアイランド式にして、客席の間に点在させ、全体に躍動感が出るような工夫を取っている。 

2)顧客動員力を持つ有名レストラン

ショッピングモール自体の競合が厳しくなってくると、ショッピングモール自体の魅力を出すために、有名レストランを入れ、顧客動員を図るようになる。当初はショッピングモール周辺に有名レストランを配置しモール全体の魅力をつなげるようになったが、有名レストランを目指してきた顧客をショッッピングモールに導入するためには、ショッピングモール自体に併設する方が良いという考え方が出てきた。最近では、ショッピングモールのメインの入り口に有名レストランを設置し、積極的にアピールをするようになっている。その場合には同一建物内ではあるが、外部から目立つように、レストランの看板、屋根型、特徴のキャラクターなどを目立つようにしている。

シリコンバレー・ヴァレーフェアーショッピングモールは現在規模を拡大し地元最大のショッピングモールとなろうとしている。キーテナントのノードストロームの規模を倍増させるに従って、レストラン街も増設している。カリフォルニア地区のショッピングモールで人気のあったサラダとスープのビュフェ・Fresh Choice  もイメージの老朽化から撤退させ、より高級な店舗に入れ替えつつある。7〜8年前にはCalifornia Cafeが開店し人気が出ると,その前にCrocodile Cafe  と言うカジュアルイタリアンを開店。次には米国sushiブームにのりsushi boatという回転鮨、日本の山崎パンが経営するGrain d'orと言うカフェベーカリーを開店した。今回のリニューアルでは、California Pizza Kitchen とスターバックスを開店させ、ノードストローム入り口にあったスターバックスとの提携のコーヒーショップを閉店し、独自にグルメコーヒーとスムージーの組み合わせのeBARを開業した。次にはCheesecake Factoryが開店予定だ。Cheesecake Factoryは1店舗当たりの平均売上が980万ドルと米国で一番高いチェーンだ。 チーズケーキと言う店名だが、カジュアルレストランのジャンルに入り、ボリュームたっぷりのパスタ、サラダ、肉料理などで大人気だ。

ショッピングモールに入居させる有名レストランは売上が高いだけでなく圧倒的な人気で顧客を動員できなければいけないと言う意味ではこのレストランは現在最強だ。

<<日本の現状>>

1)都市型ショッピングモール

<1>渋谷パルコ

競争が激化している渋谷で2001年11月30日にパルコはレストラン街7,8階を Dining Gardenと銘打って大改装した。

http://www.parco.co.jp/shibuya/dining-garden/

それぞれ、意欲的なお店だが西武のセタンジュと同じく、若者が多い渋谷の町にはちょっと客単価が高すぎると言う欠点がある。そのため、一番入っているのは価格がリーズナブルでメニューがわかりやすい池記、次は居酒屋のDenだ。 リンガーハットの新業態 池記は香港の繁盛店と提携したエビわんたん麺が売り物の中華料理だ。

2)郊外クローズドショッピングモール

<1>港北ニュータウン

郊外型のショッピングモールとして港北ニュータウンモザイクモール 阪急百貨店を見てみよう。最上階にはグローバルダイニング社のイタリアンのラ・ボヘムを入れている。同店は東京白金に一軒家として経営し、大人気となっている超有名店で、阪急では最上階の駐車場から直接入れるようにして、独立店のイメージを出している。この超繁盛店を入れ、百貨店の顧客動員力につなげようと言う趣旨だ。

http://www.global-dining.com

グローバルダイニングは2002年2月にブッシュ大統領が小泉首相と西麻布の居酒屋で会食をした際に、同社の和食業態、権八が会場として使われ一躍マスコミで有名となっている、カジュアルレストランの有名企業だ。

郊外と言うことで当初は子供向けにプレイランドを置いていたが、子供二人気がありすぎて店内で飲食していると保育園や幼稚園で食事をするようにやかましく、数ヶ月後にはプレイランドを廃止した。

白金のラ・ボヘムは営業時間も長く、月商1億円に行こうかという超繁盛店だが、阪急の最上階であり、建物外部から全く店舗が見えないと言う視認性の問題があり、不振であり、ショッピングモールへの顧客動員力という意味ではまだ成功していない。

グローバルダイニング社は、その1年後に、港北ニュータウンそばの、たまプラザ駅前に独立型の東南アジア料理店、モンスーンカフェを開いた。同店は独立型の大型店で、広大な駐車場を設置、かつ大変目立つユニークの外装のため、開業当初から大繁盛している。

それを見ると、郊外のクローズド型のショッピングモールに繁盛有名店を入れる場合には外部からかなり目立つ工夫をしないといけないと言うことだろう。

グローバルダイニングは同じくお台場のメディアージュに自社の4業態を経営しているが、ここもビル外部から見えず、内部の通路も迷路のようになっているという構造から苦戦をしている。

