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AV店の経営手法

第4回

アルバイトの管理 その2


アルバイトの効率的な教育と管理方法

アルバイトより社員の方がよく働くとか、信頼ができるというのは古い考え方だ。アルバイトでもしっかり教育すれば社員よりもモラルが高くなる。社員よりアルバイトの方が金銭管理などで信頼できるというのも誤りだ。アルバイトのやる気を出させるようにすれば社員より金銭面で信頼できる場合が多い。筆者も社員の方が不正行為の場合の金額が多いという経験をしており、その不正行為の発見のきっかけもアルバイトからの通報が多かった。アルバイトのトレーニングをしっかりおこなう必要があるのは云うまでもないが、トレーニング方法に工夫をこらせば短時間で優秀なアルバイトを育成することが可能になる。

  1. ) アルバイトを短時間でトレーニングするには

    アルバイトを短時間でトレーニングするには、作業指示書が効果的だが、同時に標準時間を設定すると、仕事をどう進めればよいかという目標がわかりやすい。サービス、クレンリネス、陳列、深夜作業、発注業務、搬入倉庫整理、返品作業、など各業務の作業指示書を作り標準時間を設定する。その作業時間の例を挙げてみよう。

    第一日目
    オリエンテーション60分
    サービス説明30分
    サービス実習30分
    一人で作業60分
    評価とフォローアップ20分
    クレンリネス説明20分
    クレンリネス実習20分
    評価とフォローアップ30分
    オーナーと懇談30分
    初日労働時間計5時間
    第2日目
    サービス復習
    クレンリネス復習
    陳列棚の整理
    搬入倉庫整理
    一部の発注作業
    所要時間5時間
    第3日目
    前日の復習
    深夜作業
    発注作業
    返品作業
    フォローアップ
    合計5時間

    このように標準時間を設定し、効率よく進める。アルバイトの適性により時間がかわると思いがちだが、人により必要なトレーニング時間が変わるようであれば、教え方が具体的でないか、要求基準が高すぎるのが原因だ。最初から多くを期待しないで、必要最低限度なことだけ教えればよいのだ。そして1カ月後2カ月後に慣れた時点で、同じ作業手順書で基準を高くしてチェックし再評価すれば店舗の基準を落とすこともない。

    AV店の作業レベルであれば、深夜業務までも15時間以内に教えられるはずだ。実際に教えているオーナーは随分と多いはずだ。ただ現在は教える人により時間が異なっているだけだ。作業手順書の標準化とタイムプランを明確に立てることでだれでも15時間でトレーニングできるはずだ。

  2. ) アルバイトのモラルを高く保つ秘訣

    1. 定期的な仕事の評価 

      アルバイトも最初のうちは一生懸命仕事を覚えるが、或程度時間がたつと、マンネリになり仕事の効率が落ちるようになる。この時点で、仕事に対する正当な評価を下し、必要なら昇給をすることが効果的だろう。最初の1カ月目で昇給はなくとも仕事の評価をすると、初期の退職を減少する効果がある。3カ月後くらいに、昇給につながる評価をする。この時点では、優秀なアルバイト、今後貢献するであろうアルバイトの見極めができるので、積極的に時給をあげると働く意欲が高まり定着性もする。

      店舗での評価はオーナーの気まぐれで行われるのでなく、定期的に行われると言うことを周知徹底することが大事だろう。これにより、オーナーが何時も仕事を評価していることが分かり、やる気を継続できるのだ。出来るなら年間3回くらいの評価が必要だろう。

      アルバイトにとって評価される項目が明確でないと、不安になるのでオリエンテーションの時に、評価方法、内容、時期を明確に伝え、そのスケジュール通りに実施することが効果的だ。評価により仕事の内容が上がるためには、評価が具体的でなければいけない。作業手順書を使用し、各作業分野を具体的に評価するとわかりやすい。もちろん、作業そのものだけでなく、チームワークや、勤務態度も大事であるから、それも評価の対象とすると良いだろう。

