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ショッピングセンターにおける飲食施設の最新動向

2002年10月号

ショッピングモールにおける飲食施設は2つの性格がある。1つは顧客がショッピングに専念できるように、空腹を満たす食事を提供するというサービス的な位置づけ。もう一つは人気レストランを入れ買い物客以外の顧客を導入し、ショッピングモール自体の人気を上げようと言う顧客動員タイプだ。

では、日米における幾つかの実例を見てみよう。

<<米国の場合>>

1)サービス提供型のフードコート

サンフランシスコ郊外の(シリコンバレー中心地)のヴァレーフェアーショッピングモール は昨年フードコートをリニューアルした。 安っぽい内装のフードコートではなく天井を高くし太陽光をふんだんに入れるようにした。客席中央には大型の暖炉を入れてさらに高級な雰囲気を盛り上げている。ブランドファーストフードが中心であるが、以前よりもトレンディーな店舗に入れ替えている。 

<以前からある店舗群は>

<新しく入った魅力のある店舗は>

2)顧客動員力を持つ有名レストラン

ショッピングモール自体の競合が厳しくなってくると、ショッピングモール自体の魅力を出すために、有名レストランを入れ、顧客動員を図るようになる。当初はショッピングモール周辺に有名レストランを配置しモール全体の魅力をつなげるようになったが、有名レストランを目指してきた顧客をショッッピングモールに導入するためには、ショッピングモール自体に併設する方が良いという考え方が出てきた。最近では、ショッピングモールのメインの入り口に有名レストランを設置し、積極的にアピールをするようになっている。その場合には同一建物内ではあるが、外部から目立つように、レストランの看板、屋根型、特徴のキャラクターなどを目立つようにしている。

シリコンバレー・ヴァレーフェアーショッピングモールは現在規模を拡大し地元最大のショッピングモールとなろうとしている。キーテナントのノードストロームの規模を倍増させるに従って、レストラン街も増設している。カリフォルニア地区のショッピングモールで人気のあったサラダとスープのビュフェ・Fresh Choice もイメージの老朽化から撤退させ、より高級な店舗に入れ替えつつある。7〜8年前にはCalifornia Cafeが開店し人気が出ると,その前にCrocodile Cafe と言うカジュアルイタリアンを開店。次には米国sushiブームにのりsushi boatという回転鮨、日本の山崎パンが経営するGrain d’orと言うカフェベーカリーを開店した。今回のリニューアルでは、California Pizza Kitchen とスターバックスを開店させ、ノードストローム入り口にあったスターバックスとの提携のコーヒーショップを閉店し、独自にグルメコーヒーとスムージーの組み合わせのeBARを開業した。次にはCheesecake Factoryが開店予定だ。Cheesecake Factoryは1店舗当たりの平均売上が980万ドルと米国で一番高いチェーンだ。チーズケーキと言う店名だが、カジュアルレストランのジャンルに入り、ボリュームたっぷりのパスタ、サラダ、肉料理などで大人気だ。

ショッピングモールに入居させる有名レストランは売上が高いだけでなく圧倒的な人気で顧客を動員できなければいけないと言う意味ではこのレストランは現在最強だ。

<<日本の現状>>

1)都市型ショッピングモール

渋谷パルコ

競争が激化している渋谷で2001年11月30日にパルコはレストラン街7,8階を Dining Gardenと銘打って大改装した。

http://www.parco.co.jp/shibuya/dining-garden/

だ。

それぞれ、意欲的なお店だが西武のセタンジュと同じく、若者が多い渋谷の町にはちょっと客単価が高すぎると言う欠点がある。そのため、一番入っているのは価格がリーズナブルでメニューがわかりやすい池記、次は居酒屋のDenだ。リンガーハットの新業態 池記は香港の繁盛店と提携したエビわんたん麺が売り物の中華料理となっている。