<2>やまとオークシティ 2001年12月開業

http://www.yamato-oakcity.com/

神奈川県大和市下鶴間1丁目2番1号

イオンとイトーヨーカ堂が同居する巨大なショッピングモールで、外食もユニークな業態を入れている。

<イトーヨーカ堂の外食部門は>

1階のフードコートがユニークで、大盛況だ。フードコートと、通路を挟んでレストランが並んでいる。

フードコートは

栄蔵のカレーパンで行列ができ、ビビンバ大王の石鍋ビビンバが大人気だった。

レストラン街は

この分野では大戸屋さんが大人気で、次に回転鮨の沼津港だ。

2階には

イオンに入居の外食は

1階に

2階は

3階に

繁盛しているのは2階のカプリチョーザとにんにくや、麻布茶房であり、理由はイトーヨーカ堂との連絡通路にあり目立つと言うことだろう。ショッピングモールでの飲食店の配置は導線計画を慎重にする必要があるのだ。

さて、イオンでは都心の大繁盛店を入れるという実験を行っている。カーディナスと言うチェーンのカリフルニアグリルと言う業態だ。カリフォルニア料理で、恵比寿や西麻布銀座にフミーズグリル、カーディナスグリル、カーディナスシノワ、カーディナスオーシャン、等の超繁盛店を経営している。価格もリーズナブルで大人気のレストランだ。

http://www.cardenas.co.jp/

場所は1階のスターバックスの横で、隣には紅虎餃子房がお店を構える場所だ。夕方の6時頃に訪問したが、100席ほどの客席に客は4名ほど、1時間ほどいて、帰る際に4名ほど入ってきただけと言う不振ぶりだ。入り口は、古き砂金の時代のカリフルニアをイメージして、恵比寿のZESTのように古ぼけたトタンを使ったお店だ。天気が温かくなれば、入り口横の客席はオープンテラスになるが、今は寒いので、ビニールシートで覆いをしている。何と入り口にはファミリーレストランのように垂れ幕をおき、メニューをカラー印刷、また、お子さまメニューのサンプルも陳列。他に柴田書店で出した、融合と言う本を並べ、カリフォルニア料理は何かを訴えている。どうも、カリフォルニア料理とは何か分からないのが問題のようだ。メニューはフーミーズよりも遙かに安く、アペタイザーで700円から、パスタも700円が中心、料理は1200から1400円、デザートは450円ともの凄いお値打だ。ワインもフランジアを400円で提供するなど価格面の工夫を凝らしている。サービスはなかなか良いのだ。かなりお得なメニューなのですが、どうも地元の理解はないようだ。

隣にある紅虎餃子房は40名ほどの入り。そのとなりのベストロケーションのグルメドール(生きている化石のFR)はわかりやすいためか、ウエイティングが出る繁盛ぶり。

際の中島社長は「ショッピングモールの外食は個性が必要な時代だけど、何を売っているか明確に分からないといけない。紅虎は中華と明確に分かるので良いけれど、カーディナスの場合にはカリフォルニア料理がなんだか分からないので苦労しているだろう」と言っていたが、全くその通りの状況だ。

<<日本のショッピングモール内飲食施設の今後>>

都心のショッピングセンターはそろそろ世代交代に来ている。二子玉川高島屋ショッピングセンター等もそろそろ開業30年で、リーシングの更新時期に来ており、この時期にテナントの見直しが始まっている。食品や外食売り場のプロディーサーの方に聞いたら、「30年も経過すると時代に全くあわない売り場が残っている。そこで、全て見直しを行う予定だ。今後古いショッピングセンターのリニューアルでは大胆な売り場の更新を見ることになるだろう。」と言っている。

その方は新しいショッピングセンターでは都心の大型ビルの再開発も手掛けており、「それは面白いお店を入れるよ」と言っている。「勿論個性店と言ってもマクドナルドやKFCなどのファーストフードが不要なのではなく、ベーシックなお店として必要ではあるが、全部の外食がチェーンで他のショッピングセンターと同じでは差別化出来ないのだ。個性的な外食店とは、普通は1000円の料理を800円で出すという、価値観を提供しようという信念を持っている経営者がいるかと言うことだ。そのため、店舗を選ぶ時には経営者との面談を重視する。」と選別のポイントを語っている。ショッピングセンターのテナント選別、育成には日頃から気を配っており、新業態などの開店レセプションには必ず顔を出し、新しいコンセプトには気を配っている。

フードコートでも従来のようなブランドファーストフードだけでは物足りないと新しい動きが出ている。紅虎餃子房などのフルサービス業態を手掛ける際コーポレーションは、 現在、東京木場のイトーヨーカ堂前の再開発ビル内のフードコート全体のプロデュウースを請け負い作業中だ。同社は、中華料理でも高級な中華からカジュアルな麺店まで手がけ、さらに、中華以外で和食、イタリアン、フレンチ、スペイン料理、ハンバーガー、ステーキ、カレー、等の業態を開発済みで、それらを組み合わせユニークなフードコートを作ろうとしている。日本でもシカゴウオータータワー内のフードライフのように個性的なフードコートが見られる時代もすぐそこに来ているようだ。


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