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月刊厨房
今、ユーザーが求めるファーストフードの厨房設計

シリーズ第13回

ドライブスルーシステム


ファーストフード店舗の大量販売システム

ドライブスルーシステム

ファーストフードの最大の特徴は持ち帰りが多く効率が良いことである。お客様にとっても、注文をしてから待たないですぐに食べられるので、忙しい現代人のための究極のシステムが、車から降りないで商品が買える、ドライブスルー形態なのだ。

ドライブスルーの店舗では売上の50%がドライブスルーによる売上である。その店内の売上のうちの更に半分も持ち帰りになるのである。つまり、全体の売上の75%が持ち帰りになる。

ドライブスルーシステムの種類

  1. シングルウインドードライブスルー

    さて、ドライブスルーであるが、分散処理方式のカウンターと同じサービス方法を取っていると、1時間に30組しかさばけない。ドライブスルーは客単価が高いので1組あたり1000円としても、30000円しか売れないのでは困るのである。そこで流れ作業方式のレジスター方式を取り入れたのである。まずドライブスルーに並んだお客様はオーダーボードでオーダーをいれる。オーダーボードとは写真入りのメニューと特別のプロモーションメニューボードのにカメラ、マイクロフォン、スピーカーを設置してあり、ここでメニューを撰び、オーダーを入れる。店内ではオーダーテーカー(注文を受ける人)がオーダーを取りすぐにPOSに入力している。入力されたメニューはディスプレーに表示され、製造担当と取り揃え担当の人がそれを見て作業にはいる。ディスプレーに表示されてからでは遅いので、ワイヤーレスコミュニケーションシステムを使用しオーダーを入れた時点で作業に入るようにする。

    次にキャッシングウインドーで代金を支払い、商品を受け取る。オーダーテイクに1名、キャッシングに1名、商品の取り揃えに2名の販売員を置くことにより、1組あたりの所用時間を30秒にすることができる。これにより理論的に1時間最大で120台の車を捌くことができるのである。客単価1000円として、12万円の売上になる。しかしながら、まだオーダーの仕方を理解していないお客様や、子供連れの場合の注文が遅かったりするため、現実には100台が限界である。そうすると、1時間に125000円売ることはできなくなる。

  2. ダブルウインドードライブスルー

    そこで、一つの窓口(ウインドー)で代金の授受と商品の受け渡しをするのでなく、オーダーテイクをした後に、もう一つの窓口で代金の授受をし、次の窓口で品物の受け渡しをする方式が考案された。これにより15秒間に1台の車を捌くことができるようになったのである。ロスを考えても1時間に200台の車を捌けるようになったのである。 3)ダブルレーンドライブスルー

    米国ではサービスのスピードが最も重視されるので、更にドライブスルーのスピードアップと、能力アップが要求され出した。そこで出てきたのが、上記のダブルウインドードライブスルーを建物の左右両サイドにもうけ、2倍の能力を実現した。これにより1時間に400台もの車を捌くことが可能になったのである。

    このため、大手ハンバーガーチェーンに対抗して、ドライブスルーオンリーのチェーンのチェッカーズ、ラリーズ、ホット&ナウが誕生し急成長したのである。

  3. 対面オーダーテイクシステム

    ドライブスルーが普及するに従い、お客様はスピードアップという点で満足したが、問題点も出てきたのである。オーダーテークをマイクを通して行うことにより、応対が冷たく感じられたり、オーダーの間違いが数多く発生するようになってきた。

    元々ドライブスルーは売上の20〜30%位のセールスを予想して追加してきたのであるが、現在では、50%をこえ55%位にまで上昇してきているのである。そこで、もっとドライブスルーのお客様へのサービスに力をいれても良いのではないかということになってきた。