    2. アルバイトとのコミュニケーション

      評価だけではなく、定期的にアルバイト、社員と話したり、ミーティングを開くべきだろう。アルバイトであっても金だけのために働くのではない、仕事上の課題を達成する、店の問題点の解決に関与する、売り上げ増進に貢献するなど、自己の仕事上の達成感を楽しむようになる。そのように持っていくためには毎月の店舗の目標、何を中心に販売していくか、を説明したり、もしアルバイトがよいアイディアを持っていたら採用するのは従業員の志気を高める上でも大変重要だ。

  3. ) アルバイトの不正行為

    アルバイトにはどんな不正行為があり得るだろうか。

    1. 金銭の盗難

      不正行為というと金銭の盗難を連想しがちだが、金銭の盗難をするのはかなり常習者であり、これを防ぐには採用時の身元調査をしっかり行う必要がある。身元調査というと大げさに考えるが、面接時に過去の学歴や職歴を履歴書に書いてもらうが、その内容をチェックするという簡単なことだ。

      経営幹部を採用するのなら専門の会社に身元調査をしてもらうのだが、アルバイトの場合そんなに費用はかけられないから、電話で以前働いていた会社や、学校に在籍の確認をする。最低2カ所の電話確認をすると間違いがない。電話だとなかなか本当のことを云ってくれないように思うが、最近は結構本当の事を云ってくれる。まず、電話をしたら、こちらの会社と氏名を名乗り、「そちらで以前働いていた・・の事についてお尋ねしたいのですがと丁寧に頼む。そして、まず働いていた期間が、合うか、退職したのは何時か、何か特別な退職理由があるのですか?」と聞く。

      一番大事なのは退職の理由が不正行為か、その他の重大な問題を引き起こしたかを確認することだ。基本的にあまり具体的な問題点を云ってくれないが、それでも口調があまり云いたくないようだったり、はっきりと答えてくれない場合は問題があった可能性がある。勤務状態が良かった場合にははっきりいってくれるのが一般的だ。

      切り札の質問は「もし、また働きたいと云ったら、再雇用しますか?」というフレーズだ。いくら云いにくいとはいえ、この質問にはYESかNOかではっきり答えてくれるはずだ。

      最近は若い人でも個人破産が多いので注意が必要で、ある会社で10人ほど身元調査を行ったら3人の人間で履歴詐称があったことがある。

      店舗の金を盗むには色々の手口がある。まず、レジの金を盗むこと。これはレジの登録金額と合わなくなるからすぐわかる。そこで、レジを打たずに金銭の授受を行い、売れた本数を記録しておき、後でその分の金を持ち出すという方法がある。この方法は1人で店舗を運営するときにおこなう手法であり、店舗訪問時はマッチ棒、紙などで記録をしていないかどうかチェックする。

      経営者が一緒にいるときでも盗難は可能だ。複数の人間がレジを操作すると誰が間違えたかわからない。そこで客と組み、釣り銭を多く渡したりする。そうすると金銭をちゃんと授受しているのに現金の差が出てくる。その時には打ったテープの本数と金額があっているか時々チェックする。

      勿論、単純な釣り銭間違えの場合もあるから一概に盗難と非難してはいけない。高額紙幣はすぐレジに入れずにレジ正面にマグネットクリップなどで止めておき、声を出して、「テープ何点で合計いくら頂戴します。いくらお預かりします。いくらのお返しです」と確認させる。そして、客の目の前で釣り銭を数え、客が確認した後で紙幣をレジ内のドロアーに入れ閉じる。

    2. 無意識の金銭盗難

      店の金を直接盗むのは犯罪行為であり、よほどの事がないとおこなわないが、罪悪感の無い金銭盗難というのが一番困る。それは友人などが来店したときに値引きをするという行為だ。値引きまたは無料提供だ。自分が取るのではないからあまり罪悪感がないので割引や1本よけいにサービスするなど行いがちだ。これらの行為も盗難で、やってはいけないと明確にアルバイトに伝えておくことが重要だ。

