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月刊厨房、技術情報

クックチル定義その2


図5図6変形ナッカシステム

ナッカシステムはヨ〜ロッパにおいて徐々に普及しだした。欠点である味の劣化を補うために図5図6のような改良が試みだされた。それは主に加熱温度を85―90℃に抑えるというものである。さらに注目されるのは図6の加熱後20℃まで冷却した後、1日其の温度で保管するというものである。ボツリヌス菌などの芽胞菌は温度をかけても死滅しないが、加熱のショックで芽をだし、繁殖を始めるので20℃で1日放置することにより、芽を出させ、それをさらに加熱することにより殺菌効果を完璧にしようというものである。しかし、理論的には優れているこの手法は複雑すぎるし、食品の品質に悪い影響を与えるものであった。芽胞菌のコントロ〜ルで必要なのはまず、野菜などの土を完全に除去し、持ち込まないことと、調理後の食品を3℃以下で保存することにより繁殖が抑えられるので、この複雑な手法は普及しなかった。

図5で注目されるのは冷却をブラストチラ〜で行うという手法である。ブラストチラ〜で冷却するという手法は製菓製パンなどで広く使用されている方法であり、その手法を取り入れたものであるようだ。それ以後、簡易型クックチルとしてヨ〜ロッパで広く普及しだしたものと思われる。しかしながら、クックチルを保存方法として考えるなら、調理後の食品がむき出しのままであるのは、その後を汚染の危険を考えるならあまり望ましいものでなく、そのため保存期間は5日間と短く設定されている。

図7AGSクックチルシステム

クックチルの要素で重要な機能を果たす真空パックのためのプラスチックパックを開発したクライオヴァックという包材メ〜カ〜は真空パック調理という方法に将来性を感じとり、研究を続けた。そして安全に、かつ大量に調理し、保存するためには、インダストリアルな取り組みが必要になってくることから、米国の厨房機器メ〜カ〜に協力を求めたのである。その結果クックチルの手法が米国にわたり、1968年にサウスカロライナ州の病院で研究が開始された。3つの病院の名前、Anderson,Greenville,Spartanburgの頭文字を取ってAGSシステムと名づけられた。この手法はナッカシステムと同様であるが、調理後の冷却をマイナス2℃から2℃までのより低い温度まで下げ、より低温で保管するというものである。その結果保管可能期間を60日までにすることが可能になったのである。

この技術を元に米国の調理機器メ〜カ〜Groen社が開発普及したのがCAPKOLDシステムである。このシステムは図1の7に述べてあるように流動性のものはケトルで調理後、ポンプで真空包装し冷却するケトルクック方式。肉などの固まりは真空包装後加熱し、冷却するクックタンク方式のものである。

図8図9フランスの真空調理

同じころ、クライオヴァックは、同じように真空パック調理に可能性を求めていたGプラリュ〜氏にプラスチックパックの技術を伝え、フランスで真空調理法という技術も確立していった。

真空調理の原理

プウラリュウ〜氏のが抱えていた問題点は、高級食材であるフォオグラのパティを調理するときに従来の方法では歩留まりが悪く40%もの重量ロスがあるというものであった。そこでパティを包装してから調理すれば、味も良いし、重量ロスがないのではないかと考えたのである。フランス料理の古典的な調理方法に油紙に包んで魚や、肉を焼くという方法がある。紙に包むことにより、食材の水分が余分に蒸発しないためおいしさが閉じこめられると言う手法だ。しかし、それは保存のための技術としてではなく、肉などのジュ〜スを損なうことなく、しかもやわらかく仕上げる調理法というだということだ。このプラスチックバックにパティをいれ真空状態にして低温で加熱調理するとロスは5%にまで減少することに成功した。さらにプラスチックバックに食品をいれ脱気をし、内部に空気が残らないようにすることにより、食品中の油脂類が酸化せず、ビタミンの減少も少ないことを発見した。真空調理はさらに低温調理であるというのが大きな特徴だ。食品を加熱調理する目的は、肉などの蛋白質を凝固させ食べやすくするわけだが、蛋白質の凝固点は肉の種類により異なるし、野菜のセルロ〜スを柔らかくする温度は肉よりも高いというように、食材により適正な加熱温度が異なるということだ。真空調理では美味しさを追求するために食品による加熱温度を変えており、それが食品を保存するための細菌コントロ〜ルとはやや異なるという点だろう。

つまりクックチルは食品の保存方法であり、真空調理は調理法であるという定義付けが現在のところ最も適切なのではないかと思われる。両者を大きく分けるのは衛生に対する対応だ。クックチルの場合には以前筆者の原稿にも述べたがHACCPの手法を取り入れた厳格な衛生管理が必要になる。特に何度で何時間加熱し、何度まで何時間で冷却したかというデ〜タ〜が記録され残されるということが保存法として必要不可欠であろう。クックチルであろうと真空調理であろうとこのデ〜タ〜を自動的に記録保管できないシステムは保存法としては認められないということを認識する必要があるだろう。 次回は、クックチルの経済的な側面と導入における注意点をわかりやすく見て見る予定だ。

参考文献
Cook Chill Catering Technology and Management
著者Nicholas Light ,Anne Walker
出版社 Elsevier Aoolied Science


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