    そこで、現在2つあるウインドーにもう一つウインドーを追加して、対面でオーダーをとるようになってきた。オーダーを受けてその際に、塩やケチャップなどの調味量やストロー、ナプキン、コーヒークリーム、砂糖などを渡すのである。これにより、スピードがアップするわけではないが、オーダー受けの正確さが上昇し、人間がオーダーを受けるのだという柔らかいサービスを訴求することに成功した。

  4. タンデムオーダーシステム

    時間を短縮するためにオーダーを取るのを2台づつまとめてとるシステムである。これにより時間が短縮できる。しかしオペレーションが複雑なためまだあまり普及していない。この考え方は近畿自動車道の吹田インターで料金所の新システムとしてテストして混雑の解消に成功している。

  5. アウトサイドオーダーテーカー

    上記のシステムは米国では成功したが日本ではなかなかうまくいっていないのである。日本と米国の違いは売上パターンである。米国の売上の最も高いのは金曜日の昼と、地区によっては土曜日である。しかし、平日の5日間の売上は大変安定しているのである。日曜日は原則的にキリスト教国である米国では、安息日であり、朝は教会にいき午後は家でのんびり過ごすので売上は最も低いのである。平日の売上が8だとすると日曜日は6であり、金曜日が9位なのである。余り売上に変動がないので、ドライブスルーに投資をしても採算にあうのである。

    しかし、日本の売上は全く反対である。平日の売上が4だとすると土曜が6、日曜は10にもなる。勿論オフィス街の店舗は土日の売上は低いのだが、郊外に行くと、日曜の売上が平日の4倍にもなる。

    その日曜日のピーク売上のためにだけドライブスルーの設備をかけても問題がある。また、売上は、夏場が最大であり、天気が悪いときは売上が悪い。そこで天気の良い日のみ外で人間がオーダーをとって、そこでリモート操作できるレジスターでオーダーをとってしまおうとした。これをアウトサイドオーダーテイクシステムといっている。対面でオーダーがとれるので、オーダーミスがなくなり、スピードも上がるというメリットがある。投資コストはPOSのケーブルとコミュニケーション用のケーブル配管のみで良いので経済的である。場合によっては、現金の授受も外部で行うことによりサービスのスピードを向上することが可能である。しかしながら、安全性の問題から特別な場合を除いてお勧めできない。

POSシステムの重要さ

ドライブスルーシステムで最も大事なシステムは,POSシステムである。POSがなければドライブスルーシステムは成り立たないのである。

まずオーダーテークで会計が終了しない間に次々とオーダーを受付けて、そのオーダーを、キャッシングウインドーに送付し、そのオーダーをピックアップウインドーまで送付しなければならない。また、その間のオーダーの内容を店内のディスプレーに表示し、調理をする人、取り揃える人が確認できなければならないのである。また、いったん取ったオーダーがキャッシングウインドーやピックアップウインドーで変更や追加があったときにどうするか、途中で割り込みがあったときにどうするかなどの、複雑な対処ができなければならないのである。

コミュニケーションシステムの設計

POSと同様に重要なのはコミュニケーションシステムである。POSではお客様のオーダーを取り終わらないと、ディスプレー画面にオーダー内容が表示されないが、大量オーダーが入ったり、特殊な注文が入ったときにすばやく対応することができない。そこで、マイクとスピーカーでの音声によるコミュニケーションが必要になる。

ドライブスルーレーンの設計の注意点

ドライブスルーの場合には、建物の配置、ドライブスルーレーンの線引き、車の出入り、看板の位置など気をつけなければならない。

ドライブスルー店舗は看板の設置が重要である。国道などは車線が多く車のスピードが早いので、店舗の前にきてから駐車場に入ろうとしても通り過ぎてしまうのである。そのため、告知看板の設置が重要になってくるのである。

店舗には当然回転式の大看板を設置するが、町中では高さ規制や、高層ビルの為に遠距離から見にくいという問題がある。郊外でも車のスピードが早いため大看板が見える距離では店舗に入るだけの十分な減速ができない。そのため告知看板を設置するわけであるが、店舗からの距離は店舗のロケーション競合状態により異なる。また、車の平均速度や、前方の競合店の存在により設置場所は異なってくる。