    3. その他の犯罪 

      盗難というのは物を持っていくことだけではない。商品のビデオを自宅に持って帰ってコピーをする事も立派な盗難行為である。また、同様に商品を友人に貸し出すことも盗難と同じであり、商品の持ち出し、貸し出しにルールを作っておくべきだろう。

      その他備品の持ち出し、店舗の電話の個人使用も問題が多い。電話も注意しないと長距離電話などをしがちだ。NTTなどに依頼し、使用料の明細をもらい誰が私用電話をしているか把握しておく。

    4. 対策

      金銭管理を明確にしておくことが犯罪を防ぐ手法だ。

      まず、売上管理の手法を明確にしておくことだ。POSがあれば商品別売り上げなど商品と照らし合わせてチェックができるが、商品管理がしにくいAVの仕事では別の売上管理を確立する必要がある。販売毎に販売商品を記録する表や伝票への記入の方法などを明確にする。そして、週に一回は棚卸しをして商品の販売数と売り上げの誤差をチェックする。

      どんなに注意してもレジの売り上げと金額は合わないことがある。もし、レジの売り上げと金額が間違いが全くないというのならかえって不正の可能性がある。そのためにはレジ打ち間違いの処理の方法を明確にしておく必要がある。レジの打ち間違えはレジの入力途中の処理と金銭の授受の後に修正する方法とは異なる。そのやり方を明確にマニュアル化して、記録に残し後で間違いがないかチェックできるようにする。

  4. ) 店舗の状態のチェック

    アルバイトを家族のように大事に扱っても、放任しては問題が発生する。会社でも仕事や金銭の扱いに問題がないかをチェックする監査制度がある。不正を防ぐためには店舗の監査を定期的に行う必要がある。どんな監査が必要かというと、まずどんな事故や不正があり得るかという事を分析しなくてはならない。そのやっていいことと悪いことを明確にして店舗の就業規則や従業員規則を作るのだ。

    そして、無予告で店舗の状態のチェックや、レジ売り上げのチェック、商品の棚卸しをおこなう。勿論、人を疑うという態度ではなく、定期的な業務であるという感じでさりげなくおこなう。もしあまりチェックをするのが嫌であれば、深夜など差し入れだという形で、コーヒーや軽食などを持って慰問するのも良いだろう。チェックにもなるだけでなく、コミュニケーションも図れ従業員もやる気がでる。

  5. ) 外部から強盗、盗難、暴行などの危険性を防ぐには

    郊外の道路に面している通行人の少ない店舗では強盗に注意しなければならない。強盗は急におそうのでなく事前に調査し、金があるかどうかをチェックする。それを防止するにはレジ内に余計な高額紙幣をおかないようにする。金庫やその他の高額紙幣の保管庫を用意し、余分な1万円札などはしまい、客の目に触れないようにしておくのが基本的な防止策だ。また、AV店舗は外からあまり見えないようにしているが、危険な場所の場合、通行人自体が少ないのだから、逆に外から見やすく安全な状態にする必要もあるだろう。

    もし、環境が悪い繁華街や暴走族などの多い郊外など危険が予測される場合には普段から交番などの警官と仲良くなるなどの対策をしておくと有効だ。

    店舗で働くのが危険な環境ではアルバイトも集まらないし、定着もしないのでこの安全への対策を怠ってはいけない。

  6. ) 定着性の向上

    アルバイトを長く定着させることは、トレーニングコストを削減でき、かつ、サービスのレベルを維持する最善の方法だ。野球チームの作成によるチームワーク作り、優秀アルバイトの海外旅行、仕事後の茶話会、大規模な忘年会、新人が入った時の夕食会など数多くの手法がある。大事なのは従業員はアルバイトであっても家族のように楽しく働ける雰囲気を作り上げると言うことだ。

    勿論、遊びばかりではなくフォーマルな店内会議や、売り上げを上げる方法、共同のチラシ配布などの店舗行事を定期的に行い、店舗運営に対する参加意識を維持するのも有効だ。


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