2)郊外クローズドショッピングモール

やまとオークシティ 2001年12月開業

http://www.yamato-oakcity.com/

神奈川県大和市下鶴間1丁目2番1号

イオンとイトーヨーカ堂が同居する巨大なショッピングモールで、外食もユニークな業態を入れている。

<イトーヨーカ堂の外食部門は>

1階のフードコートがユニークで、大盛況だ。フードコートと、通路を挟んでレストランが並んでいる。

フードコートは

 で、カレーパンが行列で、ビビンバ大王の石鍋ビビンバが大人気だった。

レストラン街は

この分野では大戸屋さんが大人気で、次に回転鮨の沼津港だ。

2階にはドトールが入居している。

イオンに入居の外食は

1階に

2階は

3階に

だ。

繁盛しているのは2階のカプリチョーザとにんにくや、麻布茶房であり、理由はイトーヨーカ堂との連絡通路にあり目立つと言うことだろう。ショッピングモールでの飲食店の配置は導線計画を慎重にする必要があるのだ。  

さて、イオンでは都心の大繁盛店を入れるという実験を行っている。カーディナスと言うチェーンのカリフルニアグリルと言う業態だ。カリフォルニア料理で、恵比寿や西麻布銀座にフミーズグリル、カーディナスグリル、カーディナスシノワ、カーディナスオーシャン、等の超繁盛店を経営している。価格もリーズナブルで大人気のレストランだ。 

http://www.cardenas.co.jp

場所は1階のスターバックスの横で、隣には紅虎餃子房がお店を構える場所だ。夕方の6時頃に訪問したが、100席ほどの客席に客は4名ほど、1時間ほどいて、帰る際に4名ほど入ってきただけと言う不振ぶりだ。どうも、カリフォルニア料理とは何か分からないのが問題のようだ。メニューはフーミーズよりも遙かに安く、アペタイザーで700円から、パスタも700円が中心、料理は1200から1400円、デザートは450円ともの凄いお値打だ。ワインもフランジアを400円で提供するなど価格面の工夫を凝らしている。サービスはなかなか良く、お得なメニューなのだが、どうも地元の理解はないようだ。

隣にある紅虎餃子房は40名ほどの入り。そのとなりのベストロケーションのグルメドールはわかりやすいためか、ウエイティングが出る繁盛ぶり。

際の中島社長は「ショッピングモールの外食は個性が必要な時代だけど、何を売っているか明確に分からないといけない。紅虎は中華と明確に分かるので良いけれど、カーディナスの場合にはカリフォルニア料理がなんだか分からないので苦労しているだろう」と言っていたが、全くその通りの状況だ。

<<日本のショッピングモール内飲食施設の今後>>

都心のショッピングセンターはそろそろ世代交代に来ており、開業30年以上経過し、リーシングの更新時期に来てテナントの見直しが始まっている。食品や外食売り場のプロディーサーの方は、「30年も経過すると時代に全くあわない売り場が残っている。そこで、全て見直しを行う予定だ。今後古いショッピングセンターのリニューアルでは大胆な売り場の更新を見ることになるだろう。」と言っている。

新しいショッピングセンターでは都心の大型ビルの再開発も手掛けており、「それは面白いお店を入れるよ」と言っている。「勿論個性店と言ってもマクドナルドやKFCなどのファーストフードが不要なのではなく、ベーシックなお店として必要ではあるが、全部の外食がチェーンで他のショッピングセンターと同じでは差別化出来ないのだ。個性的な外食店とは、普通は1000円の料理を800円で出すという、価値観を提供しようという信念を持っている経営者がいるかと言うことだ。そのため、店舗を選ぶ時には経営者との面談を重視する。」と選別のポイントを語っている。ショッピングセンターのテナント選別、育成には日頃から気を配っており、新業態などの開店レセプションには必ず顔を出し、新しいコンセプトには気を配っている。

フードコートでも従来のようなブランドファーストフードだけでは物足りないと言う、新しい動きが出ている。紅虎餃子房などのフルサービス業態を手掛ける際コーポレーションは、現在、東京木場のイトーヨーカ堂前の再開発ビル内のフードコート全体のプロデュウースを請負作業中だ。同社は、中華料理でも高級な中華からカジュアルな麺店まで手がけ、さらに、中華以外で和食、イタリアン、フレンチ、スペイン料理、ハンバーガー、ステーキ、カレー、等の業態を開発済みで、それらを組み合わせユニークなフードコートを作るようだ。日本でもシカゴウオータータワー内のフードライフのように個性的なフードコートが見られる時代もすぐそこに来ているようだ。

http://www.kiwa-group.co.jp


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