車の流れが安全でスムーズにするには、カウンターでの並ぶスペースが必要なのと同様に入り口からオーダーボードまで十分な距離が必要である。また、各ウインドー間に何台の車が入るかも全体のサービングタイムがスムーズにいくかに影響する。

全体の敷地の中の建物の位置であるが、町中の店舗の設計の習慣から建物を道路際に建てる傾向があるが、それではドライブスルーレーンの長さを十分に取ることができず、日曜日の忙しいときにお客様を逃がしてしまう原因となる。また、駐車場に車を止めて店内にはいるのに、ドライブスルーレーンを通過することになり危険である。ドライブスルーレーンは敷地の周囲を回し、歩行客特に子供に危険がないようにしなければならない。

建物が道路際にあると車から見やすいように錯覚するが、実は奥に建物があった方が車から見やすいのである。新幹線で遠くの富士山を見るとはっきり見えるが、線路の中の砂利を見てみると流れてはっきり見ることができない。スピードがある時には、距離があった方が景色が流れず見やすいのである。

夜間に建物が目だたないと車が通り過ぎてしまうので、客席内部の照明を明るくし、建物外部の照明も明るくし、周囲の暗闇から浮き上がるようにすると店舗が目だち車が入りやすくなる。また、駐車場の照明も十分に明るくし、家族ずれのお客様や、若い女性客も安心して入ってこれるようにする。駐車場が暗かったり、部分的な死角があると暴走族などがたまり場にし易くなるので注意する必要がある。

また、キャッシングウインドーで品物を受け取ってからすぐに道路であると、通行料が多いところではすぐに出ることができず、待たなくてはならない。そうすると次の車に品物を渡すことができず全部の車がストップしてしまう。キャッシングブースから、何台か車をためることが出きれば比較的スムーズにドライブスルーの車を流すことが可能である。

入り口からオーダーボード、オーダーボードからキャッシングウインドー、キャッシングウインドーからピックアップウインド−、ピックアップウインドーから出口までの距離はきちんと計算しなければならない。特に設計の際の車と車の間の距離、車のサイズの設定は重要である。最近は車のサイズが大きくなり、小型者規格を越える車が増加し、また、1ボックスカーなどの車高の高い車が増えてきたので設計には十分に注意する必要がある。定期的に来店客の車のサイズのチェックも必要である。

ドライブスルーの安全対策

  1. 照明

    駐車場の照明は十分な明るさが必要である。特に、部分的な暗がりは犯罪を発生し安いので注意が必要だ。特に店舗への入り口の照明は十分明るくし、入ってくる人が確認できるようにする。

  2. 速度

    駐車場内部の速度制限が必要である。一般的に5KM以下でなければならない。物理的に速度がでないように駐車場内の通路に蒲鉾上の突起物を作り速度を出せないようにする。

  3. レイアウト

    駐車上に止めたお客様が店内にはいる通路と、ドライブするー利用のお客様の導線が重ならないようにする。特にドライブスルーのキャッシングブースの前方の横断歩道での事故が多いので注意が必要である。最近では1ボックスカーや、大型の4輪駆動タイプの車両が増加しているが、それらの車の左側面に子供が立っていると全く見えないので注意しなければならない。

    特に子供の遊技場などを作る場合には、店内から直接遊技場に出入りできるようにし、幼い子供が駐車場にでないようにしなければならない。

  4. 犯罪への対策

    郊外型の店舗では、事故や犯罪の発生に注意しなけらばならないので、以下の項目に注意し店舗設計、運営基準を作成しなければならない。

    • 銀行納金の法
    • 早朝、深夜の従業員の安全対策
    • 店舗の鍵の掛け方、管理方法
    • 金庫の鍵の管理
    • 盗難対策
    • 火災対策、自動消火装置、警報装置
    • 駐車場における表示内容、長時間駐車対